8月29日の早朝、再び北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、北海道上空を通過し、約2,700キロメートル飛行後、北海道襟裳岬の東方約1,180キロメートル付近に落下した。
幸いこの弾道ミサイルによる航空機や船舶などの被害はなかったが、北朝鮮による度重なる弾道ミサイルの発射は、国連安全保障理事会決議や日朝平壌宣言に違反することは明白である。今回の行為に対しても、国連安全保障理事会は直ちに反応し、北朝鮮に弾道ミサイル発射の即時停止を求める議長声明を全会一致で採択しており、我が国のみならず北東アジア、そして国際社会全体の安全保障に対する明らかな挑発行為を断じて許すことはできない。
よって、本市議会は、北朝鮮政府に対し、弾道ミサイルの発射禁止や弾道ミサイル計画に係る全ての活動の停止、北朝鮮に義務付けた国連安全保障理事会決議の遵守を、再び厳重に求めるものである。
以上、決議する。
意見書・決議(議員提出議案第20号~26号)
議員提出議案第20号・北朝鮮による弾道ミサイル発射に強く抗議する決議
議員提出議案第21号・食品衛生管理の国際標準化を求める意見書
食品の衛生管理は、先進国を中心にHACCP(ハサップ)の導入の義務化が進められてきましたが、我が国においては導入が遅れています。
食品流通の国際化を目指し、東京オリンピック・パラリンピック等を見据えた我が国の食品衛生管理の水準を国内外に示す必要があるため、厚生労働省では、国内の食品の安全性の更なる向上のためにHACCPによる衛生管理の制度化等の食品衛生規制の見直しを進めています。
農林水産省の平成28年度調査によると、食品製造業におけるHACCPの導入状況は、販売金額が100億円以上の大手企業だけでみると8割以上が導入済みである一方、小規模事業所を含めた食品製造業全体では3割以下にとどまっています。
現在、食品衛生法の営業許可業種は34業種とされていますが、それ以外に都道府県等の条例で許可業種となっているものもあります。また、食品用器具及び容器包装についても、欧米等で使用が認められていない物質であっても、個別の規格基準等を定めない限り直ちに規制できないなどの課題があります。
さらには、厚生労働大臣又は都道府県知事からの回収命令や廃棄命令によらず事業者が自主的に食品の回収等を行った場合、食品衛生法にはその報告を義務付ける規定がありません。
食品流通の多様化や国際化等を踏まえ、食品衛生管理の制度の見直しを進め食品の安全の確保を図るべきです。
よって、本市議会は、政府に対し、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 消費者を第一に考え、食品の製造・加工、調理、販売等のフードチェーン全体での取組を進め、衛生管理を「見える化」すること。
2 HACCPによる衛生管理の制度化に当たっては、食品ごとの特性や事業者の状況等を踏まえ、小規模事業者等に十分配慮した実現可能な方法で十分な準備期間を設け取組を進めること。
3 全ての食品事業者がHACCPによる衛生管理に取り組むことを踏まえ、営業許可制度の見直しも併せて進めること。その際には施設基準などを定める都道府県の条例等に配慮すること。
4 食品用器具及び容器包装の規制にポジティブリスト制度の導入を検討するなど、欧米等との整合性を図ること。
5 食品事業者が製造した製品や輸入した製品を自主回収する場合には、その情報を把握する仕組みを検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第22号・骨髄等移植ドナーに対する支援の充実を求める意見書
骨髄移植や末梢血幹細胞移植は、白血病等の難治性血液疾患に対する有効な治療法です。我が国では、公益財団法人日本骨髄バンクが主体となり、骨髄等の提供を広く国民に呼びかける骨髄バンク事業が実施され、ドナーの負担軽減のため、骨髄等の提供に必要な検査・入院等の費用が不要であることに加え、万が一健康障害を生じた場合でも日本骨髄バンクによる団体傷害保険が適用されるなど、様々な取組が行われています。
平成29年7月末現在でのドナー登録者数は47万5,606人となっていますが、その一方で、現在登録者数は減少傾向にある上、満55歳の誕生日で登録取消となり、その取消数は増加傾向にあります。
こうした中、患者とドナーとの白血球の型が一致するHLA適合率が、平成28年時点で9割を超えているにもかかわらず、実際に移植に至るのは6割に満たないことが重大な課題として認識されています。その背景として、ドナー側の健康上の理由に加え、骨髄を採取する際は通常3泊4日の入院、末梢血幹細胞提供の場合3~4日の通院の後、1泊2日の入院が必要になるため「仕事を休みにくい」といった事情があることも指摘されています。
