本市では、昭和39年に暴力追放都市宣言を行って以来、官民一体となって積極的に暴力追放に取り組んできた。また、本市議会においても、市民が安心して生活できるまちづくりを推進するため、機会あるごとに暴力追放に関する決議を行ってきた。
そして、本年8月1日から改正福岡県暴力団排除条例が施行され、繁華街からの暴力団追放を更に推進するべく、暴力団の飲食店などへの立ち入りを禁じる「標章制度」が始まった。
しかしながら、同制度が導入された8月以降、本市では飲食店を狙った放火事件が3件発生し、飲食店の女性経営者などを狙った殺人未遂事件も相次いでいる。さらに標章を掲げた飲食店を中心に、市内の約90店舗に脅迫電話がかかるなど、暴力団による犯行とみられる事件が続いている。
いずれの事件も、暴力団排除運動に取り組む市民や飲食店が矢面に立たされるかたちとなり、「いったい誰が私達を守ってくれるのか」との市民の声は切実なものとなっている。
また、先日発表された平成24年度市民意識調査(中間報告)では、市政要望として、「防犯、暴力追放運動の推進」が18年振りに1位となるなど、昨年来、続発した発砲事件が市民の意識に大きく影響していることが明らかとなった。
今回の暴挙は、市民の平穏な生活を著しく脅かすものであるばかりか、民主主義に対する重大な挑戦であり、断じて許すことはできない。
よって、本市議会は、このような凶悪な暴力犯罪行為に対しては、強い憤りを持って抗議し、市民が一丸となって、「暴力のない明るく安心して暮らせる北九州市」の実現に向け、全力を挙げて邁進することを表明する。
また、警察当局に対し、捜査体制の強化による一刻も早い犯人検挙を要請するとともに、警察当局及び本市に対し、繰り返される暴力から、市民や企業、飲食店を守り抜く態勢を整え、市民の安全で安心な環境を取り戻すために、あらゆる対策を講じることを強く要望する。
以上、決議する。