11月26日、小倉北区の住宅街で発砲事件が起き、一市民が銃撃され、射殺されるという事件が発生し、市民を大きな不安に陥れている。
本市では、昭和39年に暴力追放都市宣言を行って以来、官民一体となって積極的に暴力追放に取り組んできた。本市議会においても、市民が安心して生活できるまちづくりを推進するため、機会あるごとに暴力追放に関する決議を行ってきた。
また、昨年7月からは、北九州市暴力団排除条例を施行して、市民一丸となり、暴力追放の取組を強力に進めてきたところである。
それにもかかわらず、今年に入ってから、福岡県内において全国最多の18件に上る発砲事件が発生し、その内、本市では3件の事件が発生している。
特に今回は、銃撃により命が奪われるという、極めて凶悪、卑劣な犯行である。こうした犯行は安心で平穏な市民生活を著しく脅かすばかりか、民主主義に対する重大な挑戦であり、断じて許すことはできない。
こうした暴挙は、本市が長年にわたって培ってきた安全で快適な都市というイメージを失墜させるものであり、観光産業や企業誘致などにも多大な影響を与えることが強く懸念される。
よって、本市議会は、警察当局に対して一刻も早い事件の真相究明を求めるとともに、このような凶悪な暴力犯罪行為に対しては強い憤りを持って抗議し、市民が一丸となって、「暴力のない明るく安心して暮らせる北九州市」の実現に向け、全力を挙げて邁進することを表明する。
以上、決議する。
意見書・決議(議員提出議案第52号~第60号・委員会提出議案第1号~第2号)
議員提出議案第52号・暴力追放に関する決議
議員提出議案第53号・サイバー攻撃からの情報保全対策に関する意見書
衆議院、参議院及び政府機関を狙ったサイバー攻撃が明らかになり、サイバー攻撃に対する国民の不安はこれまでになく高まっています。
我が国の重要な情報がサイバー攻撃で海外に流出することは、国益に大きな影響があり、政府が一体となってサイバー攻撃からの情報保全対策を構築することが求められています。
特に現在、不定期開催となっている情報セキュリティ政策会議を定期開催することや、情報保全の危機分析、内外情勢分析及び諸外国の政策動向等を定期的に国会に報告することで、我が国の情報保全対策に対する決意を内外に示すこととなります。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、サイバー攻撃に対する国民の安心及び安全を守るために、次の措置を講じることを強く要請します。
1 国家としての安全保障の観点から、情報保全の基本戦略を早急に構築すること。
2 防衛省は我が国の防衛調達に関する情報管理及び保秘体制を強化すること。
3 政府は重要な社会基盤に対するサイバー攻撃の可能性を評価及び検証し、地方自治体に対するサイバー攻撃対策についても、早急に戦略を構築すること。
4 民間の優れた人材の技術を活用し、官民一体となった情報保全対策を構築すること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第54号・防災会議に女性の視点を取り入れることを求める意見書
国の防災基本計画には、2005年に「女性の参画・男女双方の視点」が初めて盛り込まれ、2008年には「政策決定過程における女性の参加」が明記されました。この流れを受け、地域防災計画にも女性の参画・男女双方の視点が取り入れられつつありますが、具体的な施策にまで反映されているとは必ずしも言えません。
中央防災会議の「東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会」が、本年9月28日に取りまとめた報告においても、防災会議へ女性委員を積極的に登用し、これまで反映が不十分であった女性の視点を取り入れることへの配慮が盛り込まれています。
よって、本市議会は、政府に対し、防災会議に女性の視点を反映させるため、速やかに次の措置を講じるよう強く要請します。
1 中央防災会議に少なくとも3割以上の女性委員を登用すること。
2 地方防災会議へ女性委員を積極的に登用するため、都道府県知事や市区町村の長の裁量により、地方防災会議に有識者枠を設けることを可能とする災害対策基本法の改正を速やかに行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第55号・国民生活の安心と向上を図る各種基金事業への財政措置の継続を求める意見書
安心に暮らせる社会を構築するため、医療や介護の充実及び子育て支援の強化などを図る各種の基金が設けられ、地方自治体における取組に対して国からの支援が行われてきました。しかし、こうした基金への国からの財政措置の多くが今年度限りで終了します。