本市においても、骨髄等移植ドナー普及促進のための独自の政策として、本年10月より骨髄等の提供者に対して検査や入院、面談等に際して14万円を上限に日額2万円の助成制度が設けられますが、ドナーが検査や入院等で休業した場合の補償制度を設けている自治体は多くはなく、ドナーが安心して患者に骨髄等を提供できる仕組みを国が率先して創設することが求められています。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、骨髄等移植ドナーに対する支援の充実を図るため、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 国として、ドナーに対する骨髄等の提供に伴う入院、通院、打ち合わせ等のための休業補償制度を創設すること。
2 国が事業主向けに策定した「労働時間等見直しガイドライン(労働時間等設定改善指針)」の中で、企業等におけるドナー休暇制度の策定を明示するなど、企業等の取組を促進するための方策を講ずること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第23号・大規模災害時の法制度に関する抜本的な見直しを求める意見書
世界有数の災害大国である我が国においては、近年でも、平成23年東日本大震災や平成27年関東・東北豪雨、平成28年熊本地震、平成29年九州北部豪雨など、甚大な被害をもたらした大規模災害が頻発しています。さらには、南海トラフ地震や都市直下型地震等の、広域にわたり、かつ大都市部への甚大な被害が想定される巨大地震が発生するおそれが指摘されています。
こうした大規模災害に対しては、大都市としての総合力を持つ指定都市が、防災、応急救助、さらには復興・復旧まで切れ目なく一体的に災害対応していくことが必要です。
しかしながら、現行の災害対応法制では、通常の災害時には指定都市が実施する避難所及び応急仮設住宅の供与をはじめとする救助権限が、大規模災害時には道府県に移り、指定都市が持つ災害対応力を迅速かつ最大限に発揮できる仕組みとなっていません。
指定都市が災害救助等の事務、権限を自ら包括的に担い、その能力を十分に発揮できる自立的かつ機動的な体制を確立することが、来るべき大規模災害への備えとなることは論を待たず、現行の災害対応法制の見直しは急務です。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、法律制定後半世紀以上が経過している災害救助法や災害対策基本法に基づく災害対応法制を抜本的に見直し、指定都市が持つ能力を十分に発揮できる制度を新たに構築すべく、国の主導において、指定都市を災害救助の主体とする法改正を行うよう強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第24号・森林環境税(仮称)の早期創設及び林業の成長産業化と森林の適切な管理の推進を求める意見書
平成29年度の与党税制改正大綱において、「2020年度及び2020年以降の温室効果ガス削減目標の達成に向けて、森林吸収源対策及び地方の地球温暖化対策に関する安定的な財源の確保」について講じる措置として、森林環境税(仮称)の創設に向けて、平成30年度税制改正において結論を得るとされました。
森林が多く所在する山村地域の市町村は、木材価格の低迷や林業従事者の高齢化、後継者不足に加え、急速な人口減などの厳しい状況にありますが、森林吸収源対策及び担い手育成等の山村対策に取り組むための恒久的・安定的な財源が大幅に不足しています。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、市町村が持続的に森林整備を行うことができるよう森林環境税(仮称)を早急に創設するとともに、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 森林環境税(仮称)の創設に当たっては、地方の意見を十分に踏まえて制度設計するとともに、各県を中心に独自に課税している森林環境税等との関係についても確実に調整を図ること。
2 森林環境税(仮称)創設までの間においても、必要な施策を推進するための予算を十分に確保すること。
3 林業の成長産業化と森林の公益的機能の発揮の両立を図る新たな森林の管理・経営スキームを検討すること。
4 本格的な利用期を迎えた我が国の森林について、新たな管理・経営のスキームの検討を進めるに当たっては、国産材の需要の創出・拡大策を並行して推進していくこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第25号・小中学校におけるプログラミング教育の必修化に対して支援を求める意見書
