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意見書・決議

更新日 : 2022年6月23日
ページ番号:000008967

第1号・警察の裏金問題の徹底解明を求める意見書

 静岡県警がカラ出張などの方法で裏金を作っていたことを認めたのをはじめ、北海道、福岡県など全国の警察においても裏金疑惑が相次いで表面化しています。

 静岡県警は、同総務課で1995年にカラ出張で不正に旅費を請求して約1,000万円の裏金を作り、県警本部長の交際費や飲食などに使っていたことを認め、返還すると発表しました。当初、静岡県警は、裏金問題などはないとしていましたが、オンブズマンの文書開示請求訴訟で敗訴したため、公表に踏み切りました。

 また北海道警の裏金作りでは、元釧路方面本部長の証言に続き、釧路管内・弟子屈署元次長が同署の報償費に不正流用があったとして、道監査委員に監査請求をしました。さらに警視庁の裏金作りについては、元警視庁職員が、裏金作りは警視庁を含め全国で組織的に行われていると述べています。

 不正を捜査・取り締まるべき警察で、組織的に不正が行われていることは極めて遺憾であり、厳正な対処が求められるとともに、税金をもって賄われる警察の仕事は、透明性が担保されなければなりません。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 警察の信頼を回復するために、国会での参考人招致を含めて、徹底的に裏金作りの真相を解明し、責任を明確にすること。
  2. 第三者が入った外部監査制度の導入を含め、再発防止策を確立すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第2号・税源移譲を基本とする三位一体改革の実現を求める意見書

 三位一体改革は、地方分権の観点から地方の自主性・自立性を向上させ、地方自らの責任と判断による行財政運営を確立することが、その本旨であります。

 昨年6月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」を踏まえ、平成16年度予算において、国庫補助負担金の1兆円の廃止・縮減や所得譲与税の創設など、三位一体改革の実現に向けた第一歩が踏み出されたところです。

 しかしながら、国庫補助負担金の廃止・縮減については、その規模・内容とも、地方分権型の新しい行政システムの構築という改革の本旨とは程遠いものとなっています。

 現下の国・地方を通じた厳しい財政状況を乗り越えていくためには、行政の効率化への取組を一層積極的に進めていく必要がありますが、根本的には地方税など自主財源の充実強化を図ることが何よりも急務であり、住民の視点に立った改革を早期に実現することが肝要です。

 また、改革内容の決定にあたっては、地方公共団体の意向が十分に反映される必要があります。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、三位一体改革の着実な実現に向け、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 地方自らの責任と判断に応じた財政運営を確立するため、所得税等の基幹税を基本とする国から地方への税源移譲を早期に実現すること。
  2. 国庫補助負担金の廃止・縮減にあたっては、改革の本旨に沿い、地方に負担が生じないよう所要額を地方の自主財源として移譲すること。
  3. 地方交付税の改革については、税源移譲と国庫補助負担金の見直しと一体となった措置を行うとともに、財源保障機能と財源調整機能を堅持すること。
  4. 県費負担教職員制度の見直しは、学級編制等の包括的な権限委譲と税財源移譲を同時に実施すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第3号・65歳まで働ける雇用環境の整備を求める意見書

 我が国の高齢化は世界に例を見ない速度で進み、2007年には総人口の約3人に1人が60歳以上となることが見込まれています。このような急速な高齢化の進展の下で、経済社会の活力を維持するためには、できるだけ多くの高齢者が経済社会の担い手として活躍できる環境を実現することが必要です。しかし、何らかの形で65歳まで働ける場を確保している企業は全体の約7割、そのうち希望者全員を対象としている企業は全体の約3割にとどまっています。

 また、現下の厳しい雇用情勢では、中高年齢者の再就職は大変に困難な状況にあります。

 このような中で、定年年齢の引き上げまたは継続雇用制度の導入を企業に義務づける高年齢者雇用安定法の改正案が国会に提出されています。これらの制度の導入に当たっては、労使双方の意見に耳を傾け、事業主の取組に対する財政上の支援策を講じるなど、円滑な制度の導入・整備に努めることが必要です。

 また、高齢期には個々の労働者の意欲、体力等個人差が拡大し、その雇用・就業ニーズも多様化するため、短時間勤務の導入や多様就業型ワークシェアリングの導入を促進することが必要です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、65歳まで働き続けることができるよう、高年齢者の雇用環境の整備や就業機会の確保を図るよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第4号・パートタイム労働者等の労働条件の整備を求める意見書

 我が国のパートタイム労働者は、1,200万人を超えており、雇用労働者の20パーセント以上に達するなど、いまや重要な位置を占めています。

 しかし、パートタイム労働者や有期契約労働者は、雇用期間の定めのないフルタイム労働者に比べ、賃金や労働条件、雇用などの処遇面において大きな格差があるなど、多くの問題を抱えています。

 一方、ILO111号条約は、雇用及び職業の面でどのような差別待遇も行われてはならないと規定しており、また、ILO175号条約は、パートタイム労働者の権利と労働条件はフルタイム労働者と均等とすべきとの原則を確認しています。

 我が国において、短時間就業など柔軟で多様な働き方が広がっているのは時代の流れであり、パートタイム労働が良好な就労形態として労働者が選択できるよう、パートタイム労働者及び有期契約労働者の均等待遇を確立することが喫緊の課題となっています。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、パートタイム労働者や有期契約労働者について雇用や労働条件などの改善を図るため、関連するILO条約を早期に批准し、条約に則った法律の制定など労働条件の整備を速やかに行うよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第5号・食料自給率を高めるための実効ある施策を求める意見書

 狂牛病(BSE)、鳥インフルエンザなど食の安全性を揺るがす問題の世界的な発生により、関係国からの輸入が禁止されたことで、食料の国内需給が混乱するなど我が国の食料事情の危うさが露呈しました。

 欧米諸国の食料自給率が回復傾向にある一方で、1960年度に79パーセントだった我が国の食料自給率(カロリーベース)は、年々低下の一途をたどり、2001年度には40パーセントにまで落ち込み、アメリカ、イギリスなどの主要先進国と比べても最低水準にあります。

 食の安全を徹底し、日本の農業を守り、食料自給率を高めることは、緊急の国民的課題です。2月4日に発表された農林水産省の食料自給率目標に関する意識・意向調査結果によると、我が国の食料供給に不安を感じる消費者は90パーセントに上り、84.9パーセントが食料自給率を大幅に引き上げるべきだとしています。

