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第17回議事要旨(平成19年10月31日開催)

更新日 : 2022年6月27日
ページ番号:000003056

1 日時

平成19年10月31日(水曜日)14時~16時30分

2 場所

ホテルクラウンパレス小倉 9階「アルタイルの間」

3 出席者

会長
 
小野委員

委員
 
嵐谷委員 牛嶋委員 加藤委員 坂井委員 野上委員
 林委員 早瀬委員 藤井委員 山元委員 渡辺委員

事業者
 
自家用火力発電設備建設事業:新日本製鐵株式会社八幡製鐵所
 響灘地区製鋼工場建設事業:寿工業株式会社

事務局
 
環境局環境監視部環境保全課 (環境監視部長他2名)

4 議題

(1)自家用火力発電設備建設事業に係る環境影響評価準備書の審査

(2)響灘地区製鋼工場建設事業に係る環境影響評価方法書の審査

5 議事要旨

 審議に先立ち、「自家用火力発電設備建設事業に係る環境影響評価準備書」及び「響灘地区製鋼工場建設事業に係る環境影響評価方法書」の審査について、環境影響評価審査会に諮問を行った。

(1)自家用火力発電設備建設事業に係る環境影響評価準備書の審査

 事務局からこれまで手続きとして行われた縦覧(1名)及び意見書の提出(0件)の状況について報告を行った。次に、事業者から準備書の内容について説明があり、質疑応答及び審査が以下のとおり行われた。

小野会長

 委員の皆様方、ただ今の説明について、ご意見・ご質問がございましたらよろしくお願いいたします。どの点からでも結構です。企業努力として1990年比10%程度CO2を削減するという環境保全措置も出ておりますので、大変結構かと思います。何かご質問はありますか。

嵐谷委員

 参考までにお聞きしたいのですが、北九州の八幡製鐵所構内での年平均CO2濃度はどれくらいでしょうか。我々が大学生のころは0.03%で、今は0.04%、400ppmという話になってきています。北九州市の一般大気中のCO2濃度はどれくらいでしょうか。今回の事業が環境に与える影響はほとんどないという評価だと思うのですが、現状のCO2濃度がどれくらいなのか、参考までに教えていただければと思います。

事業者

 申し訳ございませんけれども、八幡製鐵所構内でCO2濃度を測ったことはございません。それから、ここで北九州地域の数字を把握しておりません。

嵐谷委員

 今回CO2についてせっかく触れられていらっしゃいますので、参考までにそういうデータをお持ちになって、質問に対して数値が示されると良いのかと思います。

事業者

 わかりました。帰りまして、数字をきちんと確認するようにしておきます。

嵐谷委員

 事業所全体として2010年までにCO2を10%削減するということはおっしゃっているわけですが、何を基にして10%減としているのでしょうか。

事業者

 今回、排出量という形で評価させていただいておりまして、濃度という形では評価させていただいておりません。あくまでも事業所からの排出量で1990年度に対して10%削減ということでしか評価しておりません。濃度についてはなかなか一事業所単位でどれだけというのは測りにくいものもありまして、今回は排出量ということで整理させていただいております。

嵐谷委員

 それで全く構わないのですが、排出量で言われても、どれくらいのものかがよくわかりませんので、八幡製鐵所の中でなくても、現在の北九州市内のCO2濃度に対して、今回の事業がどれくらい影響を与えるのかを示されると、何となくイメージしやすいと思います。

小野会長

 事業所も現在測定値を持っていない部分は、これから測定するということを仰っていますので、測定値を入れた形で少なくとも評価書のときには入れておいた方が良いと思います。

事業者

 その部分につきましては別途相談させていただきたいと思うのですが、CO2をどこで測るかという点もありまして、国内で確か測っているのは、南の島とかきれいなところで、国内では4箇所くらいでしか測られていないと認識しております。あまり工業地帯、あるいは普通の生活地帯でCO2濃度を上手いこと測っているという例はちょっと知らないので、その辺についてはご相談させていただければと思います。実際、評価書までに測るということが可能か否かということも含めまして。

嵐谷委員

 無理にとは申しませんが、せっかくSOx、NOx、SPMの3物質について予測・評価されていますので、地球温暖化ではCO2が重要で、ほとんど影響がないというのであれば、現状の濃度に対してどうかということを示した方がわかりやすいと思います。

