今、天災ともいうべきコロナ禍により、日本経済の基盤である企業が大小を問わず、売上高30パーセント減から50パーセント減、あるいは休業の危機、資金繰りの危機に追い込まれ、廃業や倒産に追い込まれようとしています。この状況が数か月続けば、企業においては、運転資金の枯渇につながります。
そうした中、緊急経済対策として日本政策金融公庫等の金融機関により緊急運転資金の貸付けが実行されていますが、いつ回復するか分からない経済状況下で、長くとも数年先には返済が始まる融資のみでは、経営計画(借入返済計画)は砂上の楼閣となることが危惧されています。そして、負債は膨れ上がりバランスシートは確実に劣化します。
そこで、永久劣後ローン融資制度を導入することで、大小問わない企業の利用が可能となり、とりわけ喫緊にその制度を必要とする中小企業が経営計画(経営指針書)の中に、自信をもって返済計画を織り込める融資制度となります。具体的には、地域金融機関が返済期限を定めない永久劣後ローンを実行し、その債権を政府と日本銀行の出資により設立された買取機構が買い上げるという仕組みを構築し、擬似資本を中小企業に注入するというものです。この制度により、中小企業は金利を支払い、長い年月をかけて損失を修復し、資金に余裕ができたときに元本を一括返済します。
この買取機構は永久劣後ローンの金利を例えば2パーセントにすると50年で、4パーセントにすれば25年で元本を回収でき、さらに中小企業からは元本を一括返済されるため、国の財政への負担は小さく、経済再生に大きな効果を生み出します。その結果、地域金融機関に損害は発生せず、中小企業は債務超過にならないため、円滑に融資が行われるようになります。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、地域経済の基盤である中小企業の存続を守り、中小企業との共存共栄を図る地域金融機関を支援し育てることを目的として、地域金融機関の育成や支援につながる全企業を対象とした永久劣後ローン融資制度の仕組みを創設するよう強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。