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意見書・決議(議員提出議案第22号~25号)

更新日 : 2022年6月23日
ページ番号:000147223

議員提出議案第22号・学校施設や通学路におけるブロック塀等の安全性確保を求める意見書

 本年6月18日午前7時58分に大阪府北部で震度6弱を観測した地震では、児童を含む5名が亡くなり、400名以上が負傷しました。特に、学校関係では、214人に及ぶ児童生徒が重軽傷を負い、1,200を超える学校で校舎等の天井・ガラス等の破損、壁のひび割れ、断水等の物的被害を受けました。
 なかでも、学校施設のブロック塀が倒壊して下敷きになって児童が死亡したことは大変痛ましく、二度とこのようなことがあってはなりません。文部科学省は6月19日に学校施設における塀の緊急点検を要請しました。北九州市においては、平成28年度より、市内の小学校通学路のブロック塀等について、診断・調査を実施し、個別指導等の対応をしているところですが、同様の惨事が起こらないよう早急な対策を行い、安全性確保に向けて改善を図ることが必要です。
 よって、本市議会は、政府に対し、国が引き続き通学路のブロック塀等の緊急総点検と安全対策を行うことが重要であるため、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 被災した地域においては、二次災害も想定されることから、学校施設や通学路のブロック塀等の総点検・調査を緊急に実施し、危険が認められる箇所については、通学路の変更や立ち入り禁止等の措置を含めた対応を徹底すること。
2 全国の通学路も緊急総点検・調査を実施するとともに、工事が必要な場合は民間事業者とも連携しつつ速やかに実施し、地方自治体に対する技術的・財政的支援を行うこと。その際、一般家庭のブロック塀等であっても倒壊の可能性があるなどの場合に支援できる制度を検討すること。また、国土交通省の社会資本整備総合交付金及び防災・安全交付金の効果促進事業の積極的な活用を図ること。
3 学校施設の安全対策に要する費用については、学校施設に対する既存の補助金等を減額することなしに、塀の修繕など小規模工事に対する補助制度、法定点検やそれに伴う修繕への補助制度の創設等を検討すること。その際、400万円と定められている文部科学省の公立学校施設の防災機能強化事業における補助対象事業の下限額について、広域での申請を認めるなど弾力的に運用すること。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第23号・児童虐待防止対策のさらなる強化を求める意見書

 今般、東京都目黒区で両親から虐待を受け女児が死亡するという痛ましい事件が発生しました。また、本市でも、男児が低酸素脳症により死亡した事案により「児童虐待事例等検証委員会」が設置されました。
 このような虐待事案は、近年、急増しており、平成28年度に全国の児童相談所に寄せられた児童虐待相談件数は12万件を超え、5年前と比べると倍増しています。
 こうした事態を重く受け止め、政府は平成28、29年と連続して児童福祉法等を改正し、児童虐待防止対策を強化してきました。しかし、目黒区の事案は、児童相談所が関与していたにもかかわらず、虐待から救うことができませんでした。
 虐待から子どもの命を守るためには、子どもの異変に早期に気付き、虐待の芽を摘むことが何よりも重要であり、そのためには児童相談所のみならず関係機関や民間団体等が協働し、虐待の防止に取り組むことが必要です。
 よって、本市議会は、政府に対し、こうした痛ましい事件が二度と繰り返されないためにも、児童虐待防止対策の更なる強化に向け、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 平成28年度に政府が策定した「児童相談所強化プラン」を拡充し、市町村における児童虐待防止体制の強化も加えた新プランを新たに策定するに当たっては、地方交付税措置を含めた必要な財源を速やかに講じること。
2 子どもの問題を児童相談所に一極集中させている現状を改めること。具体的には、児童相談所と市町村の役割分担をさらに明確にするとともに、施設やNPO等民間機関、団体や他の行政機関等との連携を強化して役割分担・協働を加速する「児童相談体制改革」を行うこと。
3 児童相談所間や自治体間の情報共有については、仮に転居があったとしても、危機感や支援状況が確実かつ迅速に引き継げるよう、引き継ぎの全国共通ルールを徹底するとともに、全国からアクセスできるシステムを整備すること。また、児童相談所と警察との情報共有については、必要な情報がタイムリーかつ確実に共有できるようにするとともに、適切かつ効果的に情報共有できるシステムを新たに構築すること。
4 全国共通ダイヤル「189」を児童虐待通告に限定し、児童相談所の相談できる窓口につながるまでの間に未だ半数以上の電話が切れている実態を速やかに検証・分析し、その結果を踏まえ、児童相談所への通告の無料化の検討を含め、運用の改善に努めること。
5 保育所や幼稚園・学校と情報共有を図ること。いじめ防止対策と同様、小中学校の校務分掌に虐待対応を位置付け、対応する組織を明確化するとともに、スクールソーシャルワーカー(SSW)を中心とした学校における虐待対応体制を整備すること。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第24号・水道施設の戦略的な老朽化対策を求める意見書