小野会長

 わかりました。参考意見としていただいておきます。他の点はよろしいですか。

坂井委員

 嵐谷先生のご意見に関連することですが、市全体でCO2排出量を10%削減などいろいろな目標を持っているでしょうから、市全体のCO2排出量に対して、どれくらい影響があるのかという評価が欲しいと思いました。今回のCO2排出量に係る評価において、石炭火力発電にすると従来の施設と比べてCO2排出量が30%くらい増えることになるのでしょうか。この増加割合が市全体の排出量にどの程度影響するのかを本来は評価するべきではないかと思います。

 新日鐵全体の省エネ・省資源でカバーし、CO2排出量削減という目標自体は素晴らしいと思います。しかし今回は、石炭火力発電の事業評価に焦点を当てなければいけないと思います。CO2増加量を帳尻合わせで全部他に依存してしまっていいのか、その評価でいいのかという疑問を持っています。下手をすると環境アワセメントのようになります。他で帳尻を合わせるという理論だと他の事業でも同じような前例となって、環境影響評価を行う上で、いろいろと不都合が出てくるのではないかと心配しています。また、事業体を含めてトータルでCO2を削減していくこと自体は、非常に評価したいと思いますが、いかがでしょうか。

小野会長

 これは市全体の濃度がどれくらいで、今度の事業がどの程度寄与するかとうことを聞きたいのですか。市のCO2濃度は事務局でわかりますか。

事務局

 排出係数や製品の出荷額や自動車数など、いろいろなパラメータをかけ合わせて、毎年北九州市全体のCO2排出量を算出しております。しかし、CO2濃度については非常に周辺環境の影響を受けやすいため、測定する際にどこで測るか、どこが代表地点かという問題があるため測定を行っておりません。

小野会長

 CO2濃度の測定は難しいですから。

事務局

 CO2濃度の測定は行っておりませんが、CO2排出量としては把握しています。その中で、市内の排出量について企業単位で算出しているかというと、それも企業単位の排出量ではなく、業種別という形で出しています。

 市の排出量としては約1,500万トン。傾向としては毎年減少傾向にございます。特に産業部門の減少が北九州市においては非常に大きい。そういう状況です。

小野会長

 これは日本全体でもそういう方向にあります。むしろ家庭生活に伴う排出量の増加率が大きい。
 

事務局

 日本全体で見てもCO2排出量は、やはり増加しているわけですけれども、北九州市周辺においては産業部門の減少が著しい状況です。

小野会長

 著しく減少していることは大変良いことです。その著しく減少している状況に加えて、更なるCO2対策を講じようというのが現在の計画の中身だろうと理解できますので、今のご質問はそれで一応クリアということにしてよろしいですか。

早瀬委員

 蒸し返すようで申し訳ないのですが、私自身は今回図書を読ませていただいて、環境保全上、事業者が十分に削減のための措置を講じているかどうかという視点から見たときには、この計画でいいのではないかと判断しています。坂井委員等のご意見を聞いていると、今回の方法書の中で、一つは自主削減計画といったものが一つのバネになっているのですが、この計画について市民とどのようにコミュニケーションをとったものなのですか。是非こういった自主削減計画について市民とのコミュニケーションが必要だと思いました。

 もう一つは、今のご質問はきっと市のCO2削減計画があって、その計画の中で許容されるものなのかどうかということを判断したいという趣旨に聞こえたのですが、もし北九州市で削減計画があるのであれば、その計画と今回の事業におけるCO2排出量との関係を整理すれば、もっとすっきりするのではないかと思いました。

小野会長

 はい、コメントとしていただいておきます。他の点についてはよろしいですか。それでは、一つ目の審査案件である「自家用火力発電設備建設事業に係る環境影響評価準備書」の審査をこれで終了いたします。

(2)響灘地区製鋼工場建設事業に係る環境影響評価方法書の審査

 事務局からこれまで手続きとして行われた縦覧(1名)及び意見書の提出(0件)の状況について報告を行った。次に、事業者から方法書の内容について説明があり、質疑応答及び審査が以下のとおり行われた。