インターネットの単なる普及にとどまらず、インターネットを活用したIoTの活用分野の拡大、自動車の自動運転をも可能とするAI(人工知能)の開発など、近年におけるIT技術の発展は著しく、「第4次産業革命」とも呼ばれる大きな転換期を迎えています。
新たなニーズに対応し得る人材の確保は世界的にも共通のものとなっており、我が国においてもグローバルに活躍し得る人材を育成する上でITスキルの向上は不可欠なものですが、2016年に経済産業省が発表した資料によると、2015年時点でIT人材不足数は約17万1,000人、2030年には最大で約79万人が不足すると試算されています。
2020年にプログラミング教育が小学校において必修化されることに伴い、各都道府県教育委員会において、人材育成、指導内容等について、独自に試行錯誤を繰り返していますが、どの分野に力点を置き、いかなる人材を養成すべきかという課題は残されたままです。地域間の格差を是正するためにも、中核となる指導内容については全国共通のものとなることが求められます。
一般家庭におけるIT機器の普及は著しく、児童生徒たちは幼少期より一定程度IT機器に接することが珍しくない中で、教員に求められる技能はおのずと高いものとならざるを得ません。これは、近年特に顕著となっている教職員の多忙化に拍車をかけることとなりかねず、外部人材の活用など、人的あるいは財政的支援が必要となります。
従来、小中学校におけるIT機器の整備は、主に基礎自治体に委ねられてきたものの、自治体の財政力により整備状況に大きな差が生じているのが実状です。プログラミング教育において、自治体間の格差を是正するためにも、指導上必要となる機器の整備などに対する財政措置が求められます。
一方、千葉県柏市などの一部自治体において先行実施されているプログラミング教育との整合性など、既にいくつかの課題が散見されます。
よって、本市議会は、政府に対し、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 早期にプログラミング教育の指導の概要について明らかにすること。
2 円滑な指導を行うため、自治体間の格差是正に必要な財政措置を行うこと。
3 民間人材の積極的な活用や、小規模な自治体において適正な人員配置が困難な場合に広域での対応を容認するなど、弾力的な人材配置を認めること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第26号・道路整備に必要な予算確保に関する意見書
道路は人々の生活を支える基本的な社会資本であり、地域間の交流や連携、地域産業の発展を図る上で不可欠な社会基盤です。
本市では、24時間運用が可能な北九州空港や西日本有数を誇る港湾施設などの物流拠点と中心市街地を結び、さらには周辺市町村をはじめとした九州各地域や本州との連携を強化する幹線道路ネットワークの整備を推進しています。
また、大規模災害発生直後に人員や物資等の緊急輸送活動を確実かつ円滑に実施するための緊急輸送道路の整備や、老朽化が進む橋梁やトンネル及び都市モノレールの計画的な耐震化や修繕など、災害に強い道路整備を推進しています。
地方創生の成功モデルを目指す本市は、ものづくりや環境産業の集積、北九州空港など、本市独自の強みを活かして、将来にわたり活力あるまちづくりを進めており、人流や物流の効率化、民間投資の誘発、観光交流、人口及び雇用の増加など、経済活動の生産性向上に大きく寄与する道路整備を着実に進めていくことが必要です。
しかしながら、道路整備に係る予算は十分に確保できていない状況にあり、整備に未着手の道路や、事業着手から完成までに長期間を要する道路が数多くあります。
さらに、道路整備においては、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の規定により、地域高規格道路や交付金事業の補助率等がかさ上げされており、このかさ上げ規定が平成29年度までの時限措置となっています。
地方創生に全力で取り組んでいるこの時期に、必要な道路予算が確保できなくなることは、これらの事業の着実な推進に多大な影響を与えるとともに、本市の産業及び経済活動の活力の低下を招くことも危惧されます。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、道路整備に必要な予算の確保に関して、地方が必要とする道路整備予算を安定的に確保し、道路整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律における補助率等のかさ上げ措置について、平成30年度以降も現行制度を継続するよう強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
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