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【コメント】
・今冬の感染症対策について
・北九州港開港記念マンスについて
・首相所信表明「温室効果ガス2050年ゼロ」宣言を受けて
【発表案件】
・行政手続きの押印見直しについて
・電子申請サービスの刷新について
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令和2年(2020年)10月29日市長記者会見
【コメント】
・今冬の感染症対策について
・北九州港開港記念マンスについて
・首相所信表明「温室効果ガス2050年ゼロ」宣言を受けて
【発表案件】
・行政手続きの押印見直しについて
・電子申請サービスの刷新について

更新日 : 2023年11月28日
ページ番号:000156527
コメント項目

(1)今冬の感染症対策について (資料なし)

(2)北九州港開港記念マンスについて (PDF:2.01MB)

(3)首相所信表明「温室効果ガス2050年ゼロ」宣言をうけて (資料なし)

月日:2020年10月29日
場所:北九州市役所

発表項目

(1)行政手続きの押印見直しについて (PDF:492KB)

(2)電子申請サービスの刷新について (PDF:200KB)

出席者 北九州市長

会見の動画(YouTube)

市長
最初にコメントを3つ、そして発表案件と移ります。
最初のコメントは感染症の対策であります。本市の感染状況は、毎日皆さまにも報道をしていただいておりますが、新規の陽性患者発生がない日が半数、今月はそういう状況でありまして、発生した日も2名以下ということで、現在は落ち着いている状況にあると考えます。福岡県内も非常に落ち着いてきておりまして、その点では市民の皆さま方のご理解とご協力のおかげだと思っております。一方でこの冬は、この新型コロナの感染症とインフルエンザの同時流行が世界的に懸念されているわけであります。市として、医療従事者などへのインフルエンザワクチン接種費用の公費負担を行っております。これはエッセンシャルワーカーズ10万4,000人を対象に、医療・福祉、保育、学校、消防など、社会の維持になくてはならない大事な仕事をしていただいている方々への対応でありますが、同時に、診療所などでコロナウイルスの検査ができる環境を整えてまいりました。医師会との協力で、「やってみよう」という医師の方も増えてきつつあります。今回、インフルエンザの予防接種の助成対象の中に、高齢者は県との協議で無料ということにいたしておりまして、国のほうも、10月26日までにぜひ早めの接種を呼びかけてきたところでありますが、これからは、10月26日からの接種でお願いしておりますのは、エッセンシャルワーカーズの皆さま、そして妊婦、中学校3年、高校3年生の方で、まだ接種されていない方は、事前に医療機関に予約をされまして、早めの接種をよろしくお願いしたいと思います。10月末になりますと、朝晩はずいぶんと冷え込むようになりまして、発熱など体調を崩される方も増えると思います。市民の皆さまには引き続きマスクの着用、こまめな手洗いなど、5つの行動目標の実践に加えまして、発熱等の風邪の症状がある時には、無理をせず自宅で安静にしていただく、あるいは、医療機関を受診する際には事前に電話で連絡をするというふうに、誰もが感染症になり得るということを、改めて認識をして、賢く適切な対応をみんなで心がけていきたいのであります。また、これまでも皆さま方にお願いをしてまいりましたが、国の開発しました接触確認アプリ、「COCOA」というアプリはなかなかの優れものであります。ぜひ多くの国民の方に「COCOA」をインストールしていただいて、対応を引き続きお願いをしたいのでございます。この「COCOA」の利用に加えまして、県は「感染防止宣言ステッカー」を呼びかけております。市のほうも、多くの飲食店などに対しましても、これを、確認をして、ぜひガイドラインに沿って営業をしていただくようにお願いをしておるわけであります。「COCOA」の活用、県の「感染防止宣言ステッカー」、こういうものを確認して、消費者の方もお店を選んでいただきたいと、引き続きお願いをしたいと思います。また事業者の皆さまには、従業員の方が急な休みの場合にも対応できるように、取組のほうをよろしくお願いしたいと思います。