小野会長

 それでは、ただ今の説明につきましてそれぞれご質問・ご質問をお願いしたいと存じます。方法書段階でございますので、スコーピングに関するご質問になろうかと思います。このスコーピングに基づきまして、事業者は調査・予測・評価を実施することになりますので、お気づきの点についてご指摘いただきたいと思います。

 それでは、皆様がご意見をまとめていただいている間に、私が一番気になっていることを申し上げます。

 一つ目は、現在、自然環境に関しては事業実施区域及びその周辺には何も動物がおりませんし、草が生えているだけですので、特に問題はないのですが、むしろこれからは環境造成が非常に大きな問題になるのではないかと私は思っております。

 あそこは風衝地帯ですので、風が強い。その風衝のためには風衝林を作らなければならないのですが、どういう林を作るかによって後背地の風致地区との関係が出てこようかと思っております。どういう木を植え、どういう森を作るかによって全体の風景が変わってきます。

 北九州市では、響灘地区は「森の中の工場」ということを謳っておりまして、現在、緑の植栽を盛んに行おうとしているので、できれば工場を建設するときに環境創出、どういう環境を創出するのかという予想を立てていただくと大変ありがたい。今回の環境影響評価項目の中には入っておりませんが、自然との触れ合いについて方法書の中に取り入れられるなと感じております。事業者の創意工夫で良い方向に向けていくことは正しいと思いますから、周辺の森林環境をどういう形でこれから造成していくのかということも計画の中に立てていただくと、私は大変よろしいのではないかと思っております。

 これについては委員の皆様方が「そんなことをする必要はないよ」と仰るのであれば取り下げます。ただし、あそこは本当に風衝地帯ですから、森林がなかったら本当に困るだろうと思っておりますので、これは事業者の方がどのようのお考えか、ちょっとご意見をお聞きしたいと思います。

事業者

 お答えいたします。会長から今、景観問題についてご意見があったわけでございますが、具体的にどういった形で整備するかという計画はまだ持ち合わせておりませんが、北九州市で景観条例をお持ちですし、それから色彩の基本計画を立てられている。更に、工場敷地につきましては、工場立地方又は北九州市の条例等で緑化率が15%以上の緑化をしなければならないということになっております。そうしたことを踏まえ、景観面でも地域にふさわしいものを作ってまいりたいと思っております。

 また植栽につきましてもこの地域の風土に合った木、海岸地域で風力発電の施設もありますように、かなり風が強いという特性もございますので、ある程度の高木も植栽しなければならないと思っておりますが、樹種につきましては、また専門家のご意見をいただきながら決めてまいりたいを思っております。

小野会長

 ありがとうございます。私の質問に対する回答はそれで十分だと思います。環境影響評価項目の中に「環境造成」という項目は特にありませんが、評価項目として取り上げる癖をつけておくことは悪くないと思っています。何もないところに作る場合は、「環境造成をやります」ということを書いていただくことは大変良いことだと思います。委員の皆様、他の点について何かございますか。

野上委員

 温室効果ガスに関することですが、CO2排出量は当然、本格的に施設が稼動したときに予測するということですが、本件の場合は電気炉が一番多くのエネルギーを消費する設備になろうかと思います。今回まっさらな状態から作るわけなので、例えば最新式の省エネルギー型の炉を使えばCO2排出量をこれだけ削減できるとか、そういうところに触れる必要があるのかなという気もします。

 あと、これは質問ですけれども、基本的に操業は夜間に行う予定なのでしょうか。

事業者

 夜間操業につきましては、インゴットの製造部門は夜間操業を実施する予定でございます。また電気炉につきましては、「最新型の電気炉を」ということでございますが、具体的にどのメーカーの機種を採用するかについての選定はまだ行っておりません。ご指摘の点を踏まえて機種選定をしたいと思っております。

小野会長

 今の点についても準備書に記載していただくことなると思いますので、よろしくお願いします。他にございませんか。

早瀬委員

 私も温室効果ガスに関することですが、「関連車両の走行」と「資材運搬用船舶の航行」については評価項目に選定されておらず、選定しなかった理由についても何も触れられていません。評価項目に選定したものの理由は、温室効果ガスの発生が想定されるということですが、この理由からすると、この「関連車両の走行」と「資材運搬用船舶の航行」についても温室効果ガスの発生が想定されるのではないかと思います。そうなると、評価項目に選定したものとしなかったものとの違いがどこにあるのかということについてご説明いただいて、図書の中に書き込んでいただいた方がいいのではないかと考えております。

