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第10回議事要旨(平成15年3月11日開催)

更新日 : 2022年6月27日
ページ番号:000003063

会議要旨

1 日時

平成15年3月11日(火曜日)14時-16時

2 場所

東京第一ホテル小倉9階アルタイル

3 出席者

会長
 小野委員

委員
 嵐谷委員 内海委員 緒方委員 加藤委員 豊川委員 林委員 早瀬委員 松野委員 松藤委員 渡辺委員

事務局
 環境保全部長 環境管理課長 他7名

事業者
 株式会社シエールコーポレーション

4 議題

  シエールタワー小倉建設事業に係る環境影響評価方法書の審査について

5 議事

当該方法書の審査について諮問があり、はじめに事務局からこれまでの手続き及び縦覧に供した方法書に対して市民からの意見提出がなかった旨、説明があった。次に事業者から方法書の内容について説明があり、質疑応答及び審査が以下のとおり行われた。

緒方委員

説明資料の6ページ、方法書2-6に工程表があるが、工程表の3年目に24という数字があるが、これは25の間違いと理解してよいか。

事業者

はい。訂正する。

渡辺委員

ビル建設の対象地域にはいろいろな環境問題があると思うが、中でも近くに大きな百貨店があり、車の出入りが非常に厳しく渋滞しているときがある。方法書に書かれていないことだが、これに関連してお尋ねする。 建設時と供用後の2つがあると思うが、まず建設時については、工事は平日のみか。それとも休日も含まれるのか。というのは、休日にかなり渋滞が発生する可能性が高いと思うのでお尋ねする。

事業者

土曜日については工事の予定である。

渡辺委員

説明の中でもあったが、例えば、工事用車両については待機スペースを確保するということであれば、おそらく工事用地の中にトラックを引き入れ、停車し、クレーンで作業するということになるのか。

事業者

はい。

渡辺委員

そうすると、路上に駐停車することはないと理解してよいか。

事業者

はい。もしくは、無線連絡等で遠隔地で待機させておいて時間を決めてその時間に運搬車両を入れるという形でコントロールしていく。

渡辺委員

次に、施設の供用後について、タワーの中に132台の駐車場があるが、これは住人のためのものか。それとも商業施設のためのものか。

事業者

住人の駐車場である。

渡辺委員

ということは、105戸に132台ということは、各戸1台ずつは使われるという想定か。

事業者

そのとおり。

渡辺委員

そうすると、店舗の種類はわからないが、店舗に車で来る人はいないという想定か。

事業者

近くの時間貸しの駐車場と提携等をして、そこを利用していただく形で計画している。

渡辺委員

そうすると実際的な車の利用というのは、おそらく都心であるため、実際にそこに駐車している車で移動通勤される方は少なく、休日等に使われるという想定か。

事業者

はい。できる限り公共の交通に影響を及ぼさないように敷地内で待機スペースをとろうと考えた結果、地下まで引き込んでいっている。地下の駐車場までの道のりを長くして、その間でできる限り多くの車が待機できるようにということで考えている。

渡辺委員

そうすると、施設への来客による車の集中はないということだが、休日の車の集中がどの程度かという問題がある。例えば会社でいえばかなりの地位の方が住んでいる場合、そういう人の送迎というのはないのか。なぜこんなことを言うかというと、ちょうど車両の動線が描かれている部分は2車線で、おそらく休日や土曜日のある特定の時間については、ある百貨店に入る車がかなり並んでいて、その反対側車線にも送迎する車が止まる等しており、かなりシビアな状況になるので、お聞きしたい。朝だからあまり関係ないのかもしれないが、如何か。

事業者

基本的には、入居者が決まったら、管理規約というものが定められるので、その中で公共の道路での待機等はしないように規制していくというかたちになると考えている。

渡辺委員

了解。数が少ないため、そう問題にはならないと思うが、ただ、ピーク時があると思う。この交通渋滞という部分は審査会になじむかどうかは別にして、実際問題としてやはり非常に目立っていて、場合によってはクレームが出るようなところでもあるので、そういう車両の集中状況を勘案して、できれば大丈夫だという検討をしていただきたい。

