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意見書・決議(議員提出議案第44~49号)

更新日 : 2023年12月11日
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議員提出議案第44号・高等学校等就学支援金制度の所得制限撤廃を求める意見書

 近年、日本では少子化が格段に進み、本年9月に厚生労働省が発表した人口動態統計では、2022年の合計特殊出生率は過去最低と並ぶ1.26となり、出生数はついに80万人を割り77万759人となりました。

 国立社会保障・人口問題研究所の調査では20年以上、理想の数のこどもを持たない理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎる」が第一位に選ばれており、直近2021年の調査でも35歳未満の既婚女性においてその回答割合は約8割に及んでいます。

 政府もその課題は認知しており、本年6月13日に策定した「こども未来戦略方針」では、基本理念の一つに「全国どの地域に暮らす若者・子育て世代にとっても、経済的な不安なく、良質な雇用環境の下で、将来展望を持って生活できるようにすることが重要」と若者・子育て世代の経済面の不安解消に触れています。

 しかし、現状では子育てや教育にかかる多くの支援制度で親の所得による支給制限が設けられており、ネット上などでは「子育て罰」とも批判されています。所得制限はこどもを持つことへのネガティブなイメージにつながっているため、早急な撤廃が求められます。

 特に高等学校等就学支援金制度における所得制限は、単に「お金がかからない公立校を選ぶ」といった選択制限として教育機会の平等を脅かすだけでなく、「私立は行けないから合格確実ラインの公立校に志望校を下げる」といった、こどものチャレンジマインドを抑制する面があり、こどもの自立心を養う機会や努力し成功体験を得る大切な機会が失われており、第一に手を付ける必要があります。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、高校受験という、多くのこどもが自らの意思で人生のキャリアを選択する重要なタイミングにおいて、家庭の経済状況にかかわらず全てのこどもに教育の機会均等を保障する観点から、高等学校等就学支援金制度について親の所得による支給制限の撤廃を行い、こどもの教育機会の平等を実現することを強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第45号・医療・介護・障害福祉分野における処遇改善等を求める意見書

 介護サービス事業所や障害福祉サービス事業所では、人材の確保・定着が難しく、運営に支障をきたす事態が深刻になっています。また、募集しても応募がなく、公的に定められた人員配置基準は何とか満たしたとしても、現場で必要としている職員数に満たない欠員状態が続く事業所が多いのが現状です。

 厚生労働省の賃金構造基本統計調査(2022年6月)でも、福祉施設等の介護職員の超過勤務手当などを含む平均賃金は月額25万7,500円で、全産業平均の34万100円と比べて、8万円を超える格差があります。

 今日、最低賃金の引き上げや大手企業を中心にベースアップ(基本給の引き上げ)などによって賃上げが進む中で、介護職員などへの対策は打たれておらず、賃金格差がさらに拡大しています。

 また、本年8月に提出された人事院勧告は民間企業の賃上げをうけてプラス改定となり、私立保育園等の公定価格や児童養護施設の措置などは4月にさかのぼって増額される予定である一方で、介護報酬や障害福祉サービス等報酬には反映されない状況です。

 介護や障害福祉を支える職員は、専門職として位置づけられているにもかかわらず低賃金、人手不足による過酷な労働を強いられることが続けば職員の離職に歯止めがかからない状態に陥り、施設の運営も困難となり、必要な福祉サービスの提供ができなくなる恐れがあります。

 よって、本市議会は、政府に対し、介護職員等の賃金水準を確保するための制度改革と同時に、職員の人権を尊重し生活を保障する取組を迅速に推進するため、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 医療・介護・障害福祉分野の賃上げについて、経済対策での処遇改善支援事業を早期に実行すること。その上で、2024年度の同時改定においては物価高騰・賃金上昇等を踏まえ処遇改善等を行うこと。

2 新型コロナウイルス感染による緊急時のサービス提供に必要な介護人材確保のため、手当の支給など、地域医療介護総合確保基金における「新型コロナウイルス感染症流行下における介護サービス事業所等のサービス提供体制確保事業」の活用を推進すること。

3 介護や障害福祉を支える職員は、専門職として位置づけられており、高齢化社会を支える必要不可欠な人材であることから、「地域対応活用」による介護職員等の公営住宅への入居を促進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第46号・認知症との共生社会の実現を求める意見書

 認知症の高齢者が2025年には約700万人になると想定されている現実に対して、認知症の人が尊厳を保持しつつ希望を持って暮らすことができるよう、認知症施策を総合的かつ計画的に推進するための、「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」(以下「認知症基本法」という。)が先の国会で成立しました。現在、政府の「認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議」において、認知症の本人及びその家族をはじめ、認知症に関わる様々な方々から幅広い意見を聴きながら、認知症基本法の施行に先立っての方針が取りまとめられています。