 しかし、政府はこれまでコメの輸入などを認める世界貿易機関(WTO)協定を受け入れたのをはじめ、最近ではいっそうの農産物輸入拡大につながる自由貿易協定(FTA)を推進しようとしています。

 また、本年1月農林水産省は食料・農業・農村基本法に基づく基本計画で、2010年までに自給率を45パーセントに上げるとした目標年度を2015年度に先延ばしする方針を公表しました。

国際コメ年の今年、食料自給率を早期に50パーセント台まで回復させる努力が必要です。

 よって、本市議会は、政府に対し、我が国の食料生産の基盤を確保し、食料自給率を早期かつ確実に高めるための実効ある施策を推進するよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第6号・高病原性鳥インフルエンザ対策の強化を求める意見書

 山口県、大分県に続く京都府での高病原性鳥インフルエンザの発生は、通報の遅れから、鶏肉、卵などが23府県に広く流通していたことが判明するなど深刻な事態になっています。

 家畜への感染拡大阻止には、初動の防疫体制の確立が重要であり、養鶏農家からの迅速な通報が不可欠です。また、発生周辺区域での鶏肉、卵などの移動・搬出制限措置を実効的なものとするためには、制限措置により養鶏農家や関連事業者が被る経済的損失への補償などが重要な課題となります。

 しかし、現在の家畜伝染病予防法では、移動制限を受けた周辺の養鶏農家に対する補償規定がないなど十分な対応策がとられていません。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、高病原性鳥インフルエンザの感染拡大を食い止めるため、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 家畜伝染病予防法を改正し、移動制限による経済的損失に対して補償を行うこと。
  2. 養鶏農家等からの報告、立入検査、診断基準等を定めた高病原性鳥インフルエンザ防疫マニュアルを周知徹底し、防疫体制を強化すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第7号・実効ある児童虐待防止への法整備を求める意見書

 平成12年11月、「児童虐待の防止等に関する法律」が施行されて以来、児童虐待防止に向けた国や自治体の取組が強化され、一定の成果を上げてきました。

 しかし、なお悲惨な児童虐待事案が相次いで発生しており、とりわけ本年1月に発覚した大阪府岸和田市における中学3年男子生徒に対する虐待事件は、関係者のみならず日本社会に大きな衝撃を与えました。

 続発する児童虐待事件は、児童の救出・保護に向けた立ち入り調査権の運用上の不備や、児童相談所、学校、警察をはじめとした関係機関の連携の不備、親や保護者への指導に関する現行法制度の不十分さを浮き彫りにしています。

 悲惨な児童虐待の再発を防止し、児童の身体生命を守るとともに、その健全な発達を促すための実効ある法整備が緊急に求められています。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、児童虐待防止対策の強化を図るため、児童虐待防止法、児童福祉法などの関係法令を改正し、実効ある法制度を整備するよう強く要請します。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第8号・児童福祉司の増員を求める意見書

 厚生労働省の調査によると、2002年度の児童相談所における児童虐待の相談処理件数は約2万4,000件と急増しており、児童虐待防止法施行直前である1999年度の約2倍となっています。

 また質的にも困難な事例が増加している中、大阪府岸和田市では、虐待を受けた中学3年生男児が餓死寸前で病院へ運び込まれるという、多くの国民に衝撃を与える事件が発生しました。

 一方で、児童虐待への対応に中心的役割を果たしている児童相談所は、施設も人員も不足しているのが実態です。児童虐待防止法施行後に実施した日本子ども家庭総合研究所の調査では、現場の児童福祉司の9割が、現在の児童相談所の配置人数には問題があると答えています。

 地方交付税を算定する際の児童福祉司数は、児童虐待防止法が成立した2000年度からようやく増員が認められましたが、それでも相談件数の伸びには追いつかず、一人あたりの相談件数は虐待だけで年間14件に及んでいます。

 増え続ける児童虐待への対応として、児童福祉司を抜本的に増員するためには、地方交付税上の措置だけではなく、40年以上変わっていない人口おおむね10万人から13万人に1人、という児童福祉司の配置基準である児童福祉法施行令を改正する必要があります。

 よって、本市議会は、政府に対し、児童福祉司の配置基準を見直し、増員するよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第9号・インフルエンザワクチンの適正供給を求める意見書

 医療機関がインフルエンザワクチンを追加購入しようとしても購入できなかったり、予防接種を受けようとした人が他の医療機関で接種するように言われたという厚生労働省への報告が、昨年12月9日時点で32都府県に上っています。本市においても、昨年12月から本年1月にかけて、市民から約2,500件の相談が寄せられました。

 国内全体のワクチン供給量は不足していないと言われながらも、このような状況を招いたのは、従来より商慣習として、インフルエンザの流行終了後、余ったワクチンを製薬会社が買い取ることと密接に関係しています。その結果、一部医療機関がワクチンを抱え込むため、医療機関間でワクチンの融通が行われにくくなっています。

 さらに、ワクチンの返品をしないようにという厚生労働省の指導にもかかわらず、1月下旬以降大量の返品が発生しており、このような理由によるワクチン不足は、市民生活を不安に陥れるとともに、保健行政に対する国民の信頼を損ないかねません。

 よって、本市議会は、政府に対し、ワクチンが適正に供給されるようにするため、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 医療機関や卸売販売業者等に対してワクチンを返品しないことを徹底すること。
  2. 都道府県や医療機関同士でワクチンを積極的に融通し合うよう指導すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第10号・郵政民営化に関する意見書

 現在、郵政事業は全国で約2万4,700カ所に及ぶ郵便局のネットワークを通じて、全国一律に公平なサービスを提供することにより、国民の利便性を確保しています。

 一方で、地方公共団体からは高齢者等への生活状況確認やごみ袋等の販売など多くの事務を受託しており、本市においても、一部郵便局での住民票の写し等の交付や徘徊高齢者の探索のサービスを行うなど市民サービスの向上や福祉の増進に大いに役立っています。

 こうした中、政府は、郵政3事業の民営化を検討する際の指針となる5原則を決定し、4月に中間報告を、今秋をめどに最終報告を取りまとめることにしています。現在、その審議が進められているところですが、競争原理に基づいて郵政事業の民営化が行われ、収益向上の採算性が重視されると、各種料金の値上げや地域の貴重な生活インフラである郵便局の統廃合も想定され、市民生活に大きな影響を及ぼすことになりかねません。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、郵政事業の検討に当たっては、公的・社会的役割の重要性にかんがみ、郵便局の窓口ネットワークの有効活用や全国一律サービスの維持などにより、国民の利便性の確保に十分配慮するよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第16号・新北九州空港に就航する航空会社を支援する決議