林委員

方法書の説明資料21ページと23ページに関係するが、建設工事時には植物・動物・生態系の重要な種を環境影響評価項目に選定しないということになっている。私も結論的にはこれで良いと思うが、鳥については少し見解を述べさせていただきたい。方法書にも書いてあるが、北九州は渡り鳥の通過地点であり、鳥の場合は飛んで来るので、必ずしも建物が建っている土地だけが関係するわけではなく、周囲の空間がやはり関係してくると思う。北九州市で100メートルを超える建物は2番目ではなかろうかということもあるので、少しこれについて考えてみた。 鳥が移動するのに昼間と夜を考えてみる。昼間被害を受けるとすれば、全体がガラス張りで周囲の景色を全部反射するような外張りになっていると、例えば、雲や空の区別がつかずに衝突するということがあり得るが、この建物のイメージ図を見てみると、枠でずっと仕切ってあるのでその心配はいらないのではなかろうかと思う。それから、夜間は光の点滅が問題になる。例えば、灯台等で明るくなったり真っ暗になったりすると、目がくらんでそのままぶつかるということがあり得るが、今回の場合は、小倉のこの位置にこういう建物を建てると周囲が全く真っ暗になるということは考えにくいので、航空標識の点滅が多少あっても明るさが残るからそれもほとんど心配はいらないのではなかろうかと思う。この2つの理由から、一応、動物の鳥に関して、環境影響評価項目から除外してもよいだろうと思っている。

小野会長

100メートルもあるとバードストライクが多少心配になる場合が多いが、これでよろしいとする意見であった。

加藤委員

この建物が景観のうえで非常に重要になると思うが、立地している場所が河川の側であるということから、河川、具体的に紫川のリバーサイドであるという点の景観だけではなくて、親水性みたいなものがどのように配慮されているのかというのが少し気になる。景観上、河川への視線を塞ぐことになり、河岸を占有することになると思う。この建物を見ると、河岸に開放されている部分がある。そういう所での連続性等が考慮されているのか。おそらく今の段階ではそういった考慮が無いように思えるが、如何か。 また、方法書の河川の項目に、河川に関するデータ、情報というのがほとんど見あたらないが、紫川の都市空間における意味づけや、水質・水量等の記載がある方が良いと思う。そういうものも必要ではないかと思うのが、どのようなお考えかお聞きしたい。

事業者

まず、紫川の沿岸に接する土地における親水性についてだが、今回、総合設計制度を活用するうえで建物の周囲を公開空地として市民の皆様に開放するように計画している。そのため、集合住宅とはいえ、敷地内は基本的には誰でも自由に入れる形になっている。その歩道状公開空地や広場状の公開空地にはベンチ等の歩行者が休めるようなファニチャーの配置や、あるいは植栽の配置による木漏れ日空間の創出等を計画し、市民や歩行者へ貢献しているつもりである。今日、持ってきている絵ではその辺が非常に小さくて分かりにくいかと思うが。

小野会長

もう1つは方法書の中に、河川の状況等についての記述がないが、それについては如何か。

事業者

それは、環境影響評価の項目としての話か。それとも一般的な事項としての話か。

小野会長

評価の項目としての話である。一般的な話ではない。

事業者

評価の項目としては、影響を及ぼすかどうかということなので、河川に水を流すという行為等は一切ないので、評価項目には関係ないと考えている。 この建物と河川との関わりとして、大量の排水を流すとかそういうことは無い。住宅がたまたま百何戸積み重なってトータルの水が流れるものの、それが紫川の水量等現況データに影響する、あるいは川底にたい積する等の影響は無いと考え、選定していない。

加藤委員

方法書に港湾に関しては書かれているが、河川に関しての利用状況等が、先ほどの公開空地の意味づけ等のバックの情報として何か記載がほしいという気がする。

事業者

その点については少し抜けているので、準備書で追加させていただきたいと思う。

豊川委員

本日の説明資料の14ページについて、風害の防止というところがあるが、「植栽が防風対策として効果的となるよう検討することにより」ということだが、この場所は比較的狭いところなので、防風対策として植裁により効果を上げるというのは難しいと思う。今のところ具体的な方法というのが何かシミュレーション出来ているようなら説明いただきたい。

事業者

今はシミュレーションしていない。これは次の段階の準備書できちんと検討し、基準内に収まるような植栽を中心に考えたい。

豊川委員

それでは全く今からということで、この建物を計画し、鳥観図を作成する時には全くシミュレーションしていないということか。

事業者

もちろん簡易なものはやっており、ある程度これでいけるだろうと考えている。

豊川委員

河川が側にあるので、地下の部分で土壌改良や土質改良等を行うのか。

事業者

現在の使用状態から汚染物質が出るのか否かという意味か。

豊川委員

そうではなくて、基礎を掘るときの地盤の改良をするのか。

事業者

地盤はしっかりしている。

豊川委員

了解

小野会長

掘り込みをするだけと理解した。 今の質問と関連するが、計画建築物により風環境に影響を及ぼすと予想される地域として、計画建築物高さの2倍程度の範囲で200メートルという範囲にしているが、これは何か根拠があるのか。

