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意見書・決議(議員提出議案第31~35号、43号)

更新日 : 2023年10月3日
ページ番号:000169159

議員提出議案第31号・ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)に対する適正な診療上の評価等を求める意見書

 交通事故、スポーツ、落下事故、暴力など全身への外傷等を原因として発症する脳脊髄液漏出症(減少症)によって、日常生活を大きく阻害する様々な症状に苦しんでいる患者の声が、全国各地から国へ数多く寄せられていました。

 その後、平成19年度から山形大学を中心に関連8学会が参加し、厚生労働省研究班による病態の解明が進んだ結果、平成28年より同症の治療法であるブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)が保険適用となりました。

 その結果、それまで高額な自費診療での治療を必要としていた患者が、保険診療のもとにブラッドパッチ療法を受けることができるようになりましたが、脳脊髄液漏出症(減少症)の患者の中には、保険適用J007‐2の要件に掲げられている「起立性頭痛を有する患者に係る者」という条件を伴わない患者がいるため、医療の現場では混乱が生じています。

 また、その後の研究で、脳脊髄液の漏出部位は一か所とは限らず、頚椎や胸椎部でも頻繁に起こる事が報告されたことから、この頚椎や胸椎部にブラッドパッチ療法を安全に行うためには、X線透視下で漏出部位を確認しながらの治療が必要ですが、診療上の評価がされていない現状があります。

 よって、本市議会は、政府に対し、上記の新たな現状を踏まえ、脳脊髄液漏出症(減少症)の患者への、公平で安全なブラッドパッチ療法の適用に向け、以下の事項について適切な措置を講ずるよう強く要請します。

1 脳脊髄液漏出症(減少症)の症状において、約10パーセントは起立性頭痛を認めないと公的な研究でも報告があることを受け、算定の要件の注釈として「本疾患では起立性頭痛を認めない場合がある」と加えること。

2 ブラッドパッチ療法(硬膜外自家血注入療法)の診療報酬において、X線透視を要件として、漏出部位を確認しながら治療を行うことを可能にするよう、診療上の評価を改定すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第32号・下水サーベイランス事業の実施を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症の5類移行後、感染者数の把握が定点把握に変更されたこともあり、正確な感染状況が見えづらくなっている現在、今後起こりうる感染のピークや傾向を把握するためにも、また、新たな感染症に対応するためにも、下水サーベイランス(疫学調査)を全国の地方公共団体の下水処理場で実施すべきです。

 感染症対策の基本は、適切な検査を正確に行うことが肝要ですが、PCR検査等では感染者が自主的に検査を受けなければ陽性者を特定できず、各地域の感染の広がりの傾向をつかむことはできません。しかし、下水サーベイランスを活用すれば、その地域の見えない感染を見える化でき、感染の初期段階から、医療機関の検査報告よりも早く感染の兆候が分かる可能性があり、その後の感染の規模や増減の傾向も把握できます。

 内閣官房が、令和4年度に実施した下水サーベイランスの活用に関する実証事業でも、その事業管理者の結果報告において、「将来の感染状況の予測によって、市民への注意喚起や地方公共団体の体制整備に活用できる可能性がある」と明記されたところです。

 よって、本市議会は、政府に対し、令和5年9月1日に発足した内閣感染症危機管理統括庁を司令塔として、厚生労働省、国土交通省、各地方公共団体が連携して下水サーベイランス事業を全国展開することを強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第33号・こども関連業務従事者の性犯罪歴等確認の仕組み(日本版DBS)の充実を求める意見書

 こどもと接する職場への就労希望者に性犯罪歴がないことの証明を求める仕組みである「日本版DBS(Disclosure and Barring Service)」について、政府は制度創設を盛り込んだ関連法案を提出する見通しです。

