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意見書・決議(議員提出議案第10号~11号)

更新日 : 2020年5月1日
ページ番号:000154347

議員提出議案第10号・新型コロナウイルス感染症対策の更なる強化と迅速な対応等を求める意見書

 新型コロナウイルスの猛威は、世界200か国・地域以上にまで拡大し、死者20万人(4月29日時点)を超える世界的流行に発展しました。いま全世界がウイルスとの闘いに英知を結集し、一人でも多くの命を救うため感染拡大防止に奮闘している一方で、世界規模の景気後退は深刻な状況であるなど、感染を終息させ、平穏な日常生活を取り戻すためには険しく困難な道のりを乗り越えていかなければなりません。
 日本国内においても、インバウンドの急減や、大規模なイベントの中止に加え、全国の小中高、特別支援学校に対する臨時休校といった政府の要請もあり、不要不急の外出控えから消費の機会が極端に消失し、観光関連事業や飲食業をはじめ様々な業種で甚大な影響が生じています。こうした新型コロナウイルスの影響で、事業や生活が激変してしまった方々に対し、迅速かつ的確な支援策を講じ、雇用や日々の生活を守っていくことが政治の責任です。
 また、全国を対象とした緊急事態宣言によりますます局面が変わり、多くの地域で外出の自粛や経済活動の抑制等が行われ、すでに、休業要請の対象如何によらず、あらゆる業種で著しい売上の減少に見舞われています。製造業でもサプライチェーンの寸断により工程ラインが休止するなど、仕事をすることができない事態に発展しているだけではなく、市民の家計には深刻な影響が生じており、先行きの見通せない状況が倒産や失業といった最悪の不安を想起させています。こうした方々の不安を払拭し、今こそ国民に励ましと連帯のメッセージを与える支援策が求められます。
 そのような中、政府は令和2年度補正予算案を見直し、家計を支えるための生活支援策として、所得制限なく国民全員に現金10万円を一律給付する「特別定額給付金(仮称)」を実施することなどが決定されました。
 少しでも犠牲を少なく、感染症との闘いに勝利するための対策はもちろんのこと、長期戦も覚悟しなければいけない状況下では、新型コロナウイルス感染症を終息させることこそが最大の経済対策であるため、政府におかれては、苦境に陥っている事業者や個人を救い、暮らしに行き詰まる方を一人も出さないためにも、新たな経済対策を速やかに実行していただくよう求めるとともに、終息後には再び力強い経済成長が期待できるよう大胆な経済対策の実行が切望されています。
 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の措置を速やかに講じるよう強く要請します。
 1 一人10万円給付については、手続きを簡略化し、スピード感をもって一日も早く迅速に、全国民に対し現金支給が実施できるようにするとともに、支給に関連した詐欺被害等が生じないよう万全の対策を講じること。
  また、経済の停滞が長期化することや、感染終息後、経済が回復するまでに時間がかかることを考慮し、家計を支えるためのさらなる生活支援策についても早期に検討すること。
 2 新型コロナウイルスの最大の恐怖は、特効薬やワクチンがないことであるため、治験から、同ウイルスへの効果がみられる既存薬を一日も早く、同ウイルス感染症の治療薬として承認するとともに、治療に必要な検査が簡易かつ迅速に行われることなど必要な措置を講ずること。
 3 生活不安を抱えている方々を早期に相談・支援に結び付けるため、自立支援制度の相談窓口を、政府広報等も活用し周知を図るとともに、生活困窮者へ向けた追加の対策を、早急に検討すること。
 4 全国に拡大された緊急事態宣言の趣旨を徹底する観点から、国の責任の下、感染拡大により重大な影響を受けている事業者へ幅広く支援を行うとともに、観光、宿泊、飲食等の事業者に対して救済的な措置を講じること。
  また、休業した事業者の家賃負担を軽減するため、テナント料の支払いを猶予する法制的措置を至急検討すること。
 5 事業者への持続化給付金については、要件の緩和と対象事業者の拡大を図るとともに、手続きを簡素化し、迅速に給付すること。
 6 「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(仮称)」について、営業を休止した事業者への協力金交付などの支援策を拡充できるよう、その総額を増額すること。
 7 雇用調整助成金については、上限額の引上げや早期給付のための手続きの簡素化を行うとともに、雇用保険について、休業や離職を余儀なくされた方が失業給付を受給できる特例措置について、今回も対象とするよう柔軟な運用を行うこと。
 8 教育分野において、休校中であっても個々の子どもに合った学習支援が行われるよう、ICTを用いた遠隔教育を早急に実施するため、情報機器や通信環境等の整備を迅速に行うこと。
 9 何よりも人と人との接触を減らす行動変容の徹底が重要であることから、ある程度人が集まることが避けられない場所での行動のあり方等国民共通の行動指針や、濃厚接触が避けられない仕事における防御指針、発熱症状で不安な方は必ず電話相談を先にすることなどを、「知らざるものなし」の構えで、テレビ、ラジオなども思い切って活用し、大規模に繰り返し啓発すること。
 10 PCR検査は、命を救うとともに、感染の広がりをできるだけ正しく把握し、感染拡大防止対策をより一層科学的、具体的で実効あるものとするための決定的な鍵であることから、医療崩壊を起こさないためにも、「PCR検査センター」の設置や、「帰国者・接触者外来」を通さなくても検査できる体制をつくるなど、検査実施数を大きく増やすため、検査体制をさらに強化すること。
 11 医療提供体制は感染拡大とともにひっ迫してきていることから、体制づくりや医療関係者の人員の確保、感染防護具、院内感染対策関連設備の整備、財政的保障などを一刻も早く、さらに充実させること。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第11号・新型コロナウイルス感染症から市民の命と健康、市民生活、企業活動を守り抜くための万全の対策を求める決議

