3D✕AIによる人体モデルの再生技術。
コア技術の研究開発と知財戦略を推進する株式会社オービスブレイン。

D✕AIによる人体モデルの再生技術 株式会社オービスブレイン

―御社の事業内容を教えて下さい

独自で開発したコア技術を軸に、顧客に合わせて提供していく共創型のソリューション事業を展開しています。分野は主に3DとAI。現在、株式会社ワコール・人間科学研究所様と、3D人体モデルを再生する技術を共同で開発しています。多くのスタートアップ・ベンチャー企業に見られる社会問題解決型のスタンスではなく、先端的な技術テクノロジーを開発するところからはじめ、それをクライアントと共創的に事業を進めるスタンスを取っています。

―創業のきっかけを教えて下さい

(有光氏)九州大学・工学部に進学したのですが、人体の解剖学に興味を持ってしまい、中退してしまいました。その間、独学でAIや3Dについて学習し、当時1体10数万円で売られていた3D人体モデルを売ろうとしたんですが全く売れなくて。売れないんだったらと、そのモデルをフリーにしたんです。そうしたところ、世界中からアクセスがくるようになり、3年間で28万ダウンロードされるようになってしまったんです。CEOの早原は、私の叔父にあたるのですが、当時そのことについて全く話をしていませんでした。

(早原氏)そんなことをしていたなんて私も全く知りませんでした。2018年4月、たまたま北九州市小倉北区のファストフード店で有光と再会しまして。叔父と甥の関係ですから今何をしているのか聞いたところ、先程の顛末を知ったわけです。それ以前に、有光とソフトウェアの話をしたことは一度もありませんでした。私は、元々ソフトウェアエンジニアでしたし、仕事柄トップクラスの研究者やプログラマと会うことも多いのですが、有光の技術力は次元が違うと直感的に察しました。最初は、有光を大学医学部のベンチャー企業に紹介したのですが、最終的には、私の方から創業を提案しその準備に取りかかった形です。

―偶然の出会いがなければ今の形はなかったんですね

(早原氏)そうですね、以前は会って年に1,2回くらいでしたし、きっかけはわからないものですね。創業準備に入って直ぐの2018年6月、北九州市運営の「COMPASS小倉」がオープンすることを知りました。オープン当日に、登記前法人「OrbisBrain」として入居しました。入居後、COMPASS小倉のスタッフの方々から、様々な創業サポートをしていただき、大変心強かったですね。特に、アクセラレーションプログラム第1期として採択していただいたことが大きかったです。ワコール様とのつながりも、このアクセラレーションプログラムのプレゼンがきっかけでした。3D人体モデルはアパレル業界やヘルスケア業界に親和性が高いと認識してくださり、こういったつながりに発展したのだと思います。

株式会社オービスブレイン 早原 茂樹さん 有光 裕樹さん

※「左:有光氏 右:早原氏」

―確かにアパレル業界と3D人体モデルは相性がいいように思います。この技術について詳しく教えていただけますか

(早原氏)3Dモデルというのは元々1つ何十MB、何百MBといった膨大な容量になります。メールをはじめとする送受信ツールでの共有のしにくさ、共有ができたところでの再現性の困難さなどが原因となり、その技術革新が阻害されてきたように感じます。有光が開発したコア技術を使うと、3D人体モデルをわずか800byteにまで圧縮でき、QRコードに含めることができます。また、精度を落とせば3D人体モデルを16文字にまで圧縮でき、クレジットカードの文字数に含めることもできます。これを可能にしたのがAIを用いた人体に関する機械学習エンジン。あらかじめ膨大な量の3D人体モデルをAIに学習させ、体組成を示す数項目(例えば身長・体重・胸囲など)を入力することでその人の体型に限りなく近い3Dモデルを瞬時に作成することができます。例えばユーザーが、お店のコードリーダーに自身のQRコードをピッとすれば、店舗側はそのユーザーの正確性の高い人体モデルを得ることができるわけです。

3D人体モデル AIを用いた人体に関する機械学習エンジンの概念図

―写真読み取り型、スーツ着用型などの人体測定ツールがリリースされていますがそれらとの違いを教えて下さい

(有光氏)圧倒的な違いは3D人体モデルに基づいた機械学習だと考えます。スーツ型の場合、衣類にマーキングされたポイントを写真で測定し、その伸縮やポイント同士の幅などを測定して人体モデルを生成します。スーツを全く同じように着用しないと正しいデータが得られないという点は欠点なのかなと感じました。我々が作ったコア技術では、例えば身長や腹囲、胸囲などのパラメータを入力することで3D人体モデルを再生することができるため、測定ツールの精度に左右されにくくなります。この技術は、既に特許権を取得しております。しかしながら、オービスブレインとしては、この技術を使って今後どのようなビジネスモデルを作っていくかが大きなテーマとなっています。

―早原さんは弁理士として特許事務所も経営されていると伺いました

(早原氏)東京に特許事務所を構えており、そちらの経営も行っています。弁理士と聞くとあまり馴染みがないかもしれませんが、特にスタートアップ・ベンチャー企業にとって重要な役割を担う専門職です。弁理士の技術的な専門分野は非常に重要です。私は、情報工学に特化した特許業務を得意としていますので、有光の技術を最も理解できると思っております。私が持つ特許業務の経験値によって、有光が生み出す圧倒的な技術を保護していくモデルですね。先端的な技術テクノロジーであればあるほど、競合他社の模倣が生まれます。技術系スタートアップ・ベンチャーの方にはぜひ知っていただいてほしいことです。

―早原さんが情報工学に強い弁理士であることは心強いですね

(有光氏)そうですね。特にこの業界は技術の進化は日進月歩で、昨日新しいと思っていた技術が今日はもう古くなっているなんていうこともありますし、当然すぐれたテクノロジーを真似しようとしてくるところも出てくると思います。私たちのような小規模ベンチャーが資金的・人的リソースも潤沢な大手企業と戦えるわけもありませんし。だからこそ、早原がこういった専門を持っていることは技術者として安心できますね。精神的な安心感は開発にもいい影響をもたらすと思います。

―最後に社の今後の展開について教えてください

(早原氏)今後も先鋭的なコア技術を有光と創り出し、この技術の価値を見出してくれるパートナーを見つけていきたいと思います。スタートアップとして「請負型ではなく共創型」、このスタンスにはこだわりを持ち続けたいと考えます。アパレル業界だけでなくヘルスケア事業、薬局事業、防犯関連事業、北九州市が持つ独自の課題解決など、弊社の技術力で役立てることがあるものと信じています。

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