INTRODUCTION
ゆとりの森
心をひとつに
色とりどりの羽に身を包んだ鳥たちは、今にもキャンバスから飛び立ちそうです。それもそのはず。ほんままいの描く鳥は、彼女の日常生活に登場するリアルな人々なのです。創作活動をサポートしてくれるスタッフのミユちゃん、大好きな園長先生や施設の仲間たち。みなが寂しくならないように、鳥のお友達にはウサギを、子供の鳥にはお母さん鳥を描きます。画面には、彼女のストレートな愛情が満ちており、情感あふれる作品となっています。施設で扱うのが難しく、全国でもほとんど使われていない油絵を取り入れている「希望の園」。その自由な空間で、キュートな笑顔と時に真剣な眼差しで作家は今日も絵筆を走らせ、熱い想いをキャンバスにぶつけています。
PROFILE
1984年松阪市生まれ、松阪市在住。
「希望の園」所属。花や動物(特にとり)が好きで作品テーマの中心となっている。
普段利用する送迎バスの中から、羽ばたく鳥たちの姿が映るキラキラした小川の水面を見て大喜びしている。運動機能障がいのある腕から生み出される無秩序な線と鮮やかな色彩から、彼女が受けた感動が伝わってくるようだ。2005年に第57回みえ県展「すばらしきみえ賞」受賞。その後も、全国各地での個展、グループ展をはじめ、ドイツ、スペイン、ベトナム、中国でも作品を発表している。ACM Galleryから「アウトサイダー・アートフェア ニューヨーク」(アメリカ、2020)「現代 アウトサイダー・アート リアル-現代美術の先にあるもの-」(GYRE GALLERY、東京、2019)に出品。