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意見書・決議(議員提出議案第30~33号)

更新日 : 2020年12月9日
ページ番号:000157022

議員提出議案第30号・犯罪被害者等支援の充実を求める意見書

 2004年に犯罪被害者等基本法が成立し、犯罪被害者等は「個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利」の主体であることが宣言され、犯罪被害者等支援施策は一定の前進を果たしました。しかしながら、犯罪被害者等の多種多様なニーズに応えられるだけの整備は、いまだ十分になされているとは言い難い状況です。

 例えば、被害直後から公費によって弁護士の支援を受ける制度や、国による損害の補償制度といった、財政支援を必要とする施策はいまだに実現されていません。

 また、犯罪被害者等支援条例の制定や、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの設立といった施策も、地域によって大きな格差を残しています。

 犯罪被害者等の権利に対応して、国は、たゆまず支援施策の充実を進めていく責務を負っています。

 よって、本市議会は、政府に対し、犯罪被害者等支援の充実を図るため次の措置を講じるよう強く要請します。

1 犯罪被害者等が民事訴訟等を通じて迅速かつ確実に損害の賠償を受けられるよう、損害回復の実効性を確保するための必要な措置を講じること。

2 (犯罪被害者等補償法を制定して)犯罪被害者等に対する経済的支援を充実させるとともに、手続的な負担を軽減する施策を講じること。

3 犯罪被害者等の誰もが、事件発生直後から弁護士による法的支援を受けられるよう、公費による被害者支援弁護士制度を創設すること。

4 性犯罪・性暴力被害者のための病院拠点型ワンストップ支援センターを、都道府県に最低1か所は設立し、人的・財政的支援を行うこと。

5 地域の状況に応じた犯罪被害者等支援施策を実施するため、全ての地方公共団体において、犯罪被害者等支援条例が制定できるよう支援すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第31号・新型コロナウイルスに関する検査体制の充実及び臨時的支援措置の継続等を求める意見書

 新型コロナウイルスの感染拡大以降、政府が健康被害の最小化と社会経済活動の維持、双方の高い水準での達成を目指して様々な措置を積極的に講じてきたことにより、現時点ではロックダウンや外出禁止令等、社会経済活動に甚大な悪影響を及ぼす手段を採用することなくこれらを達成してきました。

 しかし今後、新型コロナウイルスの流行後、初めての冬を迎えるに当たりインフルエンザとの同時流行が懸念されており、ウイルスとの戦いの最前線で活躍されている医療関係者をはじめ、福祉関係者等エッセンシャルワーカーの皆様は、健康上のリスクが更に高まる状況下で業務に当たられることになります。

 政府はこれまで、PCR検査等については順次、感染症に関する法律の解釈変更や拡大、健康保険の適用拡大等の対応により検査数の一定の拡大を図ってきましたが、現行法制においては、医療機関や福祉施設等におけるスクリーニング検査や、エッセンシャルワーカーに対する広範な検査を臨機応変に実施することには限界があります。検査体制については行政検査に加え、大学や民間医療機関、検査機関等による検査を積極的に活用できるよう、柔軟な検査体制を構築することが求められています。

 また、世界中で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、いまだに収束の見通しが立たない状況の中、この感染症に対する治療法やワクチンの開発も現時点では確固たる見通しが立っていないことから、健康被害と併せ、社会経済活動の制約が長期化する可能性を覚悟しなければならない状況にあります。

 政府はこれまでも、持続化給付金や家賃支援給付金の支給、税金・保険料の猶予等、非常事態に対応した臨時的な措置を積極的に行い、経済活動が徐々に再開するなど一定の成果を得ていますが、コロナ禍により甚大な影響を受けた観光業や飲食業、航空会社等の運輸業をはじめとした様々な業種においては、コロナ禍前の状態に回復するまでに相当程度の時間がかかると考えられることから、引き続き、雇用や事業を継続していくうえでの強力な支援が求められています。

 非常事態に対応した臨時的措置については、国民生活や地域経済の回復状況等に応じて順次終了していくものと思われますが、多くの国民がコロナ禍から立ち直る最中にある現時点では、本年末に終了予定の雇用調整助成金の特例措置等、多くの国民が継続を求める、効果のある事業については引き続き実施するとともに、必要に応じて充実・強化していくことが必要です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、新型コロナウイルスの感染拡大防止と社会経済活動の両立を図っていくために、PCR検査体制等の充実、雇用調整助成金の特例措置等の継続や、雇用・経済支援対策の充実・強化を図るよう強く要請します。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第32号・住まいと暮らしの安心を確保する居住支援の強化を求める意見書

 我が国においては空き家等が増える一方、高齢者、障害者、低所得者、ひとり親家庭、外国人、刑務所出所者等住居確保要配慮者は増え、頻発する災害による被災者への対応も急務となっています。

 また、新型コロナウイルスの影響が長期化する中、家賃の支払に悩む人が急増し、生活困窮者自立支援制度の住居確保給付金の支給決定件数は、本年4月から9月までの半年間で10万件を超え、昨年度1年間のおよそ26倍に上っています。