 新北九州空港は、24時間運用が可能という高いポテンシャルを持つ海上空港として、北九州圏域住民200万人の航空需要を支えるとともに、本市の物流ネットワークづくりを進める上で必要不可欠な中核施設であり、本市にもたらす経済波及効果は計り知れない。

 今後は、この空港のポテンシャルを最大限に引き出すため、旅客輸送・貨物輸送の両面において航路誘致や利用促進に向けて全力で取り組む必要がある。

 このような中、昨年12月に新規航空会社スターフライヤーが、新北九州空港へ参入し、羽田空港への多数運航を表明したことは、空港活性化への起爆剤になるものと大いに期待している。

 一方で現在の航空業界は、テロや新型肺炎(SARS)等の影響で厳しい経営を強いられている。

 また、新北九州空港からの主要就航先である羽田空港は、発着枠に制限があり、開港後の路線・便数については、明らかになっていないのが現状である。

 よって、本市議会は、本市に対し、各航空会社に新北九州空港への就航を働きかけるとともに、就航を表明した航空会社に対しては、可能な限りの支援策を講じるよう強く要望する。

以上、決議する。

第18号・地方分権を確立するための真の三位一体改革の実現を求める意見書

 平成16年度の国の予算編成においては、三位一体改革の名の下に、市町村の財政運営の基幹たる財源である地方交付税等一般財源の大幅な削減が行われましたが、これは国の財政健全化方策に特化されたものと受け取らざるを得ず、地方公共団体の行財政運営の実情を踏まえたものとなっていないことは誠に遺憾です。

 特に、平成16年度の税源移譲については、国庫補助負担金の廃止に伴う本格的な税源移譲が先送りされ、地方交付税等の地方一般財源の削減のみが突出した対策は、地方公共団体の行財政運営に致命的な打撃を与え、市民生活や地域経済に多大な影響をもたらしています。

 本来、三位一体改革は、税源移譲と国庫補助負担金の廃止・縮減を同規模かつ一体的に行うべきものであり、また、地方交付税は、住民サービスに影響が生じることのないよう、その所要総額が確保されることが極めて重要です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、地方分権の理念を踏まえ、真の三位一体改革の実現と地方公共団体の自主的・自立的な行財政運営の確実な実現に向け、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 地方交付税制度については、財源保障及び財源調整の両機能を堅持し、地方の実情等を十分勘案し、その所要総額を確保すること。
    特に、地方交付税総額は、平成15年度以前の水準以上を確保すること。
  2. 税源移譲については、平成17年度において基幹税による3兆円規模の税源移譲を先行決定し、実施すること。
  3. 国庫補助負担金については、地方分権の理念に沿った廃止・縮減を行うとともに、事務事業の性格・実態、地方公共団体の意見等を勘案し、単なる地方公共団体への負担転嫁は絶対行わないこと。
  4. 三位一体改革に当たっては、全体像と工程表を早急に示し、地方公共団体の意向を十分尊重し、行財政運営に支障が生ずることがないよう対処すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第19号・認可外保育所への消費税非課税を求める意見書

 消費税法が改正されたことにより、本年4月から消費税の免税点が年間売り上げで3,000万円から1,000万円以下の事業者に引き下げられた結果、新たに多くの認可外保育所にも消費税が課税されることになり、大きな問題となっています。

 現在、国においては、「待機児童ゼロ作戦」を推進し、保育所の待機児童の解消を図っていますが、その中で認可外保育所が待機児童の受け入れ先になっているのは周知の事実です。

本市においても、平成15年10月現在で約1,000人が利用するなど、不足している保育所を補う上で、認可外保育所が重要な役割を担っています。

 このような状況にもかかわらず、児童福祉法に基づいて認可を受けた保育所は非課税とする一方で、認可外保育所は課税するという方針は、税負担の公平性及び認可外保育所の社会的、地域的役割から見ても公平ではありません。

 よって、本市議会は、政府に対し、次世代育成支援対策の推進により子育て支援の充実を図る国の方針にも照らし、児童福祉法に定める認可保育所に準ずる施設である認可外保育所を消費税非課税扱いとするよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第20号・各種イベントにおける「ごみゼロ・省エネ化促進法(仮称)」の早期制定を求める意見書

 現在、我が国で開催される見本市、文化行事、スポーツなど各種イベント会場では多くのごみが出され、紙や電気などの資源が大量消費されるなど、環境に大きな負荷を与えています。

 近年の地球環境問題への関心や自然との共生に対する認識が高まる中、各種イベントの実施に当たっては、廃棄物を抑制しつつ、環境と調和し、環境に配慮した取組が求められています。

 また、地球温暖化の進行を背景に省エネの推進が非常に重要な課題の一つになっています。

 「世界の環境首都」を目指す本市では、平成13年度開催の北九州市博覧祭2001において、ゼロエミッション事業に取り組んだ結果、来場者一人あたりのごみ排出量をこれまでの博覧会と比較して4分の1以下に押さえることができました。一部の自治体でも、環境に配慮したイベント開催のマニュアルを作成して、さまざまな工夫でごみゼロ、省エネ化に取り組んでいます。

 こうした取組を民間にも波及させ、全国的に広げるためには、各種イベントのエコ化、グリーン化、省エネ化を促進するための法整備が必要です。また、政府として、循環型社会形成推進基本計画の着実な推進、環境意識の更なる浸透を図るためにも、国が主催する行事における省資源・省エネ等のガイドラインを作成・実施するとともに、全国の各種イベントにおいても実施させていくようにすることが重要です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、各種イベントのごみゼロ・省エネ化を推進する「ごみゼロ・省エネ化促進法(仮称)」を早期に制定するよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第21号・若年者雇用政策の拡充を求める意見書

 近年、若者の働き方は多様化し、特に定職を持たず、様々な職業を渡り歩くフリーターの数は増加傾向にあり、国民生活白書によると2001年時点で417万人(15~34歳)に達しています。自らの夢の実現のためにフリーターの道を選ぶ人もいますが、正社員を志向しながらやむを得ずフリーターになる人が7割を超えるという指摘もあり、大きな社会問題になっています。