事業者

風環境の検討範囲と解して良いか。

小野会長

はい。

事業者

今までのいろいろな風洞実験とかシミュレーションの結果、それくらいまで検討したらいいだろうという経験値である。

小野会長

風害の調査範囲としては、2倍程度あれば良いということか。

事業者

大体の環境影響評価はそのくらいの範囲で検討している。

小野会長

今までの例はそうであったのか。

事業者

はい。

小野会長

東京では近ごろ高層ビルが多く建っているが、それについても2倍程度を調査範囲にしているのか。

事業者

はい。

小野会長

これは環境局のほうも気にしており、私も目についたので、質問した。

豊川委員

風害については、その場所の形状によっていろいろ変わってくる。そして、場所によっては、数値は満足していても何故かすごく風が来るということもあったり、緑化をしていても、木の葉がなかなか育たなかったりとか、いろいろな問題はあるとは思う。もちろんこういうことは数値をクリアしていれば良いということとは思うが、経験値とはいってもなるべくそういうことは無視したいという部分が出てくる可能性があるので、十分検討していただきたい。またその結果がどうであったかということを委員長あたりにきちんとご報告いただきたい。

小野会長

特に、紫川というのは風の通り道であるので、今の豊川委員の意見が出てくると思うが、準備書のときにはその辺は十分書き込んでいただきたい。

早瀬委員

基本的には、非常にまとまった方法書だと思うが、1つ要望がある。こういった都市部での工事の場合、私などは最も嫌だと、環境上で不快感を覚えるのに粉じんがある。そういった粉じんの問題について、この報告書の中では5-2のところで、散水等により発生を防止するので選定しないということで環境影響評価項目から除外されている。環境保全措置を先取りすることによって、こういう形になるだろうと思うが、そうなると粉じんよりも、これは私の価値観かもしれないが、その影響としてもっと少ないと思われるような二酸化窒素の問題などと比較すると、すごくアンバランスに見えてくる。二酸化窒素の場合は、シミュレーションもして、環境保全措置も検討して、それをすべてあとの準備書・評価書に残していかなければいけない。一方、粉じんの場合には先取りしてこれを1行書くだけで、後どうなるのかという所が少し心配な気がする。例えば、今日参考資料で配っているマニュアルの34ページを見ると、環境保全措置について講じた場合には、ここにあるような項目が整理されて、あと書類として残っていくというようなかたちになっているが、ぜひ粉じんの場合も、これは環境保全措置をどう採るのか、誰がそれを担保していくのかということが重要だろうと思う。粉じんについて、調査予測評価は私も必要はないだろうと思うが、出来ればこの環境保全措置をどうするのかということについては、あとの書類にもぜひ残していっていただきたい。  また、5-3ページの廃棄物の文章であるが、これは建設廃材、掘削土みたいなものもここで入るのか。建設廃材が発生するために選定すると書かれているが。

事業者

残土が入る。

早瀬委員

了解。

小野会長

粉じんについては、保全措置のところでちゃんと書いておくようにという指示があったので、次の準備書の段階でチェックすることとしたい。

内海委員

建築後の影響評価について、報告書の5-5の表5-1-2の(2)に「人と自然との豊かなふれあいの確保」というところがある。その2番目、景観のところは、「施設予定地は商業地域内の社有地であり、市民がふれあい活動を行う場所ではないため選定しない」と書いている。一方、4-27ページの4-1-6の(2)では、「この場所が自然の豊かなふれあいの活動を提供している場所である」ということになっている。 私は、この場所こそは非常に大事なところだと思うので、「選定しない」のではなく、きちんと環境影響評価していただきたい。とりわけここは歩道状公開空地をつくることによって高く建てられることになっているので、この部分をいかにきちんと評価するかというところが大事だと思う。

事業者

はい。ご指摘のとおり「選定する」ということで修正させていただきたい。

小野会長

大変重要な指摘である。これは環境影響評価項目として選定するということで修正をお願いする。準備書においては、先ほどの加藤委員、豊川委員の指摘も受けて修正していただきたい。