 日本の水道は、97.9パーセントの普及率を達成し、これまでの水道の拡張整備を前提とした時代から、既存の水道基盤を確固たるものにしていくことが求められる時代に変化してきました。
 しかし、現在の水道を取り巻く状況は、高度経済成長期に整備された施設の老朽化や、耐震化の遅れなど大きな課題に直面しています。現に、本年6月に発生した大阪府北部地震や西日本を中心とした7月豪雨をはじめ、昨今の自然災害による水道被害は全国で頻発している状況にあります。
 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、地方公共団体等とこれまで以上に連携を深めながら、国民の命を守るインフラである水道の戦略的な基盤強化に取り組むため、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 老朽化対策や耐震化対策をはじめ、国民の命を守るインフラ設備である水道施設の更新・維持・管理に全力を挙げるとともに、その国庫補助所要額の確保を行うこと。
2 将来にわたり、安全な水の安定供給を維持していくため、水道施設の管理者である地方公共団体等とこれまで以上に連携を深めながら、広域連携や適切な資産管理の推進、さらには官民連携の推進等、水道の戦略的な基盤強化に取り組むこと。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第25号・キャッシュレス社会の実現を求める意見書

 世界各国のキャッシュレス決済比率を比較すると、キャッシュレス化が進展している国は40~60パーセント台であるのに対し、我が国は約20パーセントにとどまっているのが現状です。
 日本でキャッシュレス支払が普及しにくい背景として、治安の良さや偽札の少なさ等の社会情勢に加え、消費者が現金を持つことに不満を持たず、キャッシュレスに漠然と不安を持っていること、さらには、店舗における端末負担コストやネットワーク接続料、加盟店手数料等のコスト構造の問題等が挙げられています。しかし、近年は実店舗における人手不足やインバウンド対応、スマートフォンを活用した支払いサービスの登場等、キャッシュレス推進の追い風となる動きも見受けられます。
 政府も平成26年に閣議決定された「『日本再興戦略』改訂2014」において、2020年東京オリンピック・パラリンピック等を踏まえ、キャッシュレス化に向けた対応策を検討するなど、これまで4回にわたりキャッシュレス推進の方針を打ち出してきました。本年6月に閣議決定された「未来投資戦略2018」では、「今後10年間(2027年6月まで)に、キャッシュレス決済比率を倍増し、4割程度とすることを目指す」としています。
 キャッシュレス化の推進は、事業者の生産性向上やインバウンド需要の取り込み、消費者の支払の利便性向上に加え、データの蓄積を通じたイノベーションの実現にもつながるなど、経済全体に大きなメリットがあります。
 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 実店舗等がコスト負担している支払手数料の在り方を見直すなど、ビジネスモデル変革のための環境整備を行うこと。
2 地域商店街等と連携したポイント制度などのインセンティブ措置を検討し、消費者に対する利便性向上を図ること。
3 QRコード等のキャッシュレス支払に関する技術的仕様の標準化を行うなど、サービスの統一規格や標準化等を整備すること。
4 産官学が連携して必要な環境整備を進めていくとともに、キャッシュレス支払を通じて新たに生み出されるデータの利活用によるビジネスモデルを促進すること。
 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

このページの作成者

市議会事務局政策調査課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2632 FAX:093-582-2685

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