特に、次に掲げる基金については、多くの関係者から以下のとおり事業継続を求める声が上がっています。
よって、本市議会は、政府に対し、国民生活の安心と向上を図る上から、以下の各基金への財政措置を継続するよう強く要請します。
1 子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金への財政措置は、子宮頸がん予防ワクチン、Hibワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチン接種について予防接種法の対象疾病に位置付ける法改正が実現するまで継続すること。
2 安心こども基金及び妊婦健康診査支援基金は、政府が新たに創設する子ども・子育て新システムの中で対応するとしているが、いまだ具体的な中身が明らかになっていないことから、当面は基金を継続させるよう財政措置をとること。
3 介護職員処遇改善等臨時特例基金は、介護職員の処遇改善は極めて重要な課題であるため、既存の基金を積み増しし着実に賃金引上げなどに充てられるよう財政措置の継続及び充実を図ること。
4 障害者自立支援対策等臨時特例基金は、来年度以降も、事業所支援やグループホーム等の設置補助などが必要であるため、基金への財政措置を継続し、柔軟な支援を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第56号・介護保険に関する意見書
本年6月15日に介護保険法が改正され、各自治体では来年4月の実施に向けた介護事業計画の策定が進められています。
こうした中、本年10月31日に厚生労働省は、「社会保障・税一体改革における介護分野の制度見直しに関する論点」を社会保障審議会介護保険部会に提示しました。その内容は、年収320万円以上の所得のある高齢者について、介護保険サービスの利用料を現在の1割から2割へ倍増するものです。また、特別養護老人ホームなどの介護保険施設の相部屋に入所している者について居住費を値上げすることや、施設の居住費を軽減する補足給付を受けている者が家などの資産を持つ場合は負担増を求めるなど、大幅に利用者の負担を増加させることなどが検討課題として挙げられています。
今回の提案は、介護職員処遇改善交付金が今年度末で廃止されるため、介護職員報酬の処遇改善措置を引き続き行うための財源を確保しようとするものです。
提案されている内容は、昨年、厚生労働省が社会保障審議会介護保険部会に提案した内容がほとんどです。委員の強い反対を受けたものもあり、これを再び提案することは、これまでの審議会や国会の議論を形骸化するおそれがあります。
年金生活の高齢者にとって、厚生労働省が試算として示した、月額5千円超、夫婦で1万円超の保険料は、重過ぎる負担です。利用料を含め、限界に達している高齢者負担を軽減するために各界が強く公的負担の引上げを求めています。
よって、本市議会は、政府に対し、高齢者への負担を増やすのではなく、国の責任で介護職員報酬を確保すること、及び、介護保険事業の検討に当たっては、介護現場の実態や関係者の声などを十分に反映することを強く要請します。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第57号・円高から中小企業を守る対策を求める意見書
欧州経済の混乱や米国経済の低迷などを原因として、かつてないほどの円高になっています。現下の円高による経済情勢は、震災に続く新たな試練とも言える異常事態であり、政府が総力を挙げて取り組むべき喫緊の課題と言えます。
このまま円高を放置すると、我が国の製造業等に深刻な影響を与え、企業の国際競争力の低下から、特に中小企業の経営悪化や雇用の喪失、更には国内産業の空洞化が予測されます。
政府は本年10月、円高対策を閣議決定し、第3次補正予算には資金繰り支援などの中小企業対策を盛り込みましたが、円高が長期化する懸念がある中、中小企業の損失を最小限にするためにも、更なる具体策を迅速かつ適切に実施するべきです。
よって、本市議会は、政府に対し、円高から中小企業を守る対策として、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 雇用対策及び地域雇用の創出策として、緊急雇用創出事業臨時特例基金及びふるさと雇用再生特別基金を積み増し、事業を延長すること。
2 円高関連倒産の大半を占めている、通貨デリバティブ(金融派生商品)による損失に対し、相談体制の整備や金融ADR(裁判外紛争解決制度)の活用を促す指導等、対策を強化すること。