 環境影響評価項目の選定というのは必ずしも予測であり、予測をされて結構ですけれども、むしろ予測後の評価が大切で、事業者の方が事業者責任の中で最大限の努力をしているかどうかという視点から評価されるわけですから、評価項目の中に含めるということを考えられてもいいのではないかと思いますが、少しお話を聞かせてください。

事業者

 お答えします。CO2につきましては、事業所は常時稼動しておりますので、この状態でどのくらいCO2が排出されるのかということをきちんと押さえていきたいと思っておりますし、できる限りの対策を考えながら実施していくということを準備書には明記したいと思っております。

 それから関連車両の走行等の道路関係の方でございますけれども、今回の事業に伴う発生交通量は、資材の海上搬入等が主体の計画であることから、それほど影響は大きくないと考え、特に評価項目に選定しなくてもいいだろうと判断しておりました。ご指摘を踏まえまして準備書に中に入れていきたいと思っております。

早瀬委員

 私自身、決して非常に大きな影響を与えるようなものであるとは思っておりませんが、選定しなかった理由を記載していただき、また、市民の皆様の意見を聞いていただいて、まとまるようであればそれで良いと思いますので検討してください。

小野会長

 はい、わかりました。どのように対応するか検討の上、準備書に明記していただければ結構かと思いますので、適切な処置をお願いいたします。

嵐谷委員

 この案件では資材等の運搬に船舶を使っていらっしゃって、船舶に係る影響はNO2のみになっております。例えば、どれくらいの規模の船舶がどのくらいの頻度で、また資材の下ろし作業、船舶からのオイル漏れ、船舶の表面塗装が何かということが、海域へ与える影響について全く想定しなくてもよろしいのですか。船舶についてNO2のみが評価項目となっており、あとは何も評価項目に入っておりませんので、それでよろしいのかどうか、どのくらいの頻度で航行・作業するから、大した影響がないと言えば、それで良いのですが。

事業者

 お答えします。船舶に関することにつきましては、港湾サイドの環境アセスメントがございまして、その方法に倣って評価項目の選定を行っております。

 ただ今ご指摘の塗料の問題等につきましては、いわゆる海洋汚染防止法等の法律に基づき、基本的に事業者として「こういうことをしていはいけない」という前提事項がございます。船舶から何か排出することやオイル漏れということは整備の問題でございますので、管理面について事業者として気をつけていきたいと思います。そのため、特に水質汚濁に関する問題は想定しておりません。

 原材料としてのスクラップの輸入、それから製品の輸出につきましては大部分を船舶で行うことにしております。現時点での推計で船舶が月に40隻程度、船舶の大きさによって台数は変わりますが、月に40隻程度の船が出入りすると推計いたしております。

嵐谷委員

 船舶による水質への影響が危惧されないのであれば、特に問題とすることはありませんので、是非汚染がないよう留意していただきたいと思います。

小野会長

 ありがとうございました。要望としてお聞きいたしますので、必要があれば準備書作成時に対応してください。

加藤委員

 今のご意見に関連して、工場建設に伴い護岸工事を行うようになっていますが、その護岸工事が水環境へ与える影響は考えられないでしょうか。

事業者

 ただ今ご指摘のありました護岸工事に伴う水環境への影響の有無については、検討させていただきたいと思います。

坂井委員

 今の意見と関連して、地域の現況を把握していないのですけれども、事業実施区域に小さな川が二つありますね。

小野会長

 これは「川」というよりも「運河」みたいなもので、海水が入っているところです。「川」という名前がついていますが、ほとんど真水はありません。

坂井委員

 そうですか。この場合、影響というのは考えなくてもいいのですね。

小野会長

 護岸工事のときに気をつければ、同じことにあるだろうと思います。

 他にはよろしいですか。特にございませんでしたら、二つ目の審査案件である「響灘地区製鋼工場建設事業に係る環境影響評価方法書」の審査をこれで終えたいと思います。ありがとうございました。

 この後、事務局から今後のスケジュール説明及び閉会挨拶があり、終了した。

このページの作成者

環境局環境監視部環境監視課
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2290 FAX:093-582-2196

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