令和7年度一般会計予算案においては、「すしの都課」という新たな部署を立ち上げ、寿司をフックとしたインバウンド等の対策事業として1,400万円の予算が計上された。本事業は、寿司店を注目の対象とし、訪日外国人観光客を誘致した上で、他の飲食店への周遊を促進し、将来的には「美食の都」を目指すという方向性が示されており、これについては理解を示すものである。
しかしながら、一つの食文化だけを前面に出した観光振興策では、本市の豊かで多様な食文化の総合的な振興につながらないおそれがある。また、「美食の都」を標榜するのであれば、単発的な事業の実施ではなく、体系的かつ継続的な食文化振興策が求められる。
本市には、かつて「食の魅力創造・発信室」が設置され、地域の食文化を総合的に振興する体制が整備されていたが、現在はその機能が分散している状況にある。今後、本市が真に「美食の都」として発展するためには、寿司のみならず、中長期的に本市の食文化全体を広く、強く訴求することでブランドを確立し、観光振興や地域経済活性化を総合的に推進する専門部署の設置が必要である。
よって、本市議会は、今回の「すしの都課」関連予算案を認めるものの、今後の予算編成に当たっては、食に関する専門部署を設置するなど、本市の食文化を総合的に振興する体制を整備するよう強く要望する。
以上、可決に当たっての付帯決議とする。