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意見書・決議(議員提出議案第2号、5~11号)

更新日 : 2025年3月26日
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議員提出議案第2号・令和7年度北九州市一般会計予算のうち「すしの都課」関連予算に対する付帯決議

 令和7年度一般会計予算案においては、「すしの都課」という新たな部署を立ち上げ、寿司をフックとしたインバウンド等の対策事業として1,400万円の予算が計上された。本事業は、寿司店を注目の対象とし、訪日外国人観光客を誘致した上で、他の飲食店への周遊を促進し、将来的には「美食の都」を目指すという方向性が示されており、これについては理解を示すものである。

 しかしながら、一つの食文化だけを前面に出した観光振興策では、本市の豊かで多様な食文化の総合的な振興につながらないおそれがある。また、「美食の都」を標榜するのであれば、単発的な事業の実施ではなく、体系的かつ継続的な食文化振興策が求められる。

 本市には、かつて「食の魅力創造・発信室」が設置され、地域の食文化を総合的に振興する体制が整備されていたが、現在はその機能が分散している状況にある。今後、本市が真に「美食の都」として発展するためには、寿司のみならず、中長期的に本市の食文化全体を広く、強く訴求することでブランドを確立し、観光振興や地域経済活性化を総合的に推進する専門部署の設置が必要である。

 よって、本市議会は、今回の「すしの都課」関連予算案を認めるものの、今後の予算編成に当たっては、食に関する専門部署を設置するなど、本市の食文化を総合的に振興する体制を整備するよう強く要望する。

 以上、可決に当たっての付帯決議とする。

議員提出議案第5号・性犯罪の再犯防止の取組への支援の強化を求める意見書

 性犯罪をした者に対して、矯正施設等において再犯防止プログラム等が実施されていますが、出所後も地域社会において継続することが重要です。

 令和5年3月、法務省は自治体向けに「性犯罪の再犯防止に向けた地域ガイドライン~再犯防止プログラムの活用~」を策定し、このガイドラインを踏まえ、性犯罪の再犯防止に都道府県等が主体となって取り組むことが期待されています。

 性犯罪をした者の矯正施設等の出所後の住所等については、法務省から情報提供を受けて都道府県等が把握する仕組みはなく、実際に当事者に対して直接再犯防止の取組を行うことは困難であるため、一部の府県では、18歳未満の子どもに対して性犯罪をした者に、矯正施設等を出所する際に住所等の届出を求める条例を制定し、届けられた情報を基に、カウンセリングなどの再犯防止・社会復帰支援を行っています。

 こうした条例に基づく届出の仕組みがなくとも各自治体が再犯防止の取組を効果的に進めるためには、国、自治体、関係機関等の連携や性犯罪をした者に係る情報の共有が極めて重要であり、国からのより一層の支援が不可欠です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 性犯罪をした者に対し、矯正施設等を出所した後も自治体による再犯防止プログラムなどを受ける意義について啓発を図ること。

2 再犯防止プログラムなどへの参加につなげるため、性犯罪をした者が矯正施設等を出所する際に、当事者の住所等を任意で国に届け出る仕組みをつくり、届けられた情報を各自治体に提供すること。

3 自治体では、性犯罪の再犯防止に必要な知識や技術を十分に有していないことから、再犯防止に係る人材の育成について支援すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第6号・若者の政治参加を促進する抜本的改革を求める意見書

 我が国の被選挙権年齢は、公職選挙法により衆議院議員、地方議会議員及び市町村長については満25歳以上、また参議院議員及び都道府県知事については満30歳以上と規定されています。この被選挙権について、最高裁判所においては、被選挙権は選挙権と表裏一体の関係にある重要な権利であり、被選挙権(立候補の自由)は「憲法第15条1項の趣旨に照らし、基本的人権の一つとして、憲法の保障する重要な権利である」(最大判昭和43年12月4日)との見解が示されています。

 我が国では、成人年齢及び選挙権年齢である満18歳になると、親の同意なしに会社を設立し代表取締役に就任することが可能となり、また、裁判員や検察審査員として重大な刑事事件等にも関与することが出来るにも関わらず、被選挙権年齢は満25歳以上となっています。

 一方でOECD加盟国では、下院での被選挙権年齢は満18歳以上が23か国、60.5パーセントと最も多くなっており、日本の衆議院のように満25歳以上というのは、5か国、13.2パーセントと少数派となっているのが現状です。また、選挙権年齢と被選挙権年齢を満18歳以上と統一している国も過半数を超えています。

 全国町村議長会からは、近年の地方議員選挙における無投票や定数割れの団体数の増加傾向がこのまま続くと仮定した場合、次の統一地方選挙までには全体の3分の1を超える34.1パーセントの議会が無投票になる可能性があるとの見解が示されています。このような状況を打開するために、被選挙権年齢引下げ等の対策が求められています。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、様々な権利が得られると同時に相応の義務を負うことになる成人年齢との均衡や、選挙権年齢と被選挙権年齢を一致させている国際的な潮流を踏まえ、若者の政治参画を促進するため、立候補時の年齢に応じた供託金の見直しや地方議会議員の報酬の在り方、さらには、若者団体の活動継続に必要な支援の在り方等について抜本的な改革を行うことを強く要請します。

