安全柵がいらない
移動式「人協働ロボット」で生産性を向上。

株式会社マツシマメジャテック 代表取締役社長 池田 憲俊さん

― 御社の事業内容について教えて下さい。

製鉄所・セメント工場など製造業様向けの各種レベル計・レベルスイッチ・粉体測定機器・コンベヤ周辺機器などの開発製造販売を行っています。マツシマメジャテックの前身である松島機械研究所は1946年に創業しました。圧倒的なシェアを誇るドイツ製レベル計はどうしても国内の現場に適さない面があります。弊社の製品は国内の現場に合わせた、使いやすさを追求した製品です。多品種少量生産となりますが、セミオーダーのような形で各現場に合わせた製造を心がけています。

― 生産性拡大の取り組みの中で人協働ロボットの導入をされていると伺いました。

はい、2018年より人協働ロボットを導入しています。2017年10月からロボットを使った事業を行うシステム部門を立ち上げていたことも影響しています。ロボットと聞くと製造ラインに固定し安全策を設置し駆動するものをイメージされるかと思いますが、それらロボットが適しているのは大量生産・販売を前提とした大型の工場が対象です。高いパフォーマンスを実現してくれるという大きなメリットはありますが、導入コストが高く、費用対効果を考えると中小工場においては現実的ではありません。弊社のような多品種少量生産の現場であったり、24時間の稼働を前提としていない工場であったりする場合、特にそうです。とはいえ、製造業全体の人手不足が深刻となり、社としてなにかできないかと考えたときにこのハンドキャリータイプの人協働ロボット導入に踏み切りました。

人協働ロボット

ハンドキャリータイプの人協働ロボットの大きな特徴は「安全柵が不要で移動可能」「一台で複数の業務をこなせる」の二点です。今までのロボットはその出力の高さや、移動不可性から機械をベースに生産ラインを変更したり安全柵の設置が必要になったりしていましたが人協働ロボットは逆です。あくまで今の製造ライン、製造工程に合わせたフレキシブルな対応が可能になります。実際に弊社でも日中稼働時間帯はこのラインでこの作業、夜間帯は別の場所に移動して別の作業と一台複数役を持たせ人といっしょに稼働しています。

人協働ロボット

― 導入前と導入後の変化はいかがですか?

北九州市のロボット導入支援の採択をいただいたこともあり、2018年12月からこの人協働ロボットを導入しました。ある機械部品加工の作業に限定して言うと労働生産性2.1倍、リードタイム半減と確実に生産性が向上しています。作業員がいる日中時間帯は帯ノコ盤で部材カットを担当させ、就業時間終了前にロボットを複合加工機に移動させ別作業の指示をセッティング。プログラムをスタートさせ、人のいない夜間帯に人協働ロボットに仕事を任せています。作業内容は限定されますが、今まで稼働していなかった夜間の時間帯で生産を行うことができるようになりました。生産性は確実に向上したものと実感しています。今後はこの人協働ロボットを他の中小規模工場様に対しても提案を進めていこうと考えています。

― 特に製造業は人手不足が深刻化していますが、その他に取り組まれていることはありますか?

どの業界もそうだと思いますが特に九州の製造業は人手不足が深刻です。現在も韓国、台湾、ベトナムなど多様なルーツを持ったスタッフが働いています。まだ技能実習制度がスタートしていない1990年代頃から中国人の方、ベトナム人の方の受け入れを行ってきました。当時は出稼ぎ目的の方が多くトラブルも多かったように感じますが、今はそこまで感じません。働いてくれる方に関して日本人だから、外国人だからといった意識はなく外国人労働者の方もウェルカムな姿勢をとっています。

― 人協働ロボットの導入に外国人人材の活用など、時代に合わせた取り組みをされているように感じます

はい。働き方改革が叫ばれていることもありますが、弊社では「社員に活き活きと働いてもらう環境づくり」を大切にしています。その一環として、社で『わ~くわくプロジェクト』と名前を付け取り組みを行っています。

株式会社マツシマメジャテック スタッフ

例えば時差出勤やテレワーク。弊社では定時以外の時間帯のシフトを用意しており、週単位で社員自らどの時間に出勤するか選択できるようにしています。小さなお子様がいらっしゃる方は朝早めに出勤する代わりに退勤時間を早くしてお迎えに行きやすいよう調整したり、逆に朝は遅いほうが助かるというひとは出勤時間を遅らせたり。出勤日数のうち定時出勤が何回などのルールもなく社員の自由な裁量で選んでもらっています。全体の社員の2割り程度がこの時差出勤を活用していますね。

その他にも「仕事のスクラップ化」というスローガンのもと、各部署で無駄タスクをなくす取り組みも行い生産性向上に努めています。
ロボットの導入や外国人人材の活用はもちろんですが、社員が伸び伸びと働ける環境づくりも社の生産性向上につながるものと考えています。

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