 今こそ、認知症の人を含めた国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、相互に人格と個性を尊重しつつ支え合いながら共生する活力ある社会(以下「共生社会」という。)の実現をという目的に向かって、認知症施策を国と地方が一体となって進めていくときです。

 私たちが目指す共生社会とは、誰もが認知症になる可能性がある中で、生活上の困難が生じた場合でも、重症化を予防しつつ持てる力を生かしながら、周囲や地域の理解と協力の下、本人が希望を持って地域の中で尊厳が守られ、自分らしく暮らし続けることができる社会です。

 よって、本市議会は、政府に対し、認知症との共生社会の実現に必要な予算措置も含め、行政の体制を一層強化させ、一刻も早い認知症との共生社会を、各地域で実現することを求め、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 本年6月に成立した認知症基本法の施行に向け、立法の趣旨を踏まえ、円滑な施行に向け、施行後に設置する「認知症施策推進本部」をはじめとする準備に万全を期すこと。特に、認知症の本人が、自身が認知症であることを隠すことなく、朗らかに日常を続けられるように、認知症に対する偏見や差別を解消するため、古い常識の殻を破り、基本的人権に根ざした希望のある新しい認知症観の確立のために、省庁横断的かつ総合的な取組の推進に総力を挙げること。

2 地方自治体における都道府県認知症施策推進計画、市町村認知症施策推進計画の策定において、今までの延長ではなく、共生社会の実現に向けた統合的かつ連続的な計画の策定を可能にする専門人材の派遣など、適切な支援を行うこと。また、各地方自治体が主体的に実効性の高い施策を自在に展開するために、自由度の高い事業展開と予算措置の在り方を検討すること。

3 地域住民に対する認知症基本法の理念等の普及啓発、安心・安全な地域づくりの推進等、共生社会の実現を推進する取組を、部門間の縦割りをなくして総合的かつ継続的に推進すること。また、各地方自治体の施策を適切かつ的確に展開するために、認知症の本人が企画から評価まで参画できる体制の整備を検討すること。

4 認知症の人の働きたいというニーズをかなえる環境整備も重要であることを踏まえ、若年性認知症の人、その他の認知症の人々の就労や社会参画を支える体制整備を進めるとともに、働きたい認知症の人の相談体制を充実し、認知症と診断されても、本人の状態に応じて、社会の一員として安心して生活できる事業者も含めた社会環境を整備すること。

5 独居や高齢者のみ世帯が急増する中で、一つの事業所で相談から訪問介護、通所介護、ショートステイまで、一人一人の状態の変化に応じて継続的に対応できるオール・イン・ワンの介護保険サービスを24時間365日提供する小規模多機能型居宅介護サービス事業について、見守り体制の整備も含めて拡充すること。

6 身寄りのない方を含め、認知症になったとしても、その状態に応じて、安全に安心して生活ができる社会環境の構築に向け、一人一人の意思を最大限に尊重し総体的かつ柔軟に寄り添い支える、成年後見制度や身元保証等の在り方について現状の課題を整理し検討を進めること。また、住まいに課題を抱える方々に対する総合的な相談対応、一貫した支援を行う実施体制を整備すること。

7 全ての国民が正しく認知症に向き合う社会環境を整えるために、認知症発症予防から人生の最終段階まで、認知症の容態に応じ、相談先や、いつ、どこで、どのような医療・介護サービスや地域の支援を受けることができるのか(認知症ケアパス)、更に認知症の人を支える周囲の人における意思決定支援の基本的考え方や姿勢、方法、「驚かせない・急がせない・自尊心を傷つけない」の心得など配慮すべき事柄等(認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン)を、繰り返し国民が学べる環境を整備すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第47号・食品ロス削減への国民運動のさらなる推進を求める意見書

 食品ロスの削減の推進に関する法律が2019年10月1日に施行され、食品ロス削減に関する普及、啓発が進められてきました。一方で、農林水産省が公表した2021年度の食品ロス量は523万トンで、その内訳は事業系食品ロス量が279万トン、家庭系食品ロス量が244万トンとなっています。

 現在、世界で約8億人が飢餓に直面していると言われている中で、国連世界食糧計画(WFP)では、飢餓で苦しむ人々のために、年間約480万トンの食料支援を行っており、日本における食品ロスとして、まだ食べることができるのに捨てられてしまう食料が、その1.1倍となっているのが現状です。

 また、食品ロス削減は、気候変動対策としても大変に重要です。食品の廃棄における直接的に生じる環境影響だけでなく、その生産過程で投入される天然資源やエネルギーの浪費、製造・加工・流通・小売の各段階でのエネルギー消費などを踏まえると、食品ロスが環境に及ぼす影響は決して少なくありません。