 住まいは生活の重要な基盤であり、また、全世代型社会保障の基盤でもあるため、住まいと暮らしの安心を確保する居住支援の強化は喫緊の課題となっています。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 住居確保給付金の利用者の状況等実態調査を踏まえ、住居確保給付金の支給期間(最長9か月)の延長、収入要件の公営住宅入居時の収入水準への引上げ、支給上限額の近傍同種の住宅の家賃水準への引上げなど、より使いやすい制度へ見直すこと。

2 住居確保給付金の受給者や低所得のひとり親家庭等、住まいの確保に困難を抱えている人が住んでいる住宅を、そのままセーフティネット住宅として登録し、転居することなく、公営住宅並みの家賃で住み続けることができるよう、公募原則の適用を外すとともに、住宅セーフティネット制度の家賃低廉化制度を大幅に拡充すること。

3 空き家等の改修・登録に取り組む不動産事業者と貸主へのインセンティブ強化や新型コロナウイルス感染症拡大防止等を推進するため、住宅セーフティネット制度の改修費補助及び登録促進に係る取組への支援を拡充すること。

4 住宅セーフティネット制度の家賃債務保証料の低廉化制度を拡充し、残置物処分費用や原状回復費用に係る貸主の負担軽減を図ること。

5 居住支援法人活動支援事業において、入居件数や住宅の類型別の単価に加え、特に支援に困難を伴う障害者や刑務所出所者等への支援を手厚く評価し、加算する制度を設けること。

6 令和2年度第2次補正予算において創設した、生活困窮者及び生活保護受給者に対して、相談受付、住まい確保のための支援、住まい確保後の定着支援等、相談者の状況に応じた一貫した支援を可能とする事業を来年度以降も継続的かつ全国で実施できるよう、恒久化し、取組自治体の増加を図ること。

7 刑務所を出所した後の帰住先の調整がつきづらい高齢者や障害者等に対し、保護観察所や更生保護施設等が、受刑中から支援を実施し、居住支援法人等と連携しながら適切な帰住先を確保するとともに、出所後も切れ目のない、息の長い見守り支援を訪問型で行う事業を創設すること。また、自立準備ホームの登録増加を推進すること。

8 住生活基本法や住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律等に基づく住宅施策全般において、国土交通省と厚生労働省、都道府県・市区町村の役割・責務を明確化するとともに、法律を共管とするなど抜本的な連携強化を図ること。また、支援ニーズの把握・見える化・共有を推進し、市区町村における居住支援協議会設置や住生活基本計画の策定促進等、地方自治体における住宅行政と福祉行政のより一層の連携強化を図ること。

9 令和3年度から施行予定の改正社会福祉法に基づきスタートする重層的支援体制整備事業において、必要な予算を確保して居住支援等の参加支援の充実を図るなど、市町村の包括的支援体制の構築を進め、必要な支援の提供を進めること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第33号・不妊治療への保険適用の拡大を求める意見書

 日本産科婦人科学会のまとめによると、2018年に不妊治療の一つである体外受精で生まれた子どもは5万6,979人となり、前年に続いて過去最高を更新したことが分かりました。これは実に16人に1人が体外受精で生まれたことになります。また、晩婚化等で妊娠を考える年齢が上がり、不妊に悩む人々が増えていることから、治療件数も45万4,893件と過去最高となりました。

 国においては2004年度に、年1回10万円を限度に助成を行う「特定不妊治療費助成事業」が創設され、その後も助成額や所得制限等を段階的に拡充してきています。また、不妊治療への保険適用もなされてきましたが、その範囲は不妊の原因調査等、一部に限られています。保険適用外の体外受精や顕微授精は、1回当たり数十万円の費用がかかり何度も繰り返すことが多いため、不妊治療を行う人々にとっては過重な経済負担になっている場合が多いと聞きます。

 厚生労働省は、不妊治療の実施件数や費用等の実態調査を10月から始めていますが、保険適用の拡大及び所得制限の撤廃も含めた助成制度の拡充は、早急に解決しなければならない喫緊の課題です。

 よって、本市議会は、政府に対し、不妊治療を行う人々が、今後も安心して治療に取り組むことができるようにするため、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 不妊治療は一人一人に最適な形で実施することが重要であるため、不妊治療の保険適用の拡大に当たっては、治療を受ける人の選択肢を狭めることがないよう十分配慮すること。具体的には、現在、助成対象となっていない「人工授精」をはじめ、特定不妊治療である「体外受精」や「顕微授精」、更には「男性に対する治療」についてもその対象として検討すること。

2 不妊治療の保険適用の拡大が実施されるまでの間については、その整合性も考慮しながら、所得制限の撤廃や回数制限の緩和等、既存の助成制度の拡充を行うことにより、幅広い世帯を対象とした経済的負担の軽減を図ること。

3 不妊治療と仕事の両立ができる環境を更に整備するとともに、相談やカウンセリングなど不妊治療に関する相談体制の拡充を図ること。

4 不育症の検査や治療への保険適用、事実婚の方への不妊治療への保険適用、助成についても検討すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

このページの作成者

市議会事務局政策調査課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2632 FAX:093-582-2685

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