 フリーターであることは個人の生き方の問題ではありますが、生涯賃金や年金受取額などの面で、生涯において大きなデメリットやリスクがあることも事実です。また、社会全体としても、フリーターの増加は我が国の経済成長を阻害するほどの深刻な問題といえます。

 よって、本市議会は、政府に対し、「若者自立・挑戦プラン」の強力な推進を図るとともに、学校教育において子どもが将来社会人・職業人として自立できるための予防的対策の充実、進路・就職指導における企業等の連携、また、生涯にわたる職業能力習得に対する支援対策の強化を図るなど、若年者の雇用問題の解決に向け、全力で取り組むよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第22号・介護予防対策の拡充を求める意見書

 我が国は、団塊の世代が65歳以上になる今後10数年の間に、急速に人口の高齢化が進み、世界でも例のない超高齢化社会を経験します。そうした中で、目指すべき社会の姿は、元気な高齢者が多い社会であり、高齢者が健康を保持し、生涯にわたって生き生きと暮らせる社会を築くことが重要な課題です。

 ところが、平成12年4月の介護保険施行からの状況を見ると、要介護認定者が約218万人から平成15年10月には約371万人へと約7割増加し、高齢者に占める要介護認定者の割合も10パーセントから15パーセントへと上昇しています。特に看過してならないことは、軽度の認定者の増大と、軽度の人ほど重度化している割合が高いということです。

 こうした観点から、施行後5年を目途とした介護保険制度の見直しの際には、現行制度における要支援や要介護度1の軽度の人々の健康増進策の強化を図るとともに、認定外の虚弱の人々を要介護状態にさせないよう新たな介護予防サービスを創設するなど、介護予防対策に全力を挙げることが必要です。

 よって、本市議会は、政府に対し、全国の市町村に介護予防サービス拠点を整備するとともに、効果のある介護予防プログラムを開発するなど、介護予防対策の更なる拡充を図るよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第23号・教育基本法の早期改正を求める意見書

 我が国の教育は、民主的で文化的な国家の建設を目指して昭和22年に制定された教育基本法を基礎として、半世紀にわたり行われてきました。

 しかしながら、戦後50年を経た現在、社会情勢は大きく変化し、子どもの問題行動や社会性の希薄化、さらには家庭や地域社会における教育力の低下など教育の在り方そのものが問われるなど、現行の教育基本法の限界が指摘されてきました。

 こうした中、昨年3月、中央教育審議会は、文部科学大臣に対して「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画の在り方について」を答申し、教育基本法の改正を提唱しています。

 我が国の次代を担う子どもたちが、将来に夢や希望を抱き、生きる力を持ってたくましく育っていくには、今こそ、次代の教育の基本法を明示するとともに、それを確実に実現していくことが重要です。

 よって、本市議会は、政府に対し、早急に改正案を国会に上程し、徹底議論を行い、教育基本法の早期改正を行うよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第29号・安全・安心なまちづくりに向けた警察官の増員を求める意見書

 昨年8月の暴力団組員による飲食店襲撃事件に際し、福岡県警は、暴力団に対する集中的な取り締まり、繁華街への警察官詰め所の新設・特別対策隊の発足、パトロールの強化などを実施したところですが、本市においても、治安担当助役及び安全・安心部の新設、職員の派遣による警察との連携強化、また地域においては、「生活安全パトロール隊」の結成による自主的な防犯活動などに取り組んできました。

 このような警察・行政・地域が一体となった暴追・防犯対策の推進にもかかわらず、本年1月から9月までの間に企業や個人を狙った合計7件もの連続発砲事件が発生しました。いずれの事件も未だ犯人が検挙されておらず、事件の背景は不明ですが、銃による暴力で市民や企業等を威嚇するという卑劣な行為を断じて許すことはできません。

 警察庁は昨年8月、増加の一途をたどる犯罪に歯止めをかけ、治安に対する国民の不安を解消するための緊急治安対策プログラムを策定しましたが、福岡県警においても、交番・駐在所の再編によるパトロール活動の強化、地域警察官の増員などに取り組んだ結果、犯罪件数の減や検挙件数の増などに一定の効果が出ています。

 しかし、犯罪を抑制し、市民が真に安全で安心して暮らせるまちにするためには、行政や市民による暴追・防犯への取り組みとともに、法に基づいた警察について、十分な捜査活動が可能となるための組織整備を行い、犯罪の防止と暴力の根絶に向けた取り締まりを強化することが不可欠です。

 よって、本市議会は、政府に対し、連続発砲事件の発生という特別な事情に鑑み、安全・安心なまちづくりに向けた本市内の地域警察官の緊急かつ大幅な増員に特段の配慮を図るよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第30号・米軍CH-53Dヘリコプター墜落事故に関する意見書

 去る8月13日14時15分ごろ、普天間飛行場に隣接する宜野湾市の沖縄国際大学構内に米海兵隊所属CH-53D大型輸送ヘリコプター1機が墜落炎上し、乗員3人が負傷する事故が発生しました。

 墜落現場周辺は、小学校から大学までの数多くの教育機関をはじめ病院、商店街等が点在する民間地域となっており、県民にけが人が一人も出なかったのは不幸中の幸いでしたが、一歩間違えれば大惨事を引き起こしかねないものであり、日常的に基地と隣り合わせの生活を余儀なくされている沖縄県民に大きな負担と恐怖を与えています。

 これまでも、米軍航空機の墜落事故や航空機からの落下物事故は枚挙にいとまがないほど発生しており、最近では、1999年4月にCH-53Eヘリコプターが墜落し乗員4人が死亡する事故が発生し、去る8月には6月に北谷町の民家敷地内で発見された金属部品が米海兵隊所属のFA-18戦闘機による機体金属落下であることが判明しています。

 今回の問題は、単に沖縄県民の問題ではなく、米軍基地を抱える自治体も同様であり、また日本国民全体の問題でもあります。

 よって、本市議会は、政府に対し、国民の生命・財産を守る立場から、今回の事故に厳重に抗議するとともに、次の措置を速やかに講じるよう強く要請します。

  1. 事故の原因を徹底的に究明し、その結果を速やかに国民に明らかにすること。
  2. 航空機の整備・保守点検体制を徹底的に見直して、航空機の安全管理と事故の再発防止及び未然防止に努めるとともに、兵士への教育と綱紀粛正の徹底を図ること。
  3. 被害者への謝罪及び補償を行うこと。
  4. 日米地位協定の抜本的な見直しを行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第31号・人身売買禁止のための法制化を求める意見書

