我が国では、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とする障害者基本法が制定されています。
しかし、同法第4条において、障害者に対して、障害を理由として差別することを禁止する規定があるものの、行政機関等や民間事業者による差別的取扱いを禁止し、差別を解消するための具体的な対応など、実効性を確保する措置等を定めた法律は制定されていません。
こうした中、地方自治体においては、北海道、岩手県、千葉県、熊本県、さいたま市、八王子市等が障害者に対する差別禁止に係る条例を制定しています。 また海外では、2006年に国連総会で採択された障害者の権利に関する条約の署名、批准は、既に約130か国が終えており、米国、EU、カナダ、オーストラリア、韓国、インド等の多くの国々で、障害者に対する差別禁止及び障害者の社会参画の権利等を定めた法律が制定されています。
しかし、我が国は同条約との法的整合性を担保する法制度の整備が十分ではないため、同条約を批准できない状況が続いています。
こうした国内外における状況を踏まえ、国においても障害者自立支援法の改正や障害者虐待防止法の制定、障害者基本法の改正など、障害者に係る施策の充実を図るための法整備が進められてきたところです。
本年4月26日には、障害者基本法第4条の「差別の禁止」の規定を具体化する「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案」が政府から提出されました。同法律案は、これまでの国における取組の集大成とも言えるものであり、多くの障害者や関係者から早期の施行が求められています。また、同法律案の施行により、我が国の障害者の権利に関する条約の批准のための環境が整うことにもなります。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の事項の実現を強く要請します。
1 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律案の早期成立及び施行を図り、雇用、教育、公共交通、医療、役務の提供など、あらゆる分野における障害者の権利利益を侵害する社会的障壁の除去に努めるとともに、障害者が社会参加するための環境整備を一層進めること。
2 同法律案制定後、同法律案に基づき、政府全体の方針として定める「障害者の差別の解消の推進に関する基本方針」並びに同方針に即して行政機関や 地方公共団体等が定める「職員のための要領」及び各事業分野を所管する主務大臣が定める「事業者のための指針」などのガイドラインの策定については、障害者や関係事業者等の意見を最大限尊重し、十分に反映したものとすること。
3 障害者が差別により制限された権利を速やかに回復できるよう、既存の紛争解決機関等の活用の推進も含め、相談及び紛争防止・解決のための体制の 整備、拡充を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
意見書・決議(議員提出議案第13号、14号、18号)
議員提出議案第13号・障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律の早期制定を求める意見書
議員提出議案第14号・少人数学級の推進など教職員の適正な配置を求める意見書
平成23年、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等の改正により、小学校第1学年の学級編制の標準が35人に引き下げられ、教職員の基礎定数化が図られました。しかし、小学校第2学年から第6学年まで及び中学校については、教職員の基礎定数化は見送られ、加配措置にとどまっています。
我が国は、OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均に比べて、一学級当たりの児童生徒数や教員一人当たりの児童生徒数が多くなっています。しかし、一人一人の子どもに丁寧な対応を行うためには、一クラスの学級規模を引き下げる必要があります。文部科学省が実施した「今後の学級編制及び教職員定数の在り方に関する国民からの意見募集」においては、望ましい学級規模として、回答者の約6割が「26人~30人」を挙げており、多くの国民が30人以下学級を望んでいることは明らかです。
社会状況等の変化により、学校では一人一人の子どもに対するきめ細やかな対応が必要となっています。新しい学習指導要領による教育が本格的に始まり、授業時数や指導内容が増加しています。日本語指導など特別な支援を必要とする児童生徒の増加や障害のある児童生徒への対応等も課題となっています。不登校、いじめ等の生徒指導の課題も深刻化しています。
よって、本市議会は、政府に対し、一人一人の子どもに対するきめ細かな対応を行うために、少人数学級の推進など教職員の適正な配置を図ることを強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第18号・橋下徹大阪市長の「慰安婦制度は必要」の発言の撤回と謝罪を求める決議
去る5月13日、大阪市役所内における記者の囲み取材で、日本維新の会共同代表・橋下徹大阪市長は、第2次世界大戦当時は、慰安婦制度は必要だったとの発言をし、内外の厳しい批判を浴びている。この発言は、米軍幹部に対する発言も含めて女性をはじめ多くの人々の人格を否定し、人権を侵害するものであり、到底許されるものではない。
橋下大阪市長の発言は、人権感覚が欠如しているという批判にとどまらず、政治家としての資格が問われるものであり、大いに反省すべきものである。
よって、本市議会は、橋下大阪市長に対し抗議し、発言の撤回と謝罪を求めるものである。
以上、決議する。
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