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意見書・決議(議員提出議案第1号~5号)

更新日 : 2020年4月3日
ページ番号:000153901

議員提出議案第1号・性犯罪における刑法の更なる改正を求める意見書

 2017年6月、110年ぶりに性犯罪に関する刑法の改正案が国会で可決され、同年7月に施行されました。「強姦罪」を「強制性交等罪」に名称変更し、懲役の下限が3年から5年に引き上げられるとともに、これまで「親告罪」であったものが「非親告罪」となるなど、画期的な改正となりました。ただし、改正に当たり、「強制性交等罪」の成立要件として「暴行又は脅迫」が伴うことが必要とされるなど、改正の内容が不十分ではないかなどの様々な議論がありました。そのため衆議院では6つ、参議院では9つもの附帯決議が付され、法改正後3年を目途に見直すということも加えられました。
 この改正により、改正前より多くの事例が犯罪と認定されるようになったものの、裁判で加害者側が無罪となる例が相次いだことなどから改めて、改正した刑法の内容が社会問題化しています。「激しく抵抗した」「大きな声を上げた」など明確な抵抗が明らかでない限り加害者を罪に問えません。「恐怖で声を上げられなかった」「主従関係の下、抵抗できなかった」など明確な形で抵抗できない場合も当然あります。多くの欧米諸国では同意の無い性交は全てレイプとして刑事罰の対象とするなど、被害者の視点に立った性犯罪の定義規定の改正が行われています。
 最近の「#Me Too」運動の世界的な高まりの中、声を上げづらいながらも勇気を出し、国内でも多くの人達が声を上げ始めました。
 2020年は、改正3年後を目途に再検討を行うとされている年です。今こそ、もっと被害者を守れる、より良い制度を実現するために、政府は法改正の議論を直ちにスタートし、早急な法の見直しを行う必要があります。
 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、法の見直しについては次の措置を講じるよう強く要請します。
 1 被害実態を踏まえた見直しを行うために、被害者団体や捜査関係者、裁判官等の意見を聞き、幅広い議論を行い、「不同意性交罪」の検討を行うに当たっては、冤罪の防止等について慎重に検討すること。
 2 監護者性交等罪を18歳以上の者に対する加害者にも適用すること。
 3 性交同意年齢を引き上げること。
 4 公訴時効期間の延長もしくは検討を行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第2号・中高年のひきこもりに対する実効性ある支援と対策を求める意見書

 従来、ひきこもりは主として若年・青年層の課題としてイメージされてきました。しかし最近では、就職氷河期世代も含めた中高年層にまで及ぶ大きな社会問題としてクローズアップされてきています。
 政府が中高年層を対象に初めて実施した全国規模の調査の結果が、昨年3月に公表されましたが、40~64歳のひきこもりが全国で約61万人に上るという推計は社会に大きな衝撃を与えました。ひきこもり期間の長期化や高齢化により、高齢者の親と共に社会的に孤立するケースも少なくありません。
 政府としては、これまで都道府県・政令市への「ひきこもり地域支援センター」の設置や「ひきこもりサポーター養成研修・派遣事業」を行ってきましたが、今後は、より身近な場所での相談支援の実施や社会参加の場の充実など、就職氷河期世代も含めた中高年のひきこもりに対して、これまで以上に実効性ある支援と対策を講じるべきです。
 よって、本市議会は、政府に対し、中高年のひきこもりが、個々人やその家族だけの問題ではなく、社会全体で受け止めるべき大変重要な課題と捉え、次の措置を講じるよう強く要請します。
 1 中高年のひきこもりにある者に適した支援の充実を図るため、市区町村による「ひきこもりサポート事業」の更なる強化を図ること。具体的には、中高年が参加しやすくなるような居場所づくりやボランティア活動など就労に限らない多様な社会参加の場の確保とともに、家族に対する相談や講習会などの取り組みを促進すること。
 2 「8050問題」など、世帯の複合的なニーズやライフステージの変化に柔軟に対応できるよう、「断らない相談支援」や「伴走型支援」など、市区町村がこれまでの制度の枠を超えて包括的に支援することができる新たな仕組みを構築すること。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第3号・入院時食事療養費の自己負担額の引き下げを求める意見書

