ESDの重要性については、1980年代から世界全体で認識されてきました。
・1987年
「環境と開発に関する世界委員会」が公表した報告書の中で、「将来の世代のニーズを満たしつつ、現在の世代のニーズも満足させるような開発」という「持続可能な開発(SD)」という概念が取り上げられた。
・1992年
「国連環境開発会議」で、持続可能な開発についての国際的な取組に関する行動計画である「アジェンダ21」が採択され、この中に「持続可能な開発のための教育(ESD)」の重要性とその取組の指針が盛り込まれ、世界的にESDの概念が深められました。
・2002年
「持続可能な開発に関する世界首脳会議(ヨハネスブルグ・サミット)」で「国連持続可能な開発のための教育の10年(ESDの10年)」をNGOと政府が共同して日本が提案しました。これを受けて2005年から2014年までの期間を「国連持続可能な開発のための教育の10年」(「国連ESDの10年」)とし、世界規模でESD普及への取組みが始まりました。
・2013年
第37回ユネスコ総会において、教育者・ユース・地域コミュニティなど5つの優先行動分野を定めた「ESDの10年」の後継プログラム「グローバル・アクション・プログラム(GAP)」が採択されました。
・2014年
ESDの10年最終年には、10年の成果を取りまとめる「持続発展教育に関するユネスコ世界会議」が、愛知県・名古屋市と岡山市で開催されました。この会議では、10年間の成果を振り返り、2015年以降も積極的にESDを推進していくことが世界各国で共有されました。
また、第69回国連総会においてGAPが採択され、世界規模でESD推進が加速されることとなりました。
・2015年
「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals:SDGs)を中核とする「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が、平成27(2015)年9月25日に、ニューヨーク・国連本部で開催された国連サミットで採択されました。SDGsにおいても、「教育」の目標が挙げられており、ESDの重要性が一層高まっています。
また日本においては、GAPの採択を受け、文部科学省と環境省が中心となった「ESDに関する関係省庁連絡会議」が設置され、「日本における『ESDに関するグローバル・アクション・プログラム』実施計画(ESD国内実施計画)」が策定されました。
・2019年
GAPの後継として、第74回国連総会「持続可能な開発のための教育:SDGsの達成に向けて(ESD for 2030)」が採択されました。
そこでは、ESDが質の高い教育に関するSDGsに必要不可欠な要素であり、その他の全てのSDGsの成功への鍵として、ESDにSDGsの達成の不可欠な実施手段であることが明記されています。