嵐谷委員

工事に伴って、例えば自動車等、特にダンプカー、工事車両が出入りする中で、12ページに出ているように、「排出ガス対策型の建設機械の使用に努める」という非常に曖昧な言葉が使用されている。NO2ガスよりはやはりディーゼル粒子等の微細粒子の影響というのが今、非常に騒がれているので、私はやはり「建設作業を伴う場合の建設機械と運搬車両等も対策型に努める」というのは非常に曖昧なというか、逆に言うと、しなくてもいいような感じを受ける。やはり何年の排ガス対策の基準にきちっと適合していると厳しくした方が、環境保全という考えからすればよろしいのではないか。「指導する」という表現も曖昧さを感じるので、使用前に排ガス対策はきちっとしているという表現に修正すべき。特にダンプカーが出入りする場合、ディーゼル車だと軽油を使用すると思うので、きちんと対策されるべきであると思う。

事業者

実情としては、業界は必ずしもそこまで対策がとられていない。東京都を例にすると、石原都知事がやり始めて緒に就いたという、皆さんの合意に達したというところ。我々の業界はかなり遅れているが、最大限の努力はしたい。できる限りそういった機械を活用するというようなことでご勘弁いただければありがたい。

小野会長

「努める」とか「努力する」だけではなかなかご勘弁しない人が多い。だからむしろ「資料を提示して説明する」というようにするのが非常にはっきりしている。「努める」というのは努力目標であり、努めるか努めないかは個人の自由である。そうではなく、資料を提示するとともに説明する必要がある。アカウンタビリティの問題だ。アカウンタビリティをはっきりさせるということで、「-について説明をいたします」ということを書くのがいいので、「努力する」はやめておいたほうがいい。

事業者

了解。

渡辺委員

自転車の動線がここに書かれていているが、おそらくこれは地下に入れないといけない。下るときは良いが、上るときに住民は嫌がるのではないか。そうすると意識の高い方ばかりだと思うけれども、どうしても地下まで下ろさないで地上に駐輪したがるような状況があるのではないか。もちろん地下に入れるということは当然考えられて非常にいいことで、外国でもやられているが、ただ通勤とか通学とかは結構長期に止めるからそれはそれで我慢するが、おそらくこの場所というのは、交通目的が割と頻繁な状況ではないかと思う。そうすると余裕がないかもしれないが、駐輪場を何台か地上に設置したほうがいいような感じがする。ちょっと杞憂かもしれないが、ご検討いただければと思う。

事業者

検討する。

小野会長

今までのご意見に対して特に大事な点だけ申し上げる。この付近は交通渋滞が非常に頻発している場所である。道路も非常に幅が狭いところであり、その中に巨大な高層ビルができるわけであるので、当然その周辺の交通に対する影響というのは大きい。その点はこの書き込み方では不十分な部分もあるので、重々注意して書いていただきたい。今の渡辺委員の意見も当然中に入ってくると思う。 2番目はリバーサイドとしての発想というのが景観的には大変重要である。先ほど内海委員から指摘いただいたが、景観については重々注意して工事を進めていくということを考えないといけない。紫川を無視してもらったら北九州は怒ると思うので、一つよろしくお願いしたい。当然ではあるが、ふれあいの場であるので、このことは重要である。 今の粉じんの問題のようなものは相当注意して扱っていただきたい。表現は「努める」ではなく別な表現に改めていただく。保全措置についても記述をこれから十分していかないといけないと思う。このようにして粉じんを出さないということを記述しないと、先ほどの早瀬委員のご指摘が生きてこない。

内海委員

神嶽川(かんたけがわ)でしょうか。こちらとの親水性があまりよくできてない。護岸のところがあまりこちらのほうは手をつけられていないのですが、この紫川との合流の所はとりわけ、ぜひ評価していただきたい。

小野会長

川岸について十分配慮してくれということなので、よろしく。これは準備書に書き込むということが非常に大事なので、準備書に是非書き込んでいただきたい。

豊川委員

今後のことも含めて質問させていただきたい。今、方法書という段階は過ぎて、準備書というところに移るということだが、準備書を検討するときにこういうことを方法書にももう一つ入れておけばよかったというようなことがもし万が一出てきたときには、その辺のところはご検討いただけるのか。

小野会長

準備書の段階であっても、項目の追加や調査予測評価の追加実施等はできる。手戻りのような問題が出てきた場合にはもう一度開かせていただく。それでは、現在まではまだ手戻りというところまで行っていないように思うので、本方法書について一応皆さんのご了解を得たということで進めさせていただきたい。

この後、事務局から審査会の今後のスケジュール説明及び閉会挨拶があり、終了した。

このページの作成者

環境局環境監視部環境監視課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2290 FAX:093-582-2196

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