 国は公的医療保険の給付抑制の一環として、入院時食事療養費における患者の自己負担額の大幅な引き上げを行ってきました。まず2016年4月に一食当たりの自己負担額が260円から360円に引き上げられ、2018年4月からは更に引き上げられ460円となっています。
 入院時の食事は、三食、栄養のバランスがとれた食事が提供されるのみならず、患者一人一人の病状や栄養状態に応じて提供されるなど、栄養管理を行う治療の一環としての役割を果たしています。
 現在、入院時食事療養費は一食当たり640円となっていますが、このうち患者は、食材費や調理費相当額として460円を自己負担し、残りは公的医療保険で賄われています。自己負担額の決定に当たっては、公的医療保険における負担額及び、その運営状況等を踏まえ検討すべきであると考えますが、現在、医療費の自己負担割合は3割であるにもかかわらず、入院時食事療養費についてはこれが当てはまらず、自己負担割合は2018年4月以降は7割を超えるものとなっています。
 入院すれば、食事代として一日1,380円の自己負担額が発生し、このことが、受診抑制や、入院が必要と認められる患者の入院拒否につながり、安心して医療が受けられない状況となってしまう恐れがあります。
 よって、本市議会は、政府に対し、市民が安心して医療機関で受診でき、治療の継続が行えるよう、入院時食事療養費の自己負担額の引き下げを強く要請します。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第4号・新型コロナウイルス感染症対策の強化を求める意見書

 政府は3月10日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、緊急対応策の第2弾として「感染拡大防止策と医療提供体制の整備」、「学校の臨時休業に伴って生じる課題への対応」、「事業活動の縮小や雇用への対応」、「事態の変化に即応した緊急措置等」を公表しました。
 首相が表明した全国一斉休校は、子ども、保護者、学校や学童保育の現場に負担を強いています。一斉休校に伴う、保護者や、そうした従業員を抱える事業者等への補償は十分に補填すべきです。
 また、政府が要請したイベントの自粛で仕事が失われ、収入が断たれた業者、劇団員、音楽家等への補償は、収入が無くなったことへの十分な補填を国の責任で早急に行うことが求められています。
 さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で、人や物の動きが停滞し、事業活動の停滞・縮小が余儀なくさせられています。雇用調整助成金の特例措置も十分に拡大すべきです。
 感染拡大防止策と医療供給体制についても、市民相談の窓口となっている保健所の体制強化、医師が診断のために検査が必要と判断した全ての人がPCR検査を受けられるよう体制を早急に強化することが必要です。
 よって、本市議会は、政府に対し、次の措置を講じるよう強く要請します。
 1 新型コロナウイルス感染症の拡大をめぐる防止対策を抜本的に強化するために財政規模を大幅に拡大すること。
 2 市民の相談窓口となっている保健所の体制を強化すること。
 3 医師が診断のために検査が必要と判断した人がPCR検査を受けられるよう体制を強化すること。
 4 一斉休校に伴う、保護者や、そうした従業員を抱える事業者等への補償は十分に補填すること。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第5号・選択的夫婦別姓制度の導入を求める意見書

 2018年2月に内閣府が公表した世論調査では、夫婦同姓と夫婦別姓のいずれかを選べる選択的夫婦別姓制度の導入に賛成・容認と答えた国民は66.9パーセントとなり、反対の29.3パーセントを大きく上回ったことが明らかになりました。特に、30~39歳における賛成・容認の割合は84.4パーセントにもなります。
 政府答弁によると、法律で夫婦同姓を義務付けている国は日本だけであるにもかかわらず、1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓制度の導入を含む民法改正を答申してから24年経ちますが、いまだ法改正の見通しは立っていません。
 最高裁判所は2015年12月、夫婦同姓規定を合憲とする一方で、「夫婦同氏制の下においては、婚姻により氏を改める者にとって、アイデンティティの喪失感を抱くなどの不利益を受ける場合があることは否定できず、妻となる女性が不利益を受ける場合が多いことが推認できる」と、婚姻に伴う改姓により一定の不利益が生じる可能性を認め、「制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄」とし、夫婦別姓を導入することは否定しませんでした。
 家族の多様化が進む中、旧姓を通称使用する人や事実婚を選択するカップルも少なくありません。改姓によってこれまで築き上げたキャリアに分断が生じる例や結婚を諦めるなど、不利益を被る人が一定数いることも事実です。選択的夫婦別姓については、最高裁判決の趣旨を踏まえ、適切な法的選択肢を用意することが国会及び政府の責務です。
 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、民法を改正し、選択的夫婦別姓制度を導入するよう強く要請します。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

このページの作成者

市議会事務局政策調査課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2632 FAX:093-582-2685

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