 以上、地方自治法第99条に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第7号・我が国の主食である米の価格と供給の安定を求める意見書

 米は我が国の主食です。

 主食である米の確保は、国民の命を守る正に安全保障上の最優先課題であり、100パーセント国産で賄っていなければ有事の際に国民の生きる術が絶たれることになります。

 2024年に発生した、令和の米騒動と呼ばれる米不足による急激な米価の高騰は、ただでさえ円安による灯油やガソリンなどのエネルギー価格高謄や、戦争などによる小麦などの価格高騰もあいまって日本全体に深刻な影響を与えました。

 米価高騰の背景は生産量の減少もありますが、インバウンドなどによる需要の増加、それに加えて転売業者や個人等による買占めによって需要と供給のバランスが崩れ、米不足に陥ったことにより販売価格の値上がりにつながったとされています。

 これは国の減反政策で生産力を落とし続けた結果でもあり、我が国の主食である米が不作や突発的な需要増、ましてや買い占めて転売するという投機目的による米不足で価格が高騰するという極めて危険な状況になっていることは非常に憂慮すべき事態であり、このような状況で国民が困窮することなど決してあってはなりません。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、我が国の主食である米の十分な生産体制を構築することで価格と供給の安定を図ることを強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第8号・訪問介護の基本報酬引下げの早急な見直しなどを求める意見書

 介護報酬の改定に当たっては、全ての介護事業者のサービスが安定的に提供されるとともに、介護従事者の賃金が改善することによって生活が安定し離職が防止されることに配慮がなされなければなりません。

 しかし、政府は令和6年度の介護報酬改定において訪問介護の基本報酬を引き下げました。これにより、小規模な訪問介護事業所の倒産や人手不足に拍車がかかり、訪問介護サービスが受けられなくなるサービス利用者や介護離職が増加するおそれがあります。

 東京商工リサーチの調査によると、令和6年の訪問介護事業者の倒産は81件と昨年の67件を上回り過去最多となりました。特に小規模事業者の倒産が相次いでいます。また、厚生労働省の令和5年度介護事業経営実態調査では訪問介護事業所の36.7パーセントが赤字経営であることも分かっています。そもそも介護事業所は、人手不足と物価高騰等により、厳しい経営を強いられています。特に、移動が必要な訪問介護には、移動時間が直接的には介護報酬の算定対象とはならないことや、ガソリン価格高騰等の影響を受けるといった特殊な事情があります。

 厚生労働省は、訪問介護の処遇改善加算について高い加算率を設定したと説明していますが、運営資金につながる基本報酬を下げてしまえば、小規模な事業者の経営の厳しさに拍車がかかることは明白です。また、厚生労働省は処遇改善加算を取りやすくしたと説明していますが、上位の加算要件は厳しいため、小規模事業者が取得することは困難です。

 訪問介護の基本報酬の引下げによって、将来的には地域包括ケアシステムが崩壊し、介護保険制度による「介護の社会化」に逆行する事態が起きかねません。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、以下の事項を速やかに実施するよう強く要請します。

1 訪問介護の基本報酬引下げの見直しを含めた介護報酬の改定を行うこと。

2 処遇改善加算率の引上げ及び処遇改善加算が取得できない事業所に対する加算基準の緩和を実施すること。

3 介護報酬改定は、単に介護事業経営実態調査に基づくサービス全体の収支差率で判断せず、事業規模や地域の実態を踏まえた収支差率を十分に考慮して判断すること。

4 訪問介護事業所の経営難の原因の1つになっている人手不足を解消するため、介護従事者の更なる処遇改善を行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第9号・子どもが虐待を受けた際、迅速に一時保護を受けることができる体制整備を早急に進めることを求める意見書

 親から虐待を受けた子どもが児童相談所で保護されることなく、命を落とすような悲劇がなくなりません。

 子どもを親から引き離す一時保護については、親権者と児童相談所の間でトラブルになりやすく、児童相談所の保護に至る前に虐待死やけがを負うようなケースが後を絶たない状況です。

 一方で、我が国でも締結・批准している児童の権利に関する条約では、父母の意に反して子どもをその父母から分離する場合には、司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従うことを求めており、分離する際には、より一層の判断の適正性の確保や手続の透明性の確保が必要であることも事実です。

 このため、本年6月から、児童虐待の疑いのある子どもがいた場合、一時保護開始の判断に関する司法審査の制度が開始されます。

 しかし、この司法審査に関しては、児童相談所の事務手続にかかる負担が非常に大きいとの声があります。新聞報道によれば、各地の児童相談所が、この司法審査に係る制度を試行したところ、裁判所に一時保護状を1件請求するまでに新たに必要となった主な作業時間について、8時間以上もの時間を要したとのことです。また司法審査の対象となる一時保護の件数は、年間3,000件を超えるという見込みもあり、これではスムーズな一時保護につながりません。