 よって、本市議会は、政府に対し、食品ロスの削減の推進に関する法律に基づき、誰もが取り組める脱炭素アクション等として、食品ロス削減への国民運動のさらなる推進のために、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 賞味期限や消費期限が近いものから選ぶ「てまえどり」など、エシカル消費の普及啓発を一層進めるとともに、食品ロス削減を積極的に進める事業者の評価や支援の強化を図ること。また、地域や事業者の食品ロスの計測、公表等の体制を拡充し実効性を強化すること。

2 食品ロスを防ぐための使用量や頻度に合わせた小分け包装や、食品自体の鮮度の保持や賞味期限等の延長につながる容器、包装の改善や工夫の促進、外食産業における小分け提供や持ち帰りなど、食べきりを積極的に進めるための取組を一層強化すること。

3 食品ロスを防ぐため、子ども食堂、子ども宅食、フードバンク等への企業等からの在庫食品の寄付促進や、フードドライブ(未利用食品の寄付運動)等の利活用で、もったいないとおすそわけの好循環をつくり、国民運動としての取組を一層強化すること。

4 事業系の食品ロス削減と食品等を必要とする人の支援を行うために、企業、商店などから提供された食料品等を、地域に設置された冷蔵庫や冷凍庫で保管し、随時必要とする住民や団体等に提供するコミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)の設置や運営等への支援制度を整備すること。

5 食に関わる事業者と野菜等の生産者の連携を促し、色や形における規格外品や、食材の皮や芯や種など、出荷や加工前に廃棄されている地域の食材を、できる限り有効に活用する商品開発や消費の拡大などに取り組む地方自治体等の事業に対して積極的な支援を展開すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第48号・旧統一教会の被害救済の実効性ある財産保全の法整備を求める意見書

 政府から解散命令を請求された旧統一教会(現在は「世界平和統一家庭連合」)の田中富広会長が11月7日、記者会見を開き「お詫び」を表明しました。その一方、多くの信者や家族を苦しめてきた高額献金などについて「現場の信者の説明不足で、誤解などがあった」とするだけで、組織的責任は認めませんでした。

 「お詫び」はするが「責任は認めない」という、不誠実な態度に終始し、解散命令請求の審理を進める必要性が改めて浮き彫りになりました。

 田中会長はまた、教団の資産規模は公表できないとしながら、被害補償のため教団として、最大100億円を供託するとの提案をしました。

 しかし、政府が把握する高額献金の被害規模は200億円を超え、全国統一教会被害対策弁護団(被害対策弁護団)は、潜在的な被害額は約1,200億円に上ると推計しています。

 被害対策弁護団は、供託金の提案は「タイミングからしても、財産保全の法整備や解散命令逃れのための「自己保身」「パフォーマンス」であることが明らか」と指摘した上で「党派を超えて協力し、今臨時国会において速やかに被害救済の実効性ある財産保全の法整備」をするよう求めています。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、被害救済の実効性ある財産保全の法整備を行うことを強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第49号・ガザ攻撃中止と即時停戦のため、各国・国際機関に強く働きかけることを求める意見書

 イスラエルの大規模攻撃により、パレスチナ・ガザ地区は、「子どもたちの墓場と化し、人々の生き地獄となっている」とも言われる深刻な人道的危機に直面しています。

 すでに双方の死者が1万人を超え、その4割は「子ども」と報じられています。

 イスラエル側は「自衛権の行使」を掲げていますが、住民の避難場所である病院や学校に加え、救急車や難民キャンプをも爆撃の標的とし、国連職員や報道関係者の犠牲も相次いでいます。自衛権を超える過剰な攻撃で、国連の人権専門家7人は連名で「ジェノサイド(大量虐殺)の重大な危険」と厳しく警告しています。

 今回のガザ危機の直接のきっかけはイスラム組織ハマスによる無差別攻撃です。国際法違反の行為であり、許されるものではありません。

 同時にこうした事態が起きた背景に、イスラエルが1967年以来、ヨルダン川西岸とガザ地区を占領下におき、住民の強制排除を行いながら入植を拡大し、ガザ地区に対しては2007年以来、封鎖政策によって「天井のない監獄」とも言われる非人道的状態をつくりだしてきた歴史的事実があります。

 ガザ地区の最大の病院も攻撃され、電気が止まり医療活動の継続そのものが困難となっています。人道的危機の打開は一刻の猶予も許されません。

 よって、本市議会は、政府に対し、イスラエルによるガザ攻撃中止と即時停戦を各国・国際機関に働きかけることを強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

このページの作成者

市議会事務局政策調査課
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