 売春や強制労働等による搾取を目的とした外国人女性や子どもの人身売買に対する日本の対策の遅れに国際的な批判が高まっています。

 昨年7月には国連女子差別撤廃委員会から人身売買に対する包括的戦略の必要性・加害者の処罰強化が勧告され、また、米国務省が本年6月に発表した人身売買に関する年次報告では、日本を今後1年間に必要な措置を取るかどうか見極める必要がある第2分類監視対象国に指定するなど、日本は国際社会から人身売買の主要受入国として見られています。

 政府は昨年12月に発効した「国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を補足する人、特に女性及び児童の取引を防止し、抑止し及び処罰するための議定書(人身取引議定書)」の批准に向けて国内法の整備に取り組んでいますが、日本には人身売買という行為を規定し、禁止する法律がありません。

 アジア、東欧、中南米から来日した女性たちが莫大な借金を負わされて風俗産業で働かされ、人身売買ブローカーや暴力団の暴利の犠牲になっている現状を打破するためには、加害者に対する罰則強化を明記し、人身売買の禁止、被害者の人権救済・保護・支援のための法制化が必要です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 人身売買が犯罪であることを法に明記すること。
  2. 被害者の救済・保護・援助について、必要な法整備を行うこと。
  3. 人身売買の実態についての調査研究、学校教育、社会教育やメディア等を通じての人権教育・啓発・情報提供等を積極的に行い、被害の予防を図ること。
  4. 諸外国と連携を強化し、人身売買防止を推進すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第32号・消費者保護法制等の整備を求める意見書

 消費者問題が多様化、複雑化する中で、消費者が真の主役となり、適切な意思決定を行える環境の整備が必要なことから、先の通常国会において、消費者の権利の確立を柱とした改正消費者基本法が成立したことの意義は極めて大きいものがあります。

 国民生活審議会の消費者政策部会は、欠陥商品や悪徳商法等の被害などについて、不特定多数の消費者に代わって一定の消費団体が損害賠償等を求める消費者団体訴訟制度に関する検討委員会を立ち上げ、年内の報告書とりまとめを目指しています。

 消費者団体訴訟制度は、消費者の権利を守る重要な手段として、ドイツで制度化・普及し、EU(欧州連合)加盟国や、タイ、インドなどアジア諸国へも広まっています。規制緩和の進む我が国においても、明確なルールの下での自由な経済活動を保証しつつ、各種の係争の司法的解決をめざす事後チェック型社会へと移行していく中で、消費者団体訴訟制度の必要性が指摘されています。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、我が国の消費者の視点に立ち、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 改正消費者基本法を踏まえ、消費者団体訴訟制度の早期導入を図ること。
  2. 社会問題化している架空・不当請求について、携帯電話・預金口座の不正利用防止策等の対応に早急に取り組むこと。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第33号・地方交付税の財源保障機能の縮小反対と総額確保に関する意見書

 平成16年度を初年度とする三位一体改革は、地方交付税とその振替措置である臨時財政対策債が前年比で12%削減されるなど、地方財政に大きな打撃を与えました。

 政府の経済財政諮問会議は、平成18年度までの三位一体改革の全体像を本年11月中旬までに示すとしていますが、8月31日の会議では、民間議員から提案された地方交付税改革が審議され、実現可能性等についてワーキンググループを設けて検討を行い、再度、諮問会議に報告することになりました。

 しかしながら、民間議員による地方交付税改革案は、標準的な行政サービスを確保するための地方交付税について、その算定根拠となっている地方財政計画を根本的に見直すことにより、地方交付税総額を抑制し、財源保障機能を縮小するものであり、到底容認できません。

 もし、この方向が具体化されるならば、再び来年度予算での地方交付税等の大幅削減につながるだけではなく、三位一体改革の全体像は、地方交付税の縮小・削減を突出させ、地方財源は大幅に不足するものとならざるを得ません。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、地方交付税制度の改革に関して、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 地方交付税の財源保障機能を縮小することなく、地方交付税制度の財源調整、財源保障の両機能を堅持するとともに、内容の充実を図ること。
  2. 地方交付税の総額については、地方財政運営に支障をきたすことのないよう、その所要額を確保すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第34号・福岡県の本市に対する補助金の不公平な取り扱いを見直すよう求める意見書

 本市を中心とする北九州市域は、福岡県に対して平成14年度で約820億円の県税を支払っており、また、福岡市を中心とする福岡市域からは、福岡県の税収の約5割にあたる県税が納付されています。このことから福岡県における両市域の財政的役割は極めて大きなものとなっています。

 しかしながら、福岡県からの補助金のうち、乳幼児医療費支給事業や重度心身障害者医療費支給事業、母子家庭等医療費支給事業など医療・福祉関連の13事業については、県内の他市町村に対して補助金が交付されているにもかかわらず、政令指定都市である本市や福岡市は補助対象外であったり、補助率が低く設定されているなどの不利な取り扱いがなされています。

本市民も福岡県民として、県民税などの県税を支払っている以上、他市町村の住民と同等に福岡県のサービスを受ける権利を有しています。また、他県での政令指定都市に対する補助金の取り扱いと比しても、著しく不利な状況にあります。

 よって、本市議会は、福岡県に対し、医療・福祉に関する補助金の不公平な取り扱いを早急に見直すよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第35号・緊急地域雇用創出特別交付金の継続・改善を求める意見書

 長引く不況とリストラの進行によって雇用不安が拡大しており、年金・医療・介護などの社会保障制度の給付削減と負担増による生活不安も一層高まっています。

 こうした中、政府は、平成11年度から3年間、失業者就労事業として、緊急地域雇用特別交付金を実施し、さらに平成14年度からの3年間は緊急地域雇用創出特別交付金として、実質的に制度を継続しています。

 この緊急地域雇用創出特別交付金は、雇用期間が6カ月で予算も少額ではありますが、政府が実施してきた数ある雇用対策のなかで唯一実績をあげ、失業者のつなぎ就労としての役割を不十分ながらも果たしています。

 しかし、この交付金は平成17年3月に終了するにもかかわらず、政府はその後の対応策について明確な方向を示していません。

 緊急地域雇用特別交付金を実施した平成11年度に4パーセント台であった完全失業率は、現在では5パーセント台、完全失業者は350万人以上にのぼるなど、雇用・失業情勢が好転する状況にはなく、今後一層悪化することが予想されます。