 新型コロナウイルス感染症は、昨年12月に中国湖北省武漢市において確認されて以降、世界保健機関(WHO)が本年1月30日に「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言するとともに、3月11日には同機関のテドロス事務局長が「パンデミック(世界的な大流行)とみなせる」と表明するなど、国際的に広がりを見せている。
 国内においても4月7日、国は福岡県に対し、新型インフルエンザ等対策特別措置法第32条第1項の規定に基づく「緊急事態宣言」を行い、命と健康を守ることを最優先に、感染とその拡大の防止のため、生活維持に必要な場合を除いた外出自粛や、社会生活を維持する上で必要な施設等を除いた施設等に対する休業についての要請が行われ、本市も協力してきたところである。
 このような状況の中、本市議会においては、これまで本会議や委員会での議論等を通じて、本市に対し、市民の命と健康、市民生活や企業活動を守り抜くため、新型コロナウイルス感染症対策を徹底するよう求めてきた。
 本市における積極的な取り組みの結果、現在、市内において急速な感染拡大には至っておらず、また、本市独自の緊急経済支援策等についても積極的に実施するなど一定の成果を得ているものと考えるが、感染の拡大については今後も予断を許さない状況であることに変わりはなく、加えて、長引く外出自粛や休業要請により、市民生活や地域経済等には深刻な影響が及ぼされており、感染症の終息が見通せない状況の中、市民や企業は大変疲弊している。
 市民の健康被害を最小限に抑える対策とともに、市民生活や企業活動、子どもと教育等を守り抜くための対策をさらに徹底することは、本市における喫緊の、最重要課題である。
 よって、本市議会は、本市に対し、次の措置を講じるよう強く要請する。
 また、本市議会としても、本市と連携・協力して、市民の皆様、事業者の皆様にもご協力をいただきながら感染拡大の防止に努め、一日でも早く終息して平穏な日常生活が戻るよう、新型コロナウイルス感染症対策に全力を挙げて取り組むものである。
 1 更なる感染拡大防止のため、市民の命と健康を守っていただいている医療関係者をはじめ、介護、保育、教育等、社会生活維持のために懸命に働かれている方々が必要とする、マスクや消毒液等を十分に確保、供給することに加え、従事者の安全と生活を守るとともに、各施設において感染拡大防止対策が徹底されるよう、更なる支援を行うこと。また、人が密集する施設等における感染拡大防止対策や、時差出勤、テレワークなどの対策についても更に徹底すること。
 2 医療体制については、感染について不安のある方等が適切に相談でき、市内の協力病院等でも十分にPCR検査を受けることができるよう検査機器の確保、検査指導等、必要な措置を講じることに加え、感染外来機関の拡大やドライブスルーによる検査等、保健所等の負担を軽減し、医療機関等を感染の危険から防護するとともに、必要とされる方に対する医療機関での外来受診や入院措置が、医療崩壊を招くことなく適切に行われるよう、軽症患者の受け入れ先の確保を含め、医療提供体制の更なる強化を図ること。
 3 企業・雇用対策については、休業要請に協力する事業者はもちろんのこと、休業要請の対象となっていない事業者についても感染防止のための自主的な休業や、市民の外出自粛によって甚大な影響を受け、事業活動の継続が困難になっている企業等が必要とする、運転資金や固定経費等に対する相談体制、支援制度を更に充実させるとともに、収入が減少した労働者等に対する相談体制や給付、減免等の各種支援制度についても本市独自に強化するなど、より一層充実させること。また、感染症終息後に地域経済のV字回復を図るための経済対策についても、併せて検討すること。
 4 教育については、一斉休校中の子どもへの学習支援や心身のケア、保護者の負担を軽減する各種支援を更に充実させるとともに、授業の再開等に当たっては子どもの安全を第一に考え、万全な体制を整えたうえで実施し、またその決定は迅速かつ確実に、市民等に周知させること。
 5 市民生活については、一律10万円の給付金を早期に、確実に全市民に対し支給することをはじめ、生活資金の貸付や、市税、各種保険料の猶予等、生活に困窮している方が必要とする支援についての相談体制、制度等を更に充実するとともに、外出自粛に伴い懸念される虐待やDVなどへの対策についても万全を期すこと。
 6 介護体制については、高齢者や障害者の生活を支える訪問介護サービスなどの提供者及び当事者が感染または濃厚接触者になった場合でも、必要な介護を受けることができるよう万全を期すこと。
 7 上記についての市民に対する情報提供については、市民の安全・安心を確保するため、風評被害等が生じないよう正確かつ迅速に、あらゆる手段により徹底的に行うとともに、必要な方に必要な支援がいち早く行き届くよう、各種相談、支援体制を更に充実させるよう重ねて要請する。
 以上、決議する。

このページの作成者

市議会事務局政策調査課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2632 FAX:093-582-2685

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