道路、公園、河川の維持・管理は、市民の安全・安心及び良好な景観を維持するうえで、重要な行政サービスである。予算を削減する方針を決定するに当たっては、その過程において、市民や議会への意見聴取や説明が必要であることは言うまでもなく、また、慎重かつ丁寧に検討を行うべきものである。
にもかかわらず、市民や議会への説明等は一切行わないまま、いきなり令和6年度当初予算案において除草費の削減が提案されてきた。地元自治会においても、驚がくと不安が広まり、反対意見が続出した。これは、本定例会で審議された令和5年度補正予算案における門司駅遺構の一部移築費用の計上と全く同様で、何ら説明がないまま、突然発表するというのは、これまでの市長の一貫した姿勢である。
令和6年度予算案を審議する重要な予算特別委員会の質疑において、「棚卸しの資料は、回数を見直して削減するという建付けになっているが、実際には除草の回数を確保する。」、「道路や側溝の補修といったほかの予算を活用する。」、「積算は計画であり、計画どおりに執行することだけが必ずしも効果的であるとはいえない。」という趣旨の発言があった。
予算審議の場において、このような答弁が行われては、我々議員は、真っ当な審議ができず、議論がかみ合わず、お手上げ状態であった。令和6年度の北九州市の取組方針を表明する重要な予算案の提出において、予算案の内容のいい加減さ、更には議会の役割そのものを否定するかのような発言は議会軽視であり、とうてい看過できない。
このような市長の市民や議会への対応は、本市の住民自治にとって危機的な状況を招いている。議案を示すのは市長であるが、決定するのは議会である。
今後は、予算案を編成する過程における市民や議会への説明責任を真摯に果たすとともに、予算案を始めとした議案を市民の代表である議会において議論することの意味について認識を改められたい。
以上、可決に当たっての付帯決議とする。