 よって、本市議会は、政府に対し、緊急地域雇用創出特別交付金を、平成17年度以降も継続して実施するとともに、失業者の就労に役立つよう実施要綱や運用方法など、実施主体である地方自治体が運用しやすい制度に改善するよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第36号・介護保険制度及び障害者支援費制度の改正に関する意見書

 平成12年4月から導入された介護保険制度は、法律の規定に基づき施行後5年目の見直し時期を迎えています。

 また、障害者支援費制度は、施行初年度より財政上の問題は抱えつつも、利用の定着が進んでいます。

 介護保険においては、制度導入以降、従来潜在化していた社会的な要請が顕在化したこと、介護制度の周知、社会的な認識の高まりなどによって、制度開始時点では約218万人であった要介護認定者が平成15年12月には約376万人へと約7割増加していること、それに伴う介護保険財政が増大していること、また見直しを前提に実施された現行制度のあり方について、支援費制度においては、政府の見込みを超えた利用があったことから2年連続した財源不足が明らかになっており、それぞれ制度の改善は喫緊の課題です。

 しかし、制度改正の検討状況は、被保険者の対象年齢引き下げによる拡大や給付対象の縮小、利用料の引き上げ、障害者施策との統合等々が断片的に伝えられ、高齢者・障害者とその家族、関係者、国民の中に不安が広がっています。

 高齢社会となった日本の今後を豊かな社会とするには、介護保険を安心して利用できる制度へ改善すること、障害者施策においては自己の決定による自立が可能な制度の拡充が必要です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、介護保険制度及び障害者支援費制度の改正に当たり、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 制度改正を行うに当たっては、年金改正における混乱の経緯を踏まえ、適切な情報の開示とともに十分な議論を行うこと。
  2. 介護保険制度の改正に当たっては、保険料・利用料の低所得者向けの軽減制度を整備すること。
  3. 介護保険制度の改正に当たっては、グループホーム、特別養護老人ホームをはじめとする社会福祉基盤の整備を進めること。
  4. 高齢者の自立生活を支援するために、介護予防対策の拡充を図ること。
  5. 障害者福祉制度の推進に当たっては、活用の利便性を拡充するとともに、財政上の措置を行うこと。
  6. 社会福祉施策間の調整を図るに当たっては、関係者の意見を十分に反映し、制度の後退を生じさせないこと。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第37号・自殺者の遺族への精神的支援策の充実を求める意見書

 警察庁によると、昨年1年間の自殺者は過去最多の3万4,427人で、前年より2,284人増加し、6年連続で3万人を超えるという深刻な事態になっています。

 今後は、自殺者の動機を究明し、これを防止していくことが、急務となりますが、それと同時に、これまであまり取り上げられてこなかった遺族に対しても支援を充実する必要があります。

 悲嘆に暮れる遺族は、ぼう然自失のまま誰にも相談できず、地域からは腫れ物に触るように扱われ、人知れず転居したり、子どもの縁談に際し、心ない偏見に悩まされているような状況です。

最近は、各地で相談ボランティアなどが発足し活動している事例も見られますが、その数は少なく、国としての精神的ケアの必要性が叫ばれています。

 よって、本市議会は、政府に対し、増え続ける自殺の防止策を講じるとともに、自殺者の遺族を支えるための相談窓口を開設する等、精神的支援策を充実するよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第38号・容器包装リサイクル法の見直しを求める意見書

 家庭から出されるごみの約6割(容積比)を占める瓶、缶、ペットボトル、プラスチック等の容器包装ごみのリサイクル及び減量を目的として、容器包装リサイクル法が1997年4月に施行されました。この法律では、消費者はごみを分別して出すこと、市町村は分別収集し保管すること、事業者は再商品化することなどが義務付けられています。

 しかしながら、法律の施行に伴いリサイクル率は上がったものの、事業者の負担割合が総費用の約3割と低いことから、大量生産・大量使用・大量廃棄の構造は見直されず、ペットボトルをはじめ環境に負荷をかけるワンウェイ容器が急増する一方で、再利用できるリターナブル瓶が激減するなど、循環型社会に逆行する事態が生じています。

 また、最も費用のかかる分別収集や保管等が市町村の責務とされているため、市町村の負担割合は総費用の約7割に達し、リサイクルを行えば行うほど市町村の財政負担が増加していく構造となっています。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、容器包装リサイクル法において、事業者が製品の製造・流通だけでなく廃棄・処理・リサイクルまで責任を持つ「拡大生産者責任」の考え方を盛り込み、収集・分別・保管の費用を事業者の負担とするとともに、循環型社会形成推進基本法で明確にされているとおり、リデュース(発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)の優先順位でこれらを推進するために、リユースの目標値の設定をはじめ、容器課徴金制度やデポジット制度等の様々な経済的手法や規制的手法を盛り込むなど、循環型社会の形成をいっそう推進するため、容器包装リサイクル法の抜本的見直しを行われるよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第39号・自然災害による被災住宅本体への再建支援制度の確立を求める意見書

 自然災害によって被災した住宅を再建することは、被災者個人の生活基盤回復のためだけでなく、地域コミュニティの維持や街並み復興などまちづくりの観点からも重要です。平成7年に発生した阪神・淡路大震災においてその重要性が認識されて以来、全国各地で自然災害が発生するたびに、被災者や関係自治体・関係団体の間から、住宅再建支援制度の確立を求める声が強くあげられてきました。

 しかしながら、本年の通常国会で成立した被災者生活再建支援法の改正では、住宅本体への再建支援制度の創設は見送られ、居住安定支援制度の名のもとに、解体撤去費や家賃・借入金関係経費などいわゆる周辺経費に限定した制度創設にとどまりました。これでは、被災者の住宅再建意欲が喚起されないばかりか、地域社会の復興に役立つ真の住宅再建支援制度とはなり得ません。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、支援金の支給対象に被災住宅本体にかかる建築費・購入費・補修費等を含めるよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第40号・独立行政法人都市再生機構法に対する国会附帯決議の実現を要請する意見書

 旧都市基盤整備公団が本年6月30日をもって廃止され、旧公団住宅の管理は、7月1日に新たに設立・事業を開始した独立行政法人都市再生機構に引き継がれました。1955年(昭和30年)に設立された日本住宅公団によって始まった公団住宅制度はその後、住宅・都市整備公団(1981年設立)、都市基盤整備公団(1999年設立)と、組織の変更はありましたが、半世紀にわたって国の住宅政策の一つとして大きな役割を果たし、高度成長期に住宅に困窮する勤労者と都市住民に良好な公共住宅を供給するとともに、地域のまちづくりにも重要な貢献をしてきました。