3 負担転嫁やダンピング防止など、下請けいじめの監視・防止策を強化すること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第58号・鳥獣被害防止対策の充実を求める意見書
近年、野生生物による農作物の被害は、深刻な状態にあり、その被害は経済的損失にとどまらず、農家の生産意欲を著しく減退させ、ひいては農村地域社会の崩壊を招きかねないなど、大きな影響を及ぼしています。
野生鳥獣による農作物被害額は、平成21年度において約213億円で、前年度に比べて約14億円増加しています。鳥獣被害全体の約7割がイノシシ、シカ及びサルによるもので、農作物の被害にとどまらず、山林の荒廃を招き、豪雨時の土砂流出被害にもつながっているとの指摘もあります。
このような状況を踏まえ、国においては平成19年12月に、議員立法により、鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止のための特別措置に関する法律が成立しました。これに基づき、鳥獣被害防止総合対策交付金の支給、地方交付税の拡充及び都道府県から市町村への捕獲許可の権限委譲など、各種支援の充実が図られました。
しかしながら、生息域の拡大を続ける野生生物による被害防止を確実なものとするためには、ハード・ソフト両面による地域ぐるみの被害防止活動、地域リーダー及び狩猟者の育成並びに被害農家へのより広範な支援などの対策の強化が不可欠です。
また、野生生物の保護及び被害防止対策のための適切な個体数管理の上からも、正確な頭数の把握は欠かせませんが、その調査方法はいまだ十分なものとは言えず、早期の確立が望まれます。
よって、本市議会は、政府に対し、鳥獣被害防止対策の充実を図るため、速やかに次の措置を講じるよう強く要請します。
1 地方自治体が行う被害防止施策に対する財政的な支援を充実すること。
2 現場では有害鳥獣対策についての専門家が不足していることから、専門的な知識や経験に立脚した人材の養成及び支援策を講じること。
3 有害鳥獣の正確な生息数の把握ができる調査方法を確立すること。
4 効果的な野生鳥獣被害防止対策を構築すること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第59号・災害に強い日本の構築に向けた社会資本整備を求める意見書
東日本大震災発生から8か月が経過した今もなお、被災地の復旧・復興は遅々として進まず、多くの被災者が困難な生活を余儀なくされています。
今後、本格的な復旧・復興へ向けては、物流インフラの復旧及び上下水道や学校施設等公共施設の復旧などへの重点的な投資が求められています。
一方、大震災を受けて、多くの地域で災害対策の在り方が見直される中、災害に強いまちづくりのための集中的かつ計画的な社会資本整備が求められています。
今後、被災地の本格的な復旧・復興と併せて、地震や津波等の自然災害に対する防災・減災対策としての社会資本の整備及び学校施設の耐震化の着実な実施など、災害時を想定した国民の生命・財産の保護につながる社会資本の整備に対する公共投資については、地域のニーズを踏まえつつ、国の責任として積極的に進める必要があります。
よって、本市議会は、政府に対し、災害に強い日本の構築に向けて、地震や台風などの災害から国民の安全・安心を守ることができる必要な社会資本の整備を推進するため、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 東海・東南海・南海地震の影響が想定される地域の中で、高規格幹線道路等の未整備の部分(ミッシングリンク)の解消をはじめ、幹線道路ネットワークを構成する道路を優先的に整備すること。
2 学校施設の防災機能を向上するための環境整備の充実を図りつつ、公立学校の耐震化を加速度的に推進すること。
3 公共施設や社会資本の維持・管理など計画的な老朽化対策を推進すること。
4 地盤の液状化による災害を抑制するための技術的ガイドラインを早急に作成するなど、宅地被害対策の強化を図ること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
議員提出議案第60号・原子力発電所の警備に関する意見書
今般の東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故は、国際社会に大きな衝撃を与えました。原子力発電所の安全対策は自然災害のみならず、テロへの対策も重要であることは言うまでもありません。
特に現在、収束に向けた努力が続けられている福島第一原子力発電所に対して、テロ組織等が攻撃を企てると、不安定な状態となっている原子炉から大量の放射性物質が放出される可能性もあり、厳重な警備体制が必要とされています。
