現在、個人情報保護に関する法整備とともに、行政機関等においても、より適切な個人情報の保護を図ることが喫緊の課題となっています。
特に、2005年4月から個人情報の保護に関する法律が全面施行されたにもかかわらず、戸籍の公開制度を悪用して、他人の戸籍謄抄本を不正取得、不正利用する事件が相次いでおり、戸籍法に対する国民の不満や不安が高まっています。
そうした状況を背景に、戸籍法の見直しを検討してきた法務大臣の諮問機関である法制審議会の戸籍法部会は、昨年12月、戸籍法改正の要綱案をまとめました。
同案は、交付請求者の本人確認をすることや、第三者による戸籍謄抄本の交付請求について、正当な理由があると認めた場合に限って交付できると制限すること、また、弁護士などの資格者による請求についても、依頼者名と具体的理由を明示するという条件を付与することなど、これまでの原則公開から原則非公開へ変えるものです。
戸籍は、個人の身分事項や家族関係などの情報が含まれているにもかかわらず、公証のために原則公開とされてきました。しかし、不正請求や不正利用を防止し、プライバシーを保護する観点から、早急に戸籍の公開制度を見直すとともに、不正に対する罰則を強化するべきです。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、戸籍法改正を早期に実現し、戸籍の公開制度の見直しと、不正請求や不正利用に対する罰則の強化を強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。