現在全国には約77万戸の旧公団住宅があり、200万人が住んでいます。かつて日本の重工業地帯として発展した本市にも、50を超える旧公団団地(約1万1,000戸)が7区すべてに存在していますが、居住者は、その管理が独立行政法人に引き継がれたことに、今後も安心して住み続けられるのか、大きな不安を抱いています。

 2003年通常国会の衆参両院の国土交通委員会における独立行政法人都市再生機構法案の審議では、効率的な業務運営や経営基盤の強化、居住者の居住の安定等に関する附帯決議がそれぞれ全会派一致で付されたところです。

 よって、本市議会は、政府に対し、旧公団住宅の管理を独立行政法人に引き継いで事業を進めるに当たり、独立行政法人都市再生機構法に対する附帯決議事項を実現し、安心して住み続けられる住宅として良好に存続させ、旧公団住宅居住者の居住の安定を図られるよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第41号・地方分権推進のための国庫補助負担金等に関する改革の実現を求める意見書

 平成16年度の国の予算編成は、三位一体改革の名の下に、本来あるべき国・地方を通ずる構造改革とは異なり、国の財政健全化方策に特化されたものと受け取らざるを得ず、著しく地方との信頼関係を損ねる結果となりました。

 こうした中、政府においては、去る6月4日に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」が閣議決定され、三位一体改革に関連して、おおむね3兆円規模の税源移譲を前提として、地方公共団体からの具体的な国庫補助負担金改革を取りまとめることが要請されたところです。

地方六団体は、この要請に対し、去る8月24日、国と地方公共団体の信頼関係を確保するための一定条件を下に、地方分権の理念に基づく行財政改革を進めるため、税源移譲や地方交付税のあり方、国による関与・規制の見直しに関する具体例を含む「国庫補助負担金等に関する改革案」を政府に提出したところです。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、三位一体改革の全体像を早期に明示するとともに、地方六団体が取りまとめた今回の改革案と我々地方公共団体の思いを真摯に受け止められ、以下の前提条件を十分踏まえた上で、その早期実現を強く要請します。

  1. 国庫補助負担金改革のみを優先することなく、これに伴う税源移譲、地方交付税措置を一体的、同時に実施すること。
  2. 今回の国庫補助負担金改革は、税源移譲が確実に担保されること。
  3. 国庫補助負担金廃止に伴う税源移譲額が財源措置すべき額に満たない地方公共団体については、地方交付税により確実な財源措置を行うこと。

    また、地方交付税の財源調整、財源保障の両機能を強化するとともに、地方財政全体及び個々の地方公共団体に係る地方交付税の所要額を必ず確保すること。
     
  4. 廃棄物処理施設、社会福祉施設等は、臨時的かつ巨額の財政負担となる事業であることから、各地方公共団体の財政規模も考慮しつつ、地方債と地方交付税措置の組み合わせにより万全の財政措置を講じること。
  5. 税源移譲を伴わない国庫補助負担金の廃止、生活保護費負担金等の補助負担率の切り下げ、単なる地方交付税の削減等、地方への一方的な負担転嫁は絶対に行わないこと。
  6. 国庫補助負担金改革の意義を損ねるような類似の目的・内容を有する新たな国庫補助負担金等の創設を行わないこと。
  7. 地方財政対策、地方財政計画の作成に当たっては、的確かつ迅速に必要な情報提供を行うとともに、地方公共団体の意見を反映させる場を設けること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第42号・競輪事業のさらなる改革を求める意見書

 競輪施行者は、自転車競技法に基づき自転車その他の機械工業並びに体育事業及びその他公益事業の振興のために、必要な財源としての交付金、公営企業のための納付金を支出する等、収益の均てん化に寄与しながら、地方財政健全化のための財源確保に努めてきました。

 しかしながら、競輪事業の売り上げは年々減少し、全施行者のうち半数近くが赤字経営に追い込まれています。

 そのため、競輪施行者は新投票制度の導入や機械化の推進、施設の大規模改修など種々施策を講じ、ファン層の拡大や売り上げ増加を図る一方、従業員の人件費の削減をはじめとする経営の合理化・効率化を行い、開催経費の削減に努力を続けています。

 こうした中で、平成14年に「自転車競技法及び小型自動車競走法の一部を改正する法律」が施行され、日本自転車振興会に対する交付金がこれまでより軽減されましたが、この改正内容は、不十分といわざるを得ません。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、平成17年度末までに行われる日本自転車振興会の組織見直しの中で、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 日本自転車振興会に対する交付金のうち、1号交付金については自転車産業の振興事業に限定し、同2号交付金についてはこれを廃止すること。
  2. 自転車競技法第1条第6項第1号の、競輪に出場する選手及び競輪に使用する自転車の競走前の検査、競輪の審判その他の競輪の競技に関する事務(競技関係事務)を自転車競技会以外の他の地方公共団体、私人にも委託可能となるよう自転車競技法を改正すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第48号・食料・農業・農村基本計画の見直しに関する意見書

 現在、政府は、食料・農業・農村基本計画の見直しを進めており、来年の3月を目途に策定される新たな基本計画は、今後の我が国の食料・農業政策を大きく左右するものとなります。本年8月には、中間論点整理が出されましたが、重要課題として、1.担い手政策の在り方、2.品目横断的政策等の経営安定対策の確立、3.農地制度の在り方、4.農業環境・資源保全政策の確立が示されたものの、最大の課題である食料自給率の向上策は明確に示されず先送りされています。

 一方、WTO(世界貿易機関)農業交渉は、本年8月に枠組み合意が採択され、具体的な数値などは今後の交渉に委ねられましたが、農産物輸出国から出されている要求は、我が国の農業への打撃はもとより、食料の安全・安定、環境などにも大きな影響を与えるものです。また、東南アジア各国とのFTA(二国間自由貿易協定)交渉においては、工業製品の輸出自由化のために、農業分野が大幅な譲歩を強いられることが懸念されています。

 これまで、規模拡大・効率化一辺倒の農業政策を進めてきたことが、BSEなどの食の不安を引き起こしているとも言われており、食の安全や環境問題などに配慮した施策への転換が必要です。

 よって、本市議会は、政府に対し、基本計画の見直しに当たっては、我が国の農業の再生・発展のため、食料自給率の引き上げとともに、食の安全・安定に結びつく施策を展開するよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第49号・高齢者虐待防止法の制定を求める意見書

