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意見書・決議(議員提出議案第41~44号、48号)

更新日 : 2021年12月13日
ページ番号:000161453

議員提出議案第41号・沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を採取しないことなどを求める意見書

 沖縄戦において、県民を巻き込んだ地上戦が行われました。約3か月から5か月間の戦闘により、一般住民約10万人を含め約20数万人の尊い生命が失われたといわれています。

 糸満市摩文仁を中心とした沖縄本島南部地域は、昭和47年の本土復帰に伴い、日米両国の激戦地として知られている本島南部の戦跡を保護することにより、戦争の悲惨さや命の尊さを認識し、戦没者の霊を慰めるために、自然公園法に基づき、戦跡としては我が国唯一の「沖縄戦跡国定公園」として指定されました。同地域では、沖縄戦で犠牲を強いられた民間人や命を落とした兵士の遺骨が残されており、戦後76年が経過した現在も戦没者の遺骨収集が行われています。

 政府は、平成28年3月に超党派の議員立法で「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」を制定しました。政府には国の責務として遺骨を早期に収集し、弔うことが求められています。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 沖縄戦戦没者の遺骨等を含む土砂を採取しないこと。

2 「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」を遵守し、政府が主体となって戦没者の遺骨収集を実施すること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第42号・軽石の大量漂着被害への支援と情報収集・監視の強化を求める意見書

 小笠原諸島の海底火山「福徳岡ノ場」において、本年8月13日から8月15日にかけて発生した噴火によって生まれた大量の軽石が約1,400キロメートル離れた沖縄県や鹿児島県の奄美地方に漂着し、漁業や観光、暮らしに深刻な被害を広げています。

 国立研究開発法人産業技術総合研究所は、今回の噴火について「国内における戦後最大級の規模」と分析しています。今後、軽石は黒潮に乗って九州、四国から関東地方の沖合に到達するといわれ、既に高知県の沖合や伊豆諸島でも発見されています。

 国は地方自治体と連携し、漁業や観光業被害への支援や救援、環境への調査、軽石の情報収集・監視等を急ピッチで進めることが求められます。

 沖縄県では本年11月4日時点で、全41市町村のうち、27市町村の115海岸で軽石の漂着が確認されています。船のエンジンを掛けると、軽石を吸い込んで故障するため、漁に出られない事態が各地で生まれ、魚やモズク、アオサの養殖にも被害が広がっています。

 また、観光地のビーチやリゾートホテルの前にも軽石が漂着し、レジャー産業にも深刻な影響が出ています。定期船が欠航したり、巡回診療が中止に追い込まれたりするなど、住民の暮らしにも深刻な影響が出ています。鹿児島県の与論町では、発電所用の重油を積んだタンカーが一時、接岸できない事態も発生しました。

 漁業、養殖業、観光業への支援は急がなければなりません。航路の安全確保、医療や暮らし、教育活動に支障がないように手立てを急ぐ必要があります。軽石の回収作業と仮置き場の確保も待ったなしです。

 沖縄県の玉城デニー知事は、政府に対し、軽石の回収・処理に関し災害復旧事業による財政支援を行うこと、またサンゴ礁など自然環境への影響調査や保全への支援、水産業、観光業をはじめ、影響を受けた産業への対策を要請しています。この要請にしっかり応え、国の責任として災害の拡大を防ぐことが求められています。

 日本は世界の活火山の約7パーセントである111の火山を抱える火山国です。九州には17の活火山があり、本年10月20日には阿蘇山が噴火したばかりです。軽石被害は他人事ではありません。

 よって、本市議会は、政府に対し、軽石被害への支援強化、監視体制の強化とともに、火山国にふさわしい観測体制の充実と備えを行うよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第43号・離島振興法の改正及び延長を求める意見書

 離島においては、昭和28年に離島振興法が制定されて以来、離島振興政策が推進され、生活条件の改善、産業基盤の整備等を中心とする社会資本の形成が大きく進展しました。 

 離島は、我が国の領域、排他的経済水域等の保全、海洋資源の利用、多様な文化の継承、自然環境の保全と併せて、自然との触れ合いの場及び機会の提供、食料の安定的な供給等、我が国及び国民の利益の保護及び増進に重要な役割を担っています。

 しかしながら、離島においては、厳しい自然的・社会的条件の下、人の往来、生活に必要な物資等の輸送に要する費用が他の地域に比較して多額であることのほか、医療提供体制や産業基盤、生活環境等が脆弱といった本土との地域格差は、引き続き対応すべき課題です。また、人口減少や高齢化が進展するとともに、基幹産業である一次産業の停滞等、離島をめぐる状況は依然として厳しく、一層強力に離島振興政策を推進していく必要があります。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、国においては現行の離島振興法が令和4年度末をもって失効することから、抜本改正の上、恒久法化も視野に入れて延長されるよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第44号・核兵器禁止条約第1回締約国会議への日本政府のオブザーバー参加を求める意見書

 史上初めて核兵器を違法化した核兵器禁止条約が成立し、署名国・批准国が増え続ける中、本年1月、同条約は発効しました。核兵器のない世界の実現へ向け、世界中の人々の期待が高まりつつあります。

 同条約の第8条では、核軍縮や、期限を定めた核兵器の廃止等の措置を協議する締約国会議の開催について定められ、同条第2項で規定された第1回締約国会議が来年3月にオーストリアのウィーンで開かれます。締約国会議には同条約の締約国でない国に対しても、オブザーバーとして出席するよう招請することが同条第5項に定められており、国際連合で軍縮担当上級代表を務める中満泉事務次長は、日本政府にオブザーバー参加を呼び掛けています。 