しかしながら、我が国の法体系及び警備体制は十分とは言えず、原子力発電所を含めた重要施設の警備についても、国家として確固たる意志を示さなければ、テロリストの標的となり、国民の生命及び財産を危機にさらす可能性があるものと考えます。
よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の措置を早急に講じることを強く要請します。
1 成田国際空港警備隊を参考に、警察に新たに原発等警備隊を創設するなど、警備体制の充実を図ること。
2 自衛隊の任務に原子力発電所関連施設等の警護を加える自衛隊法の改正を行うこと。
3 海上からの攻撃に対処するため、海上保安庁と海上自衛隊の連携を強化すること。
4 警察及び自衛隊と周辺自治体を加えた防護訓練を実施すること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
委員会提出議案第1号・肝炎患者に対する医療費の助成を求める意見書
我が国のB型肝炎ウイルス及びC型肝炎ウイルスの感染者は350万人以上と推定され、その感染経路は不適切な医療行為などによるものであり、本人が気付かないうちに感染し、肝硬変や肝がんに移行する恐れのある深刻な病気です。
昨年1月の肝炎対策基本法の施行に伴い、厚生労働大臣は肝炎対策の総合的な推進を図るため、同年6月から肝炎対策推進協議会を開催し、本年5月に肝炎対策の推進に関する基本的な指針が策定されました。
協議会では、肝炎対策の推進を図る施策について検討され、肝炎検査の実施体制や肝炎医療を提供する体制など、平成23年度から実施されることとなったものもあります。
しかし、肝炎患者が最も強く求めてきた、肝硬変及び肝がん患者を含む肝炎患者の医療費の支援の拡大などは、今年度予算で実現されませんでした。
肝炎患者は、重篤者と高齢者が増加しており、特に肝硬変や肝がんに進行した患者は根治的な治療法がないまま療養費に苦しみ、生活の基盤も失うなど困難な状況になっており、一刻も早い支援の拡充が求められています。
よって、本市議会は、政府に対し、肝炎患者の救済のための早期の対応を実施するため、次の措置を講じるよう強く要請します。
1 肝硬変及び肝がん患者に対する医療費助成を含む支援の在り方を早急に検討すること。
2 身体障害者手帳の交付の認定基準の緩和を早急に検討すること。
以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。
委員会提出議案第2号・東芝北九州工場を閉鎖する方針の撤回を求める決議
本年11月30日、株式会社東芝が北九州工場の閉鎖を発表した。
突然の同工場閉鎖の発表は、従業員はもちろん、地元政財官界をはじめ、多くの市民に大きな衝撃と驚きを与えた。
東芝北九州工場は、1920年に東京電気(現東芝)小倉工場として操業を始め、90年を超える長きにわたり北九州地域の発展とともに歩み、1990年代には約1,800人の従業員を抱えるなど、先端技術産業の象徴となり本市を代表する企業の一つとして地域経済に大いに貢献してきた。ものづくりのまちである本市の経済を支えてきた歴史ある同工場に対し、市としても深く感謝している。
最近では、同工場は、電子機器の小型化・高性能化に必要な半導体分野、なかでも発光ダイオード(LED)などの光半導体の製造拠点として発展してきており、環境モデル都市としての発展を目指し、環境産業の振興を強力に進める本市としては、同工場に重要な役割を期待していたところである。
特に現在、本市は福岡県及び福岡市と共同で、国の「グリーンアジア国際戦略総合特区」の申請に当たっては、特区構想の中に同工場を加え、LED拠点化に向けての各種支援が受けられるよう準備を進めてきたところである。
今回の発表は、長引く経済不況、異常とも言える円高、本年3月の東日本大震災などの企業を取り巻く厳しい環境を背景にしてのものであることは理解できないではないが、一方、約530人の従業員の雇用の喪失、市内産業の空洞化、市内取引企業の約80社を含め数多くの関連企業への影響などを考慮すると、同工場の閉鎖が地域経済に与えるインパクトは極めて大きい。ひいては、市民の経済生活に対して深刻な影響が及ぶ。
よって、本市議会は、北九州地域の産業経済の維持、発展のため、東芝に対して、東芝北九州工場を閉鎖する方針の撤回を強く要望する。
以上、決議する。
このページの作成者
市議会事務局政策調査課
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