新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、治療や療養が終わっても一部の症状が長引く(遷延する)方や、新たに出現する方がいることが分かってきています。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の回復後の経過については、未だ不明な点が多く、新型コロナウイルス感染症に対する社会的不安を引き起こす一因にもなっています。後遺症の治療には長い時間がかかる場合もあり、感染から1年経過しても症状が見られる場合もあります。
遷延する主な症状として、疲労感・倦怠感、息苦しさ、筋力低下、睡眠障害、思考力・集中力低下、脱毛が報告されており、退院時までにこれらの症状が出現した患者の3割以上で診断6か月後にもこれらの症状が認められています。
遷延する症状が1つでも存在すると、健康に関連したQOL(Quality of Life)は低下し、不安や抑うつ及び新型コロナウイルスに対する恐怖心が強まり、睡眠障害を自覚する傾向が強まることも報告されています。
ただし、厚生労働省の調査(厚生労働科学特別研究事業)では、軽症者を含む525名において、アンケート結果から診断後6ヶ月の時点で、約8割の方は罹患前の健康状態に戻ったと自覚していたことが分かっています。