 現在、政府は、学校、保育所、児童養護施設、障害児入所施設等で働く人を対象に含める方向で検討を行っています。

 塾やスポーツクラブ、認可外保育施設、放課後児童クラブ(学童保育)、俳優や歌手を養成する芸能事務所などは義務付けの対象外となりますが、自主的に確認を行った事業者を認定する任意制度を設ける方向とのことです。

 性犯罪は相手の尊厳を踏みにじり、心に深い傷を残す極めて悪質な行為です。特にこどもへの性犯罪は再犯率が高く、弱い立場にあるこどもの性被害根絶は社会に課せられた責務と言えます。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、この制度がこどもを性犯罪から守る実効性があるものとなるよう、以下の事項について適切な措置を講ずるよう強く要請します。

1 障害児が通所する施設、デイサービスなども対象に入れることをはじめ、対象業種の拡大に対して憲法の定める「職業選択の自由」との整合性など課題を速やかに整理し十分に検討すること。

2 任意の施設、また対象外の施設においても、こどもへの性被害が起こっていることから、企業や社会全体でこどもに対する性犯罪を許さないという、社会・企業意識の醸成に努める内容を盛り込むこと。

3 現場の実態を把握するために被害者の声に耳を傾け、心身のケアを図るための相談窓口を充実させること。また、こどもに対する性犯罪の前歴のある者に対しても、再発防止のため、治療・更生プログラムの整備、社会復帰支援の充実、相談窓口の設置に努めること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第34号・脱炭素と自然再興に貢献するサーキュラーエコノミー(循環経済)の推進を求める意見書

 現在、気候変動防止に向けた社会の脱炭素化(カーボンニュートラル)や、生物多様性の保全と活用への自然再興(ネイチャーポジティブ)は、人類社会を持続可能なものにする上で、最も重要な課題の一つとなっています。

 今こそ、資源効率性の最大化と環境負荷の低減の両立を目指して、大量生産から大量廃棄を生むリニアエコノミー(線型経済)から、廃棄される製品や原材料などを資源と捉え、循環させる新しい経済システムであるサーキュラーエコノミー(循環経済)への転換が必要です。

 そのためには、日常生活を支えている物品の、材料の生成や加工、製品の製造から廃棄における、自然の破壊やエネルギー消費を抑制するサーキュラーエコノミー(循環経済)へと、ライフスタイル全体を変革する大きな流れを作り出していかなければなりません。

 具体的には、家電製品や製紙、衣類など、国民生活に密着した製品の資源循環を推進するために、製品を生み出す動脈産業と、廃棄物の回収や再利用などを担う静脈産業の連携など、産業構造の構築が重要です。

 よって、本市議会は、政府に対し、循環経済関連ビジネスを新たな成長産業として位置づけ、脱炭素と自然再興に貢献するサーキュラーエコノミー(循環経済)の実現を目指し、次の措置を講ずるよう強く要請します。

1 貴金属等の有価性の高い資源が集約されている家電、情報通信機器、再生可能エネルギー等の大量導入により将来は大量廃棄が予想される太陽光パネルや蓄電池の部材等に対して、資源循環を促進するための制度の創設や適切な運用、精錬技術の開発や施設の整備を促進すること。

2 製品の設計・製造の段階から廃棄・再生までの、ライフサイクル全般での環境負荷低減等の実現を目指して、動脈産業及び静脈産業の連携による資源循環ビジネスモデルの普及を促進すること。

3 建築物においても、スクラップアンドビルドというフロー型から、ストック型への移行が重要であり、設計・計画から施工、維持管理までの全体を通して長寿命化やリノベーションによる建築の価値の最大化を図るために、新たな基準の設定や優遇税制の創設を図ること。

4 リファービッシュ品(再生品)等の二次流通品の製品安全性担保等に関する環境を整備し、製品の適切な長期利用を促進するリコマースビジネス(中古品取引)を育成するとともに、製品の長期利用に資するシェアリング(共有)、サブスクリプション(期間利用)等のサービスの普及拡大を図ること。

5 地域におけるバイオマスエネルギーの利活用により、森林を保全しつつ、木材・木質資源の持続可能な活用を目指すフォレスト・サーキュラーエコノミー(森林・木材循環経済)の実現や、高齢化に伴い大人用紙おむつの利用が今後増加することを踏まえ、紙おむつのリサイクルの普及に向けた自治体や事業者の取組を支援すること。

6 建設リサイクル法等を通じて建設廃棄物は約97パーセントが再資源化されているものの、再資源化はダウンサイクルが中心であることから、水平リサイクル、アップサイクルへの転換を進め、量と質の両立を図ること。

7 企業が自社の事業活動が自然環境や生物多様性に及ぼす影響や依存度に関して情報を開示する自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)と、企業が自社の事業活動が気候変動に及ぼす影響等の情報を開示する気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)に対して、算定基盤の創設等を率先して進めること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第35号・「地球沸騰化」の深刻な警告を受け止め対策強化を求める意見書

 世界気象機関(WMO)などが、本年7月は観測史上最も暑い月になるとの見通しを発表したことを受けて、国際連合(以下「国連」という。)のアントニオ・グテーレス事務総長は7月27日の記者会見で、「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と、警鐘を鳴らしました。

 同事務総長は異常気象が「新たな日常」になりつつあるとも強調し、各国に具体的な行動を呼びかけました。気候危機打開に向けた取組の抜本的強化は待ったなしです。

 近年、欧州、北米、アジアをはじめ世界各地は熱波に襲われ、山火事などの被害が多発しています。ハワイ州マウイ島の大規模な山火事では、100人を超える人が亡くなりました。カナダでは今年に入り、5,800件余りの山火事が発生し、日本の国土面積の約4割に当たる14万平方キロメートル以上が焼失しました。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、世界の平均気温は産業革命前からすでに1.1度上昇しているとの報告書を公表し、上昇を1.5度以内に抑えるには、温室効果ガスの排出量を2035年までに2019年比で60パーセント削減することの重要性を説いています。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、「地球沸騰化」の警告を深く受け止め、再エネ、省エネの取組を急ピッチで進めるよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第43号・今こそ国産海産物を食べよう決議

 今般、東日本大震災における東京電力福島第一原子力発電所の事故で生じた汚染水を安全に処理したALPS処理水を海洋放出することになった。

 この処理水の海洋放出は、政府が国際原子力機関(IAEA)と協力して取り組んできたことである。

 7月4日には、IAEAは、東京電力が計画している処理水の海洋放出が人と環境に与える放射線の影響は無視できると結論付けた包括報告書を公表した。

 これらを受けて岸田首相も8月22日に関係閣僚等会議において処理水の海洋放出を東京電力に求める旨を発言した。この海洋放出は、言うまでもなく科学的に安全が証明されており、福島県近海の海産物に関しても、これを流通・消費をするに当たり何ら問題がないものである。

 ところが、日本の海産物を禁輸措置する国も存在する。

 岸田首相は、今般の東南アジア諸国連合(ASEAN)及びG20サミットに出席して、処理水の海洋放出に関して丁寧に説明して、各国の理解を得ることに努めたところである。

 国際的にも今回の海洋放出に賛同の声が多数寄せられる中で、禁輸措置は異例の対応であり、撤回を求めているところである。

 今後、国産の海産物が一部の国に輸出できない状況で、福島県の地元漁業関係者をはじめとして、流通業、貿易業等、我が国に経済的な損失が生じる可能性がある。

 よって、本市議会は、今こそ安全・安心、そして美味な国産海産物を積極的に消費することを広く市民に呼びかけ、福島県産をはじめとした国産の海産物に対する風評被害の防止と消費の拡大に尽力していくことをここに宣言する。

 以上、決議する。

このページの作成者

市議会事務局政策調査課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2632 FAX:093-582-2685

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