 高齢化が世界有数のスピードで進む我が国では、高齢者に対して必要な介護を放置したり、家庭や施設内で暴力をふるったりするなどの虐待が深刻化しています。

 しかし、高齢者への虐待は表面化しづらく、これまで家庭や施設内の問題として見過ごされてきており、児童虐待に比べ法整備などの対策も遅れているのが現状です。

 虐待の背景には、限界を超える介護へのストレスや複雑な家庭内の人間関係なども含まれており、虐待を自覚していない家族も多く、介護家族を含めた精神的なケアが不可欠であるとの指摘もあります。

 また、厚生労働省が昨年初めて実施した、家庭内での高齢者虐待に関する全国調査によると、生命にかかわる危険な状態に至る事例が1割に上るという深刻な実態が浮き彫りになる一方、虐待に気がついたケアマネジャーの9割が対応は困難と感じていることも明らかになりました。

 この結果からも、高齢者虐待の定義を明確にすることをはじめ、虐待防止と早期保護への具体的な仕組みづくりが急務であることが確認されたところです。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、地域社会全体として高齢者の人権を守る体制を充実させ、虐待防止のための具体的な対策を早急に実現するため、次の措置を踏まえ、高齢者虐待防止法を制定するよう強く要請します。

  1. 相談窓口の設置と、早期発見のための通報システムを確立すること。
  2. 高齢者を虐待者から切り離す緊急保護のための一時保護施設等を整備すること。
  3. 関係機関や家族のネットワークづくりを推進すること。
  4. 施設職員や関係者への虐待防止教育を実施すること。
  5. 高齢者虐待防止に関する国民への教育・啓発を推進すること。

以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第50号・大規模災害の対策と早期復旧に関する意見書

 今年の日本列島は、新潟県中越地震の発生や観測史上最多を数える台風の上陸など、近年まれにみる大規模な災害に見舞われました。

 この一連の災害によって全国各地で多数の死者・行方不明者や、住宅損壊・浸水、農林水産業用施設や農作物、港湾施設等の公共施設等への被害など甚大な人的・物的被害がもたらされ、住民生活と地域経済に大きな影響を及ぼしています。

 この深刻な事態に対し、政府として速やかな応急措置と復旧対策を講じるとともに、これまでの大規模災害についての対策を総点検し、災害発生の原因や治水計画、防災・地震対策の検証を進め、抜本的対策を早急に講じることが必要です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、被災地のライフラインの復旧並びに、被災者への支援にいっそう力を注ぐとともに、国民を災害から守るため、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 建物の耐震構造化推進の重要性を強く認識し、地震防災策の見直しを行うこと。特に、避難所や救援活動の拠点となる学校や病院の耐震化には早急な対策を講じること。
  2. 都道府県管理区間の中小河川の堤防改修に際しては、緊急点検結果に基づき、優先的に整備を進めるとともに、海岸及び湾岸の水防施設も同様に堤防等の総点検を速やかに実施し、整備を進めること。
  3. 今回の新潟県中越地震の教訓を生かし、国土の7割を占める中山間地での震災対策の確立を早急に図るとともに、災害関連緊急治山事業を速やかに実施すること。
  4. 防災無線の整備、洪水ハザードマップの策定に関し、早急な普及のための計画策定と予算措置を行うこと。また、市町村長に対する警戒情報の発令基準及び避難誘導マニュアルの策定を急ぐこと。
  5. 高齢者等の要援護者への対策を推進するため、災害情報の伝達・避難・救助・復旧・自立支援等に関し、対処マニュアルの策定を急ぐこと。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第51号・新潟県中越地震による被災者支援に関する意見書

 新潟県中越地震が起きてから1カ月が経ちました。震度7という激烈な本震にとどまらず、強い余震が繰り返し起き、被害を拡大し、現在も約5,000人が避難生活を強いられています。また、自宅に戻った人も「雪が積もったらどうなる」と不安を感じています。

 新潟県のまとめによると、11月22日現在、死者40人、重軽傷者2,859人、家屋の全壊2,515棟、陥没・地割れなど道路被害6,062カ所、がけ崩れ等442カ所に上り、被害額は小千谷市内だけで同市の一般会計の13倍に当たる2,132億円、県全体では3兆円にもなると試算されています。

 被災者の困難な状況を改善し、地域の復興を図るためには、この地域が豪雪地帯であること、また、それゆえ、支え合いの生活で成り立っている地域であること、高齢化率が大変高い地域であることを前提に、実態に即した支援を行うことが必要です。

 よって、本市議会は、政府に対し、被災者の支援に当たっては、次の措置を講じるよう強く要請します。

  1. 避難生活による健康悪化を防ぐために医療・保健体制を強化すること。
  2. 希望者全員が入れる仮設住宅を速やかに建設するとともに、その際、地域コミュニティを維持するよう配慮すること。
  3. 被災者生活再建支援法を改正して、住宅本体の再建への公的支援を実現し、支給額の上限を大幅に引き上げること。
  4. 地元経済を支える繊維、機械、農業、養鯉業、観光業などの復興のための公的支援を行うとともに、被災業者と農家などに、無担保・無利子の緊急融資を行うこと。
  5. 地域医療の拠点となってきた医療機関を再建すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

第52号・人権侵害の救済に関する法律の制定を求める意見書

 平成14年3月に国会に提出された人権擁護法案は、人権擁護推進審議会の人権救済制度の在り方についての答申を踏まえ、人権侵害の被害者を援助する仕組みとして人権救済手続を整備するとともに、その担い手として人権委員会を中心とする人権擁護のための組織体制を整備するものでした。

 しかし、この法案は、各国が人権機関を設置する際の原則として国連で採択されたパリ原則に合致しないとして、国内外からの抜本修正を求める世論が高まる中、平成15年10月の衆議院の解散により廃案となりました。

 しかしながら、今日の人権侵害の状況をみると、熊本県における元ハンセン病患者に対する宿泊拒否事件や同和地区出身者への差別行為、人権侵害情報のインターネット掲示問題など、悪質な人権侵害や差別事件が後を絶たないことから、人権侵害救済のための法整備は急務の課題です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、21世紀を真の人権の世紀にするため、また、憲法に保障された基本的人権を確立するためにも、パリ原則に基づき、政府からの独立性、社会の多元性や多様性を反映し、実効性のある人権委員会の設置などを明確にした人権侵害の救済に関する法律を早期に制定するよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

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