 厚生労働省のワーキンググループで示された資料では、司法審査に対応するために必要な児童相談所及び裁判所の体制整備、保護者や子ども側の手続関与の支援等の必要性がうたわれており、子どもの命を適切に救うためには、国主導の制度構築を進める取組が急務です。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、子どもが虐待を受けた際、迅速に一時保護を受けることができる体制整備を早急に進めるよう強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第10号・水俣病被害者の支援及び救済を求める意見書

 環境省は、昨年5月1日、主催した水俣病の患者や被害者の団体と環境大臣との懇談会の場で、長年水俣病で苦しんでこられ、全面解決を求めておられる方々の声を十分に聞くことなく、一方的にマイクの音を切り、発言の制止を行いました。環境省の前身である環境庁設置の原点でもある水俣病問題への対応としてあまりにも不誠実であり、苦しみを抱える方々の心を深く傷つけたことは疑いようもなく、全くもって看過できません。

 公害を克服し、安心安全な市民生活を取り戻してきた本市は、半世紀以上苦しみ続けてきた水俣病被害者の救済に向けて、環境省の誠意ある対応を求めます。

 2023年9月には、水俣病と認定されず、水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法(以下「特措法」という。)の救済対象外であった原告の全員を水俣病と認める判決を大阪地方裁判所が出しました。この判決は、2009年に制定された特措法では救済されなかった水俣病被害者の訴えが司法の場で認められた画期的判決です。しかし、国、熊本県及び原因企業であるチッソ株式会社は控訴に踏み切りました。

 また、現在政府はMRIを使用した調査研究を進めていますが、特措法でも明記され、現地で必要とされているのは疫学を含む健康調査です。昨年5月の発言途中にマイクを切った問題を受けて開催された同年7月の再懇談で環境大臣は、2年以内に健康調査を実施すると発言し、同年12月に健康調査に関する検討会を開始しました。しかし、その検討会の委員には健康調査の実施を求める被害者団体は含まれておらず、被害者団体が希望する健康調査と政府が想定する健康調査のかい離が懸念されます。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、水俣病被害者に寄り添い、対話を重ね、半世紀以上にわたって困難な状況にある水俣病被害者の支援及び救済を実施することを強く要請します。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

議員提出議案第11号・独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)の現在地での存続と機能強化を求める意見書

 独立行政法人国立女性教育会館(以下「NWEC」という。)は、1977年に設立された我が国唯一の女性教育に関するナショナルセンターであり、女性教育の振興を図り、もって男女共同参画社会形成の促進に資することを目的とする機関です。

 自然に恵まれた埼玉県嵐山町に建設され、文化芸術、スポーツ、青少年育成、国際交流等多くの人に研修・人事交流・調査研究・情報支援の場として親しまれてきました。また、2017年には、インフラ長寿命化計画が策定され、これまで6年間で総額約15億円を投じて、計画的に維持・管理が行われています。

 我が国における男女共同参画社会の形成促進を目的に、内閣府の下に「独立行政法人国立女性教育会館(NWEC)及び男女共同参画センターの機能強化に関するワーキング・グループ」が2022年12月に設置され、2023年4月に報告書が取りまとめられました。この報告書では、NWECについて、男女共同参画基本計画に定める施策全般を推進する「ナショナルセンター」としての役割を拡充するとともに、2022年12月時点で全国355か所の男女共同参画センターの「センターオブセンターズ」としての機能を強力に発揮すること、人材育成・職員の専門性向上や関係機関等とのネットワーク構築と連携強化、男女共同参画に関する政策立案機能の強化が示されています。また、研修棟や宿泊棟の在り方について、今後検討が必要とされました。

 しかし、研修棟や宿泊棟の存続を求める多くの声が上がる中、昨年7月に現行施設の本館以外を閉鎖する方針が出されました。これは、独立行政法人制度の下において、毎年予算が削減され、維持管理が厳しい状況となっていることも要因の一つです。

 世界経済フォーラムが発表した2024年のジェンダーギャップ指数において、日本は146か国中118位と、恥ずべき結果であり、今、社会全体でジェンダーギャップの解消に取り組むことが喫緊の課題となっています。

 よって、本市議会は、国会及び政府に対し、「女性版骨太の方針2024」に示す、女性活躍・男女共同参画推進のため、次の措置を講じるよう強く要請します。

1 人材の育成の持続的な取組のためにも、充実した人事交流を含む研修を実施できるよう、施設については、全国から市民や女性が集える研修棟及び宿泊棟を維持更新し、機能を強化して存続させること。

2 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律を受け、女性の課題を共有し、解決する企画を強化すること。

3 NWECの役割、情報、活用方法に関する広報を更に徹底すること。

4 全国の男女共同参画センターを支え、ナショナルセンターとしての機能を強化するための予算を十分に確保すること。

 以上、地方自治法第99条の規定に基づき意見書を提出します。

このページの作成者

市議会事務局政策調査課
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