 第1回締約国会議で議長を務めるオーストリア外務省の軍縮局長は、「第1回締約国会議で、核兵器の人道的結末とリスクへの認識を再び高めるような強力な政治的メッセージを発信したい」と表明しており、同条約をいまだ締約していない国も出席した上で、同会議が核兵器の人道的結末とリスクへの認識を高めるという点で成功することは、核軍縮・核廃絶の進展にとって大きな意義があります。

 日本は同条約の未締約国であり、同会議へ参加する場合にはオブザーバーとして参加することになりますが、同条約では核兵器の使用等により被害を受けた者への援助及び汚染された地域の環境の修復について定められており、この点において、唯一の戦争被爆国である日本の政府が同会議に参加して積極的な役割を果たし、核兵器の人道的結末とリスクへの認識を再び高めるよう貢献することが期待されています。

 よって、本市議会は、政府に対し、核兵器禁止条約の第1回締約国会議にオブザーバーとして参加されるよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第48号・北朝鮮による日本人拉致問題に対する市民の認識を深めるための取組の推進に関する決議

 1970年代から1980年代にかけ、多くの日本人が不自然な形で行方不明となり、我が国による捜査や亡命北朝鮮工作員の証言により、これらの事件の多くは北朝鮮による拉致の疑いが濃厚であることが明らかとなっている。政府が、北朝鮮に対し拉致問題を提起し続けた結果、2002年9月の第1回日朝首脳会談において北朝鮮は初めて拉致を認め謝罪、再発防止を約束し、同年10月には5人の拉致被害者の帰国が実現した。しかし、残りの安否不明の方々については、2004年5月の第2回日朝首脳会談において北朝鮮が、直ちに真相究明のための徹底した調査を再開する旨明言したにもかかわらず、未だに納得のいく説明がなされていない。政府はこれまでに、帰国した5名を含む17名を北朝鮮による拉致被害者として認定しているが、この他にも、日本国内における日本人以外の拉致容疑事案や、北朝鮮による拉致の可能性を排除できない事案に係る方々が約900名おられる。

 本市においても1970年8月、西日本鉄道株式会社北九州線の大蔵電停付近において本市の市民である加藤久美子さんが失踪し、北朝鮮元工作員が「北朝鮮で加藤さんを数十回見た」と証言しているほか、拉致の可能性を排除できない方が複数名おられるなど、全ての拉致被害者の早期帰国の実現と拉致問題の全面解決は極めて重要な問題である。

 我が国では1997年、拉致被害者の御家族により「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」が結成されるなど、被害者の救出を求める運動が活発に展開され、2020年10月現在で1,400万筆を超える署名が総理大臣に提出されている。岸田総理大臣は本年11月13日に開催された「全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会」において、「拉致問題は内閣の最重要課題であり、必ず解決しなければならないと強く考えている。政府を挙げて全力で取り組んでいく」と述べるなど、北朝鮮による拉致問題は、我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる重大な問題であり、国の責任において解決すべき喫緊の重要課題である。政府は、北朝鮮側から納得のいく説明や証拠の提示がない以上、安否不明の拉致被害者は全て生存しているとの前提に立ち、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国のため尽力しているところであるが、更に努力することを求めるものである。

 このように、我が国の最重要課題である北朝鮮による日本人拉致問題の解決のためには世論の一層の喚起が不可欠であることから、2006年6月、拉致問題をはじめとする北朝鮮当局による人権侵害問題に関する国民の認識を深めるとともに、国際社会と連携しつつ拉致問題等の実態を解明し、その抑止を図ることを目的として「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」が公布・施行され、拉致問題等の解決に向けた国の責務のほか、拉致問題等の啓発を図る国及び地方公共団体の責務、北朝鮮人権侵害問題啓発週間の創設及び同週間での国・地方公共団体の啓発事業の実施等が定められた。政府は、より多くの方が拉致問題の重大さを一層認識し、関心を持ち、拉致問題を人権問題として考える契機としていただくため、アニメ及び映画「めぐみ」や「拉致被害者御家族ビデオメッセージ~必ず取り戻す!愛する家族へ~」の上映・活用、拉致問題啓発舞台劇公演「めぐみへの誓い―奪還―」の開催、北朝鮮向けラジオ「ふるさとの風」及び「日本の風」の放送、拉致啓発ポスターやパンフレットの製作・配布、ホームページやSNS動画チャンネルの開設・運営、北朝鮮人権侵害問題啓発週間作文コンクールや講演会・シンポジウムの実施等、あらゆる手段による広報・理解促進活動に取り組んでいる。本市においても国や関係団体等と連携し、北朝鮮人権侵害問題啓発週間におけるパネル展等や、人権啓発ラジオ番組「明日への伝言板」の放送等、様々な取組を展開している。

 残された被害者たちは、今なお全ての自由を奪われ、長きにわたり北朝鮮に囚われたままの状態で、現在も救出を待っている。高齢化する拉致被害者と、御家族の心痛を思うと、もはや一刻の猶予も許されないことから、オールジャパンで心を一つに、この問題の解決に向け更に強力に取り組むことが今、求められている。

 よって、本市議会は、本市及び国・県、関係団体等と強力に連携・協力して、我が国の最重要課題である北朝鮮による日本人拉致問題に対する市民の認識を深めるため更に全力を挙げ取り組むとともに、本市に対し、アニメ及び映画「めぐみ」の上映等、あらゆる手段を更に積極的に講じ、市民への広報及び、市民の理解促進に取り組むことを強く要請する。

 以上、決議する。

このページの作成者

市議会事務局政策調査課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2632 FAX:093-582-2685

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