また、これからの大きなテーマとして、社会・経済活動をいかに活性化するか、日常生活に戻していくかということも大変重要なテーマであります。感染防止対策、そして社会・経済活動、この両立を目指すことが、これからのますます大きな、重要なことであります。すでに「KitaQ Music Days」、あるいは「(北九州)フードフェスティバル」などを企画し、市民に呼びかけることによりまして、感染防止対策をしっかり講じた上で、楽しくアウトドアでひとときを過ごせるような、そういう活動のモデルとなるようなものを、市民の方にも「ぜひご理解を」ということで行ってきたところでありますが、同時に「北九州の魅力再発見パスポート」のほうも、皆さま方にいろいろとご活用をお願いしているところであります。皿倉山ケーブルカー、門司港レトロ、小倉城周辺など9つの施設を、一度パスポート券を買っていただくと何度でも利用できる、5ヶ月間利用できるという大変お得なパスポートでございまして、販売から2週間ほどで1万人近くの方にご購入をいただいたというように聞いておりますが、ぜひ10万人ぐらいの方には早く買っていっていただきたいものだと、このように思っておりますので、ぜひお買い求めいただきたいと、こう思っております。
これからのイベントの中で、特に多くの方々にぜひ楽しんでいただきたいと思うイベントは「小倉城 竹あかり」であります。昨年に続いて2回目で、大変多くのボランティアの方々が山から竹を切り出して、そして、竹あかりをつくって、しかも感染防止対策に万全を期して、このイベントを成功させようと一生懸命であります。10月31日から11月3日までであります。昨年も大変ご好評でございましたけれども、ぜひ多くの方々に楽しんでいただきたいと思います。そこでの感染防止対策としましては、体温を検知するサーモグラフィーが設置されており、また人の流れを一方通行にします。感染防止対策を随所でしっかり講じておりますので、安心してご来場いただきたいのであります。このようにして、社会・経済活動を日常に戻していくということと、感染防止対策を両立させながら進んでいきたいのであります。
次に、北九州港の開港記念マンスイベントについてお知らせをいたします。来月の11月15日は北九州港の開港記念日となります。昨年は、「開港130周年」ということで盛大に祝賀事業を行いました。同時に、門司港・西海岸エリア地帯の施設が、国土交通省から「みなとオアシス門司港」の登録をいただいたところです。本年度は11月を「北九州開港記念マンス」と位置付けまして、門司港におきましてさまざまなイベントを行います。イベント実施にあたりましては、検温の実施、検温後のリストバンドの着用、「COCOA」の登録の呼びかけ、人との適切な距離確保を呼びかける掲示など、感染症対策をしっかり講じます。具体的なイベントでありますが、「海賊グルメコンテスト」の開催、また、東アジア文化都市事業と共同でのアート展示であります、「門司港アートワーフ」の実施であります。また各種船舶が寄港し、恒例のイルミネーションやキャンドルの点灯式などを行います。今年の目玉は「グリーンスローモビリティ」であります。小型の電動バス10人乗りでございます。実証地域として、国土交通省からこの地域が選定されております。11月10日から23日の2週間、環境にやさしい電気バスが門司港レトロ・西海岸エリアを実証運行いたします。初日の11月10日には出発式を行いますので、ぜひ取材のほうをよろしくお願いしたいのであります。
3つ目のコメントであります。菅首相が国会におきまして、「温室ガス2050年ゼロ」宣言を所信表明の中で明らかにされました。これに関連いたしまして、本市の取組について表明をしたいと思っております。ご承知のとおり、総理のご発言は「2050年までに脱炭素社会の実現を目指す」ということであります。総理の宣言につきましては、今後、経済界・産業界を含めまして、「脱炭素」に向けた研究開発や、さまざまな動きが加速しているものと期待できます。地球温暖化対策に積極的に取り組んでおります環境未来都市、本市としましても大いに歓迎をしたいと考えます。産業都市であります北九州市にとりまして、「脱炭素社会の実現」というのは大きな課題でありますが、環境と経済の両立、環境と経済の好循環というのが北九州市モデルであります。この好循環に貢献するため、本市としましても国と同様に、2050年までに脱炭素社会を実現すると、つまり温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすると、この方向を目指すことといたしました。本市ではちょうど今、北九州市の「地球温暖化対策実行計画」を策定するため、環境審議会で鋭意審議を行っていただいております。今後、環境審議会をはじめ、各界のご意見を伺いながら、具体的な取組について議論を深めてまいりたいと考えております。
次に、発表案件でございます。まず行政手続きの押印の見直し、デジタル化についてであります。押印見直しの方針につきましては、先日の会見で申し上げたとおり、最新の状況を把握するため、市が所管しております全ての手続きを対象に押印の実態調査を行いました。この調査結果を踏まえまして、市が所管する行政手続きについて押印見直しの方針を取りまとめたところです。具体的には、市民・事業者の皆さんが市に対して行う手続きにつきまして負担の軽減を図るため、国や県の法令で押印が義務付けられているものは除きまして、押印の義務付けを廃止いたします。その上で、さらなる利便性向上に向けて、手続きのオンライン化を推進するということであります。実態調査の結果ですが、市民・事業者の皆さんが市に対して行う手続きは4,261種類でありました。国・県の法令で押印が義務付けられている手続き1,788種類を除きますと、2,473種類について見直しを行うことにいたします。そのうち、速やかに見直しが可能な1,965種類につきましては、10月末で押印の義務付けを廃止いたします。残る508種類につきましても、可能な限り前倒しで見直しを行い、今年度末、3月末までに押印の義務付けを廃止できるよう取り組んでまいります。また市内部で行う手続き576種類につきましても、業務効率化を図るため、原則として押印を廃止し、電子決済を推進いたします。具体的には、10月末までに571種類を今年度末、3月末までに5種類の押印を廃止いたします。これによって、市民・事業者の皆さんが市に対して行う手続きと、市内部で行う手続きと併せまして、10月末までに2,536種類、今年度末までに513種類、合計3,049種類の押印を廃止いたします。次に、手続きのオンライン化につきましてであります。市民・事業者の皆さまのさらなる利便性の向上に向けて、手続きのオンライン化を今年度の「集中取組事項」として今取り組んでおります。スマートフォンからも操作しやすい、新たな電子申請システムの導入、また、市民が必要な手続きを簡単に探し出せる手続きガイド機能を加えた新たなサービスへと今年度中に刷新をいたします。すでにオンライン化済みの113種類に加えまして、今年度末までに、新たに209種類の手続きのオンライン化を完了いたします。今回お示しした方針・スケジュールにつきましては、全部局で共通認識を図るため、11月2日「IT推進本部」を開催いたしまして、改めて全庁を挙げて徹底を図ることにしております。その際、「IT推進本部」を「デジタル市役所推進本部」に名称を改めます。デジタル技術を最大限活用し、市役所のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する、キックオフの場としたいと考えております。まずは行政手続きでの書面・押印・対面を不要とし、デジタルで完結できるようにするなど、スピード感を持って取組を進めまして、市民目線のデジタル市役所の実現を目指してまいります。
あともう1点の案件でありますが、新電子申請サービス「ネットで手続きガイド」についてお知らせをいたします。市民サービスの向上につなげるために、押印の廃止と併せて、書面や対面が必要な各種手続きの見直しを行って、オンライン化を目指していくわけです。またオンライン化を進めていくにあたりまして、市民にとって使いやすい電子申請サービスを提供することを目指しております。本日は、11月1日から運用を開始する本市の新しい電子申請サービスについてご紹介をいたします。これがスマホでありますが、ここに新しいサービス、「ネットで手続きガイド」というものがここにあります。こちらのほうに、スクリーン(モニター)にその画面が見えているとおりでございます。この新サービスの主な特徴でありますが、スマホから非常にアクセスしやすい、非常に見やすいということを私ども心がけてつくっておりまして、多くの市民がスマートフォンを活用されておりますので、簡単に申請できる画面構成としたこと、また市民が妊娠・出産などのライフイベントから、必要な手続きを見つけやすいと、そういう手続き案内の機能を新設したこと、またマイナンバーカードをスマートフォンにかざして、本人確認が必要な手続きも申請できることなどがあります。今後の予定でありますが、12月末を目途に現行の電子申請サービスからの移行を完了いたします。また押印廃止などにより、オンライン化が可能になる手続きを随時追加してまいります。またライフイベントからの手続き検索機能につきましても、まずは「子育てしやすい街」No.1を目指しておりますので、その観点から妊娠・出産のカテゴリーを最初に公開するわけですが、今後、お別れや転入・転出など、カテゴリー機能追加を予定しておりまして、順次機能を充実させてまいります。なお、これまでであれば、全ての機能が揃ってから新しいサービスを公開するのが普通であったわけですが、新型コロナ対策としましても、接触機会の削減効果が見込めることから、新サービスは早く公開するということにいたしました。電子申請サービスはつくって終わりではありません、多くの方に利便性を実感していただくことが重要です。今後も利用者からのフィードバックを得ながら、順次、使いやすいサービスにブラッシュアップしていきたいと考えております。手続きのオンライン化につきましては、市民の利便性向上に直結する取組であり、今回のデジタル化の潮流の中でも特に注力してまいります。押印廃止や手続きの見直し、オンライン化を進めまして、市民に何度も書いていただいたり、押印を求めたり、わざわざ市役所の窓口に来庁しなくても済む「デジタル市役所」の実現を目指してまいります。
以上であります、ご質問を承りたいと思います。

記者
先ほどの発表の中で、押印見直しの件の中で少し触れられたと思うのですけど、「IT推進本部」を「デジタル市役所」に一新するという、改善するという内容だったと思うのですけど、改めてこの部分の狙いですとか、具体的にどういったことが変わっていくのかをもう一度改めてお願いします。意気込み等も含めてお願いします。

市長
市役所といたしまして、このまち全体の活性化・発展を考える時に「IT化」という、あるいは「IOT」といった新しい流れにうまく乗って投資を活性化すると。同時に、市民の利便性を高めるということは、これまでも問題意識として受け止め、市役所全体として本部をつくって、それぞれの局が努力をしてきたわけでありますが、このコロナ禍を受けまして、オンライン化やDX化ということが、日本のみならず世界的に大変大きな、重要なインパクトを持って、今ウェーブが来ているわけでありまして、市役所としてもこの機会に全力投球で、全庁を挙げてこのIT化、このDXという流れにうまく乗って、市民の利便性を思いっきり高めると同時に、われわれ自身の事務事業を見直すと。ペーパーレス・オンライン化に向けて、これまで時間がかかっております。一歩一歩進んではいるのですけれども、これを思いきって前進させたいという思いも込めて、全力投球で市として取り組むと。そして、行政におけるこのオンライン化、あるいはDX化という、この面におきまして、ぜひ他の都市のモデルになるように、行政組織としてもこれを強力に進めるための手立ても、これから併せて考えていくわけでありますが、市として全力投球で大きな成果を目指したいと考えております。

記者
ありがとうございます。もう1点、先ほど「みなとオアシス門司港」の話も、コメントがあったかと思うのですけど、この門司港、小倉城もそうですけど、特にこの門司港に関して言うと、やっぱりコロナで非常に観光、非常に厳しい状況が続いているかと思います。現在の話で。いろんなところで、当然飲食店もそうでしょうけど、特にこの観光の事業者も今苦しい状況が続いていると思うのですけど、この部分で観光について今の考えている状況と、あとどういった、市として対策をしていきたいかというのを改めましてお願いします。

市長
コロナ禍の影響がどんどん出てまいりまして、いろんな影響がそれぞれの産業界に出てまいりまして、その中では、市としましては、いち早くいろんなこの支援策を講じて実行に移してまいりました。観光に関連して言いますと、「宿泊モニター制度(宿泊モニターキャンペーン)」ということで、このホテルなどが今、大変苦境に陥っておりましたので、それを支援する。あるいはプレミアム付の、「夏に行く券」ということで、このサービス業、飲食店を支援するというのをクラウドファンディングで始めたり、国の「Go Toキャンペーン」以前に、私どももできることを一生懸命、自治体として取り組んでいたわけであります。その中で、一時はもう本当に苦しい状況にあった観光業界でありますけれども、徐々に、例えば部屋の稼働率でありますとか、そういう面でも回復基調が見られるようになりましたが、1年前と比べますと、まだまだ大変に厳しい状況にあると考えております。従いまして、やはり新型コロナが心配なので、出かけることが億劫になっている国民は大変多いと思いますので、そうした意味では、感染予防対策をしっかりと講じた上で、「このようにすれば、安心してお店にも、また旅にも出られる」という、そういうきっかけと言いますか、市民の皆さま方にも「これだけ注意をすれば大丈夫ですよ」と、「楽しんでいただけますよ」という、そんな、いろんな機会のイベントを市も実践することで、これが「Music Day(KitaQ Music Days)」であったり、いろんな行事であります。この門司港レトロもそうでありますが、そういうふうにして、新型コロナ対策と社会・経済活動の両立を目指して取り組んでいきたいと思います。ぜひ門司港レトロ、新型の電動バスもそうでありますが、非常に魅力的なイベントも数多くありますので、ぜひお出かけをいただきたいと思っております。

記者
幹事社からは以上です。

記者
先ほどの「2050年までの脱炭素社会を目指す」ということを改めて市長のほうから表明されたわけですけれども、その環境審議会等での取組の議論を待ってということになると思いますが、もし市長が現段階で考えられている2050年までのロードマップのうち、中期的に、あるいは短期的に「こういうことをしていく」というものが何かもしお考えとしてあったら、あるいはもうすでに進めているというものがあれば改めて教えてください。

市長
北九州市が、福田内閣の時に募集があって、2050年までの低炭素のプロセスを含めて提案をして、それによるコンテストによって、「環境モデル都市」に最初に選ばれたわけであります。以来、過去の公害克服、あるいはリサイクルやエコタウンといった過去の業績にとどまらず、未来に向かってどのような取組を自治体として行うのかということが、環境モデル都市採択の時の要件であったわけであります。その時以来、改めて「低炭素」という取組が非常に重要であると考えまして、いろんなことを行ってまいりました。その1つが、洋上風力発電に10年がかりで今取りかかっておりますけれども、やはりエネルギーの面で、いかにしたら再生エネルギーをもっと活用できるかと。例えばそういうことも、その一環であったわけです。その中で、2050年には50%市内の炭素を減らし、しかし、環境技術を海外の国々に移転することによって150%分を削減する。併せて、2050年までに市内の200%の炭素を削減するということを打ち出して、それで「環境モデル都市」に選ばれた経緯があります。2050年の時に、今度は「ゼロにする」という考えであるわけです。これは「パリ協定」以来、例えばお隣の中国はエネルギーの大消費国でありまして、ある意味では、地球温暖化対策にとって一番大きな課題を持った国の1つであったわけでありますが、「2060年ゼロ」ということも出てまいりました。ヨーロッパにおきましては、「パリ協定の遵守」ということをみなが叫んでおります。アメリカにおきましても、新しい大統領が仮に生まれれば「パリ協定即時復帰」というふうに、今や急速にこの「ゼロカーボン」ということに対して、世界の取組が、一段と関心が高まっている状況にあります。本市の場合、この問題につきましては、産業界の理解と協力が得られるかということが大事であります。つまり北九州市の、この低炭素モデルというのは「環境と経済の好循環」であります。環境もよくなるし、経済も同時に発展をしていくという、この両立モデルが北九州市のモデルであります。従いまして、横浜や京都のようにはいかない。つまりCO2の6割は産業界から出ているのでありまして、その産業界にいきなり「止めろ」と言えば、それはもう工場をやめるしかなくなってしまいます。それをいかにしてうまく誘導するか、そこに新たな技術開発や投資が生まれてくると。そういうことで、どうすれば2050年に向かって、「パリ協定」をはじめ、世界の先進国が目指している方向に本市としても思いきって、率先して、そうした低炭素社会づくりができるかということをずっと考えてきたわけであります。その中で今回、菅首相が、この本会議において表明をされたということは、率直に言って私も驚きというか、感銘を受けました。これまで産業界の立場がよく分かっている方と、そして世界の、そしてまた日本の環境の推進を考えている人たちの間には、やはり距離感というものがあったと思います。そういう中にあって、「そうじゃないんだ」と、「1つの目標を立てれば、新しい経済・産業の大いなる発展・可能性があるんだ」と、「そこに行政として、国として、全力でバックアップをしていくんだ」という、これは一大決意だと思います。私としては、菅首相の今回の「2050年ゼロ」宣言というものを大いに歓迎したいと思いますし、私は総理の決断に心から敬意を表したいと思います。その意味で、私どもは今後、産業界・経済界の理解を得ながら、いかにしてそれを実現していくかと、そこに新たな技術開発や経済成長というものが確認されなければ思うようには進まないと思います。そうした面で北九州市は今後、環境審議会の皆さん方と十分練り合わせてまいりますけれども、「2050年カーボンゼロ」を目指して、「環境と経済の好循環」という北九州市モデルをしっかりと具体化・肉付けをしていきたいと考えております。

記者
ありがとうございました。

記者
発表案件とは別で、先日も質問が出た内容で恐縮なのですけれども、11月1日に向けて「大阪都構想」が今話題となっていますが、まずこの「大阪都構想」について、改めて北橋市長はどのようにお考えなのかというのをお聞かせいただけますか。

市長
これまでも県庁所在地におきましては、いろんな政策の立案・実行にあたりまして、県知事と県庁所在地の政令市の市長との間に、いろいろと意見交換があったということは伝えられてきた問題であります。私どもは県庁所在地ではない都市、政令市ではありますけれども、その都市の立場からこの流れを見てまいりまして、二重行政があるとは思っていないのですけれども、さまざまな局面におきまして、県庁所在地の政令市と県知事の間にはいろんな意見の交流があったと思います。その中の1つの極端な例がこの政令市をなくしてしまうと、こういう選択であります。しかし、この選択については大阪市民の賢明な判断によって流れが決するものでありますから、その大阪市民の賢明なご判断を見守るしかないわけでありますが、同時に北九州市がどうかと言われますと、県との間に「二重行政で困った」とか、「市民にとって停滞が見られる」ということはありません。その前提で申し上げますと、本来の地方自治のあり方というのは、住民に近いところで、身近なところでこれが議論され、そして、議会で決議されて行政が執行するというのが、望ましい自然な姿であると何度も申し上げてまいりました。そして、その基礎自治体では解決できない大きな問題もありますから、それを県なり国というものが補完をしていくと。つまり地方自治の本旨というのは「補完性の原理」だと何度も申し上げてまいりました。その意味で言いますと、財源や権限につきましても、住民に身近な本市の場合は、政令市のほうによりこの権限を与えていただくと。そのことが住民の身近なところで、つまり住民の監視・住民の参加というものが、目が、風が通りやすくなるわけでありまして、それだけ議会も行政も大変なわけでありますが、「これは国の問題です、県の問題です」と言っちゃいけないわけでありますので。そのほうが、緊張感がよりできて、住民自治の発展にはつながると自分は思っておりますので、そうした観点から、「特別自治市」ということを目指すべきだと考えております。政令市におきましては、大阪はこういう状況でありますが、他の市長さんも同じ考えではないかと察しております。

記者
ありがとうございます。現段階では、北九州市と福岡県内では二重行政はないというご認識があるというお話だと思うのですけれども、特別自治市について、ここを北九州市が目指す理由っていうのをもう一度お話ししいただけますか。

市長
それは一般論、理論的と言いますか、地方自治を考えた時に、できるだけ財源・権限があったほうが、住民の目がしっかりと行き届くところで行政の方針が定まっていくという意味において、それが地方自治にとってふさわしいというように申し上げておりますが、具体的に、今、県との間に二重行政の桎梏を感じたり、矛盾を感じたりはしていないと申し上げましたので、1つの論点としまして、今は新型コロナ対策です。感染症予防対策で大わらわでございますが、例えば医療機関というのは受診機会が減る。いろんなことで大変経営的に苦境に立たされているわけであります。その医療機関に対する支援というものは、国の方針によりまして、県のほうに予算配分されております。私どもは市のいろんな状況を、県のほうにお伝えをして、そこで適切な対応を強く求めているという状況にあります。それはそれで、この市内の医療機関の状況も、的確に県庁のほうも理解した上で対応していただけると思っているのでありますが、本来、インフルエンザ対策もそうであります。いろんなこのテーマにつきまして、市内の医療機関と行政、市役所との間には密接なこの行き来があります。状況は、行政としては一番よく知っていると思います。そういった意味では、「政令市にはもっと権限と予算を与えてほしい」ということは、政令市長会として国に要望してきたところであります。しかし、それは、実現していないからと言って「矛盾が生じている、停滞している」とは自分は思いません。北九州市がその分、「もっとこちらのほうにやらせてもらえれば、こんな手が打てるのに」という思いはありますけれども、その分、しっかりと県庁のほうに、いろんな機会に伝えておりますので、県庁のほうも北九州市の気持ちに立って運営をしていただいているものと、このように推測しております。

記者
ありがとうございます。

記者
今、年末年始の休みについて、長期化が今検討されていますけども、北九州市としては、小学校の休みを延長するなどといった現時点のお考えはありますでしょうか。

市長
教育委員会からは、これまでコロナ禍で学校の授業が思うようにできなかったという意味で、夏休みもそうですけれども、窮屈な思いをして、学業がしっかり前へ進むように懸命の努力をされている最中にあります。今回、こういう方針が国から突然示されたわけなのですが、これについて教育委員会としては、「これまでどおり、予定どおり、しっかりと授業は行う」という方針だと聞いております。それでは、私ども行政がどうあるかということですが、それもお答えしたほうがよろしいでしょうか。

記者
お願いいたします。

市長
国のほうは、とにかく「年末年始で人が街なかに繰り出す時でもあるので、そこで密を避けるように」という配慮でこういう提案がなされたものと思いますが、私どものほうには現在、国の通知として「こういう方向性が示された」ということは届いておりますけれども、何でも、国のほうで具体的に、それでは何か自治体に、あるいは産業界に対して新たな通知が出るかどうかを今、注視をしております。それを踏まえて、他の都市の状況もよく念頭に置いて対応を決めることにいたしますが、現時点におきまして、まだ未定であります。

記者
分かりました。ありがとうございます。

市長
ただ、もう一度補足しますと、やはりこれは市役所内部におきましても、メディアで報道をたくさんされておりますし、国のほうも「密を避ける」という意味で、「休暇の分散取得」という方針が出されておりますので、改めて自治体に対しては、何らかの対応があるものとは思いますけれども、果たして、行政というのは窓口で、例えば分かりやすい例は消防とか、あるいは社会福祉で年末困っている方もいらっしゃると思うのですよね。そういう、「市役所としてどういうことになろうが、窓口を開けてちゃんと市民に対応をすべき」という、そういう私ども方針で来ておりますので、それは変わらないわけですよ。国もその辺の事情は知っているでしょうから。そういった意味では、われわれが、市民から見た時の北九州市役所の対応が国の方針によって今後、窓口が閉まってしまうとか、それは、基本的にはないというふうに考えています。これは「全ての部局の窓口が」というんじゃなくて、どこか必ず開けて、市民のさまざまな行政サービスについての申請であったり、いろんなことについては、今までも、正月だって、省はちゃんと仕事をしているわけでありますので、みんな仕事をしております。そういうこともぜひご理解いただいて、その点が変わると、その点もある程度閉めて「分散取得」ということはありません。

記者
ありがとうございます。

記者
冒頭でも冬のコロナ対策の話が出たと思うのですけど、年明け、来年の1月末に北九州市議選があります。ちょうど3ヶ月、投開票までちょうど3ヶ月ぐらいとなりましたが、今そのコロナの中での大型選挙ということもあって、ちょっと投票率なんかも心配なのかなという気がするのですけど、この点について。もし市長の立場から何か、特に重要なことというか課題というかなにか、考えていることなどがあればお願いします。以上です。

市長
今、世界で最も注目されている選挙はアメリカの大統領選だと思いますが、コロナによる影響は日本よりもはるかに深刻であります。その中で、選挙運動をどうしているのか、また有権者はどのようにして投票するのかというのは注目しているのですけれども、郵便投票というのは便利ですね、その点は。でもそれは、日本では「市民一般に」というわけではないわけです。そうなると、選挙で訴える政治家の立場から見ても、非常に苦痛に満ちた初めての体験でもあるでしょうし、大変に厳しい状況の中で頑張っていかれるのだなと思っております。有権者も、これが4年に一度、北九州の1つの方向性を決める大事な選挙でありますので、寒い中ではありますけれども、期日前投票の場所を増やしたり、時間を増やしたり、できることは一生懸命考えておりますので、ぜひ投票所に行って賢明な選択をしていただきたいと願っております。

記者
ありがとうございます。先ほどの「大阪都構想」の、ちょっともう1点だけ確認なのですけど、市長の受け止めとしては今、県のほうと、二重行政とか、いわゆるそこら辺の根詰まりみたいなのはないという認識だと思うのですけど、その一方で、先ほど医療機関の支援のことも挙げられて、「もっとこんなことができるのに」というのを一方ではおっしゃっていたと思うのですけど、そこの矛盾をする訳、そこは、矛盾はしないという認識、ちょっと私、そこら辺の感じがよく分からない。

市長
政令市の立場からすると、大阪(市)さんは別として、どこも「特別自治市」という構想に賛同していると思います。つまり、できる限り権限と財源を基礎自治体に集めて、住民の身近なところで行政を運営するということが地方自治の発展にふさわしいという。そういう立場だと思います。従いまして、その立場は、今はどこも実現していないわけですから、当然、県とのいわゆる無駄と言いますか、二重行政の無駄はないにしましても、その特別自治市を目指す立場からいたしますと、「こういう点を移譲していただけると、しっかりできるんだがな」という、そういう思いはもちろんありますが、それは県との間にある二重行政の無駄ではないと考えております。

記者
ありがとうございます。

記者
新型コロナウイルスの影響で、航空会社のANAが巨額の赤字要素を出しているということで、北九州空港では、その傘下のANA Cargoが沖縄との貨物輸送をやったりということもありますが、旅客に比べて貨物については、全体的にその減少幅は少なかったようなのですけども、北九州空港からのその貨物輸送についての現状と今後の見通しなど、ご認識を聞かせてください。

記者
今、世界的に航空会社の経営が大変な状況にありますので、注目もされております。報道もなされております。ANA Cargoにつきましては報道も一部、いろいろあるということは承知しておりますけれども、今、北九州空港で就航してもらっている沖縄貨物ハブの活用という面につきまして、この再開が難しいという、そういう見方も一部あるようでありますが、本市では、こうした事実は確認しておりません。ANA Cargoのほうからは「来年4月以降は未定である」という、その報告のみであります。実際、この九州や西日本一帯から品物を集めて、沖縄を経由して、国際的なハブで利用するということでありますので、利用している企業のほうからも、その再開を望む声は上がっておりますし、本市としても、ANA Cargoとは緊密な連携をこれまで取ってまいりましたが、こうしたお客さまのニーズもお届けをして、再開に向けての働きかけをさらに強化していきたいというのが今日の時点であります。

記者
ありがとうございました。

記者
電子申請サービスのリニューアルだったり、行政手続きのオンライン化ということで、「デジタル化を進めていこう」というのが感じられるのですけれども、一方で、北九州の場合は高齢者の方も多く住んでいらっしゃって、中にはインターネットですとか、スマートフォンの扱いに慣れてない方も多くいらっしゃると思います。そういった方に対する利便性を今後またどう確保維持していくかというところで、現時点でお考えがあれば教えてください。

市長
スマホを利用される方は若い世代を中心に、スマホが普及してからかなり時間も経ちますので、かなりの数が利用されておりますので。しかし、そうは言っても、スマホというものを利用されていない方も、高齢者を中心に結構いらっしゃると思います。全て、全部オンライン、電子申請に変えるわけではありませんので、そうした方々については、説明は続けてまいりますけれども、スマホを活用されていない方にも配慮をした窓口の運営はしたいと思います。

記者
ありがとうございます。

記者
市長が最初のほうにご発言された、市内の「魅力再発見パスポート」についてなのですけれども、これ2週間で約1万枚売れるだろうと。かなり人気を集めているみたいで、値段も安いし、何回も利用できるというお得感があるのかなと思うのですけれども。これ何でこんなに人気が出ているのかっていうのは市長のほうからありますか、どういうふうにお考えでしょうか。

市長
「10万人ぐらいは早く行ってほしい」と自分は思っておりましたので、今のご質問ではありますけれども、やっぱり門司港レトロにしても小倉城周辺にしても、特に日本新三大夜景、皿倉山に登ることにつきましても、多くの市民はその魅力を感じていたと思いますね。それを機会に5ヶ月間、何回行ってもいいのかというのは、これはもう出血大サービス、管理運営している立場からすると、これは大出血なのですけど、でもそうやって、やっぱりみんな怖がって、「せっかく身近なところにいいものはいっぱいあるし、ちょっと工夫すれば感染症対策も十分できるのに」という残念な状況がありましたので、これがどんどん広がって、「感染予防をしっかりすれば、市内にはこれだけの素晴らしい観光資源があるし、楽しいひとときを友人や家族と過ごせる」ということをぜひ体験してほしいのですね。やっぱりコロナ禍には、経済的に非常に落ち込むとか、いろんな問題が出てきているわけですが、やっぱりストレスが非常に溜まると。例えば、子どものいじめや虐待というものも増えているのではないかとか、いろんなことも言われております。やはりストレスが非常に溜まっている面もあると思うのですね。ですから、そういうふうにして、みんな元気になってほしいなと、こう願っておりますので、もっと宣伝をして、皆さまのお力をお借りして宣伝をして、早く10万人を突破したいなと。いっぱいそういう身近なところに、こんなにいい観光資源があるのかということを体感してほしいし、元気になってほしいと願っています。

記者
発表案件ではないのですけれども、スターフライヤーがコロナの影響で業績が悪くて、資本増強を検討されているという状況にあるということなのですけれども、株主の中には、市が実施されている三セクも名前を連ねていると思うのですが、市として助成とか、何らかの支援策とか、そういったものを検討されていれば教えていただきたいのですが。お願いいたします。

市長
コロナ禍が始まる前、北九州市に本社のある、このスターフライヤー社の顧客満足度というのは10年近く、毎年この分野において1位というふうに、大変評価の高かった魅力的な航空会社だったと思います。それが、コロナ禍のためにこんな苦戦をしているわけで、大変厳しい経営環境に置かれているというふうに承知しております。同社のほうでも経営を、こういう厳しい中にあっても、再構築していくために今、懸命な議論と、そしてまた努力がなされているところでありますので、いろいろと報道によりますと、具体的な今後の手当についてもあるようでありますけれども、行政といたしましては、同社の経営に関することにつきまして、この場でコメントすることは控えさせていただきたいと思っているわけです。ただ、先ほどANAのCargoのお話が、ご質問があったわけでありますけれども、例えばANA Cargoが休止すると、九州や西中国地方で当日生産した工業製品だとか生鮮品を中心に、集荷の実績を挙げてきただけに、このANA Cargoのほうが止まっているということは大変にきついわけです、われわれにとっても。その点、この運休の影響が最小限にとどまるように、スターフライヤーの旅客便を使って、貨物を羽田空港経由で輸出できないかと同社に働きかけたりしております。このように、スターフライヤー社との間には、ご質問のテーマには直接お答えすることは致しかねるのでありますが、いろいろと相談をしているところです。

記者
ありがとうございました。

担当者
その他よろしいでしょうか。では以上で終わります。ありがとうございました。